あれから一月

棚に並んでいたものを元に戻さない内に、一月が過ぎた。
いちいち知らせて気遣いを重ねさせるのも…と、強い余震が収まった今月上旬以降は敢えて触れないようにしてきたが、当時と比べてはるかに弱いものの、揺れはまだ続いている。
震源地に近い小千谷(おぢや)市では、今日、合同慰霊祭が営まれたと朝日新聞などが報じた。

18日に行われた新潟県酒造組合の発表によれば、県内98社中、約40%に当たる40社が何らかの被害を受けたとのこと。
内24社は既に製造を再開しているが、残り16社は年内の復旧が難しそうだ。
15社については年度内の再開を見込んでいるが、1社は今季の製造を見合わせたらしい。

「まだ98もあったの?」と云われるかも知れないが、新潟の蔵元がとうとう100を割った。残っているにしろ旧来のまま続いている蔵となると、さらに数は減る。
長らく除夜の鐘と同じ108蔵と憶えてきたおやぢには隔世の感があるが、近年、「早晩50〜60社になる」と云い続けてきた持論からすれば、当然のことでもある。
残ってほしい蔵がきちんと残れるように…。おやぢの願いはそれだけだ。


鯉川 純米吟醸 DEWA33

Tankさんのコメントに書きながら、その晩は忘れてしまった「鯉川 純米吟醸 DEWA33」。
昨夜はしっかりと抱いて帰った。:-)

肴はギス(地方名)の煮付け。塩焼きもうまいが、淡泊な白身に煮汁がしみ込んだうまさはまた格別で、おやぢには鱈と並ぶ冬の煮魚の両横綱に思える。
白身魚のそこはかとない甘みを得も云われぬうまさと感じるのは、それなりの年になってきたということかも知れない。

さて、『DEWA33』だが、オール山形だから、当然、山形酵母と思われる。
元々やわらかな口当たりと甘みの余韻が鯉川の持ち味だからと、45℃ほどの燗にした。
余目の某居酒屋に持ち込んだ大吟醸を「45℃にして香りを飛ばして」と注文を付けた蔵元を真似たのだが、『出羽燦々と山形酵母』のコンビは予想どおり(いや以上か)に吟香が強い。
そのが香りがギスの風味を覆い尽くし、鼻につきまとう。もっと温度を上げれば良かったかと思ったものの、それによるバランスの崩れも気にかかるし…。
そんなにヤワな酒ではないと思いつつ、もう少し飲み込む必要があると感じた。
そういう意味では、昨晩は庄内産一般米を使った『鯉川 純米酒』の方が合わせ易かったかも知れない。
この2,000円/1800mlの純米酒がまた、おやぢの好みなのだ。
 


 
※『ギスの煮付け』のギスについて
こちらでは単に『ギス』とか、稀に『キス』とも呼ぶが、正式には『ニギス』のことをいう。

【ニギス】
サケ目ニギス科。
オオギスとも呼ばれる本当の『ギス』は、カライワシ目ソトイワシ科。
天ぷらや刺身でお馴染みの『キス』は、スズキ目キス科。
それぞれまったく別物であることが分かる。

『ニギス』をキュウリウオ目ニギス科とするサイトもあるが、旧い分類か。
同サイトで『オオギス』と呼ぶこともあるとされるように、魚の地方名は実に様々で、名前だけでは判別が難しい。
要は、その土地に口を持って行けということか。