酒粕料理

庭の桜や紅しだれの葉がすっかり落ち、冬の訪れが間もないことを知る。
新酒が出始めるこの時季、無性に食べたくなるものがあるのだ。
『蕪の粕炒り』がそれで、亡くなった祖母が良く作ってくれた。
祖母は酒が飲めない人だったが、秋になると、長瓜・胡瓜・茄子などの粕漬を漬け、冬ともなると、この『蕪の粕炒り』や『鯖の粕煮』、塩引きの落としを入れた『粕汁』、はては『甘酒』まで、実に様々な酒粕料理を作ってくれたものだ。

それもこれも常に酒粕を豊富に使えたからだろうが、昔の人らしく、なんでも大量に作る。
『蕪の粕炒り』も大鍋で作って、深鉢にいっぱい出てくる。きちんと歯触りを残した蕪はもちろんだが、蕪を食べ終わった後に残るやや甘めに味付けられた粕を、とろろのようにご飯にぶっかけて食べたりもした。
子どもの頃から酒粕に慣れ親しんだ結果が、今の呑兵衛おやぢであることを考えると、罪作りな祖母だったかも知れない。:-)

魚の粕煮も好物のひとつだが、鯖を鰯(最近は高級魚になりつつあるから、秋刀魚?)に代えてもいいし、身欠き鰊でもいける。青魚の生臭さや身欠き鰊の癖のある風味を酒粕が上手くあしらい、酒の肴ばかりでなく、ご飯のおかずとしてもありがたい一品になるだろう。

これらのレシピは…


【蕪の粕炒り】
レシピはこちら
コリッとする蕪の歯触りを損なわないように作るのがキモ。
# 塩をふる必要があるのかなぁ。
くれぐれも火を通しすぎないように。蕪も火に当ててもやわらかくならないものを選びたい。
また、酒粕と味噌の割合は、このレシピでは味噌が多いように思う。好みで調整してほしい。

【鯖の粕煮】
蕪同様、酒粕と味噌を合わせて作るだけで、鯖の味噌煮を作る要領と同じ。

薄酒の地の郷土料理に興味がある方は、上で紹介した『新潟県の郷土料理カード500』を参照されたい。
以前は、無骨な『簡略版』だけだったが、いつの間にか体裁良く作り直されている。