某大吟醸H13BY

♪純米へ 純米へと 草木もなびくよ♪てな時流の中で、「アル添酒でも真っ当な酒はある」と云っていた。今なお、そう思っているし、公言もしている。
実は、先日来「いつふくらむか」と楽しみにしていた酒がある。
原料米:兵庫県産山田錦 精米歩合:40% アルコール分:16%台
日本酒度:+5 酸度:1.5 アミノ酸度:1.1
平成14年の全国新酒鑑評会で入賞した堂々の大吟醸。
以前なら、「捌けも良いし、きれいな酒だなぁ」「さすが入賞レベル、欠点が少ない」など、順当に評価していたはず。事実、冷やでもきちんと味があるし、含み香も穏やかで、冷や酒が好きなら、十分に食中酒となり得る酒なのだ。
それなのに‥。あぁ、それなのに‥‥。


燗をつけても味が伸びない。「熟成酒は目覚めが遅いから」と、放置もしてみた。それでも線の細さに変わりはなく、品は良いものの、するする飲めるだけの酒。要は、薄いのだ。
あっという間に定量の2合が空に。もちろん、満足感はない。
次ぎに選んだのが、あの酸っぱかった『秋鹿 山廃純米吟醸 無濾過原酒 2001』。熱燗ほどで、とろ〜っと蜂蜜をたらしたような濃密なうまみに化けてくれたから、余計に薄く感じてしまう。
値段が値段だけにもったいなく思えるのだった。
それにつけても、珠に近い大吟醸を貶すことになるとは‥。orz
♪こ〜んなぁ からだにぃ〜 誰がしたぁ〜♪


奈緒子【小学館文庫】

同社ビッグコミックスピリッツに連載されていた頃、何度か目にしていたこれが、近くの本屋に文庫版で並んでいた。
しげしげと眺めたら、原作が坂田信弘。この人の持って回った展開は『風の大地』(小学館ビッグコミックオリジナル連載)で懲りていたはずなのに、「ヤバいなぁ」と思いつつ手を出してしまった。手元の未読コミックスが底をつき、たまたまもらった商品券を消化しちゃえという、お気楽な衝動に負けてしまったのだ。
初回は在庫の1・2巻の2冊ですんだが、すぐさま小学館のサイトで続巻を検索。文庫版でも10巻まで出ていることを知ると、いつもの『e-hon』で3〜10巻まで一気にポチ!!っと。
またぞろドツボの予感が‥‥。


元のビッグコミックスでは全33巻。あと6〜7冊。次が出るたび、また買ってしまうんだろうなぁ。
そればかりか、第2部『奈緒子 新たなる疾風』(全6巻)を『@古本市場』の「入ったメール」に登録してしまった。既にドツボ決定。orz


三種混合志ら梅

鱈入り野菜たっぷりの鍋がで〜んと鎮座しているものの、豚ハツ炒め、チキンカツ‥‥。
肴が寂しいが、ま、こんな時もあるさ。
ずらっと並んだ酒瓶を眺めていたら、『羽前白梅 純米吟醸 ちろり』が呼んでいる。
冷やで一杯取り、レンジの前でじゅるじゅる。穏やかな吟香。開けたてに感じた線の細さは、開栓放置により程良いボディ感が与えられた。押しの強さはないものの、涼やかできれいな純吟。
ところが、徳利に注いだら定量に満たない。「はて‥」と、再び酒瓶の残量をチェック。わずかに残るは『羽前白梅 純米酒』。そう、あの美山錦50%のただの純米酒だ。
同じ蔵の酒、相性が悪いはずはなかろうと徳利へ。
「あや!?」、まだ足りない。「梅マークの王冠や〜い」で見つけた『羽前白梅 純米酒 穂の香』。
結局、ちろり7:純米酒1:穂の香2の三種混合『志ら梅(*1)』に。
ちょっと熱めに燗を付け、鍋の葱と豆腐を。「う〜ん、ほぐれるなぁ」。春菊の歯触りと鮮烈な香りが鼻に抜けてくる。ハツはやや塩があまい。もう少し塩と胡椒をしっかり利かせてくれれば良いのにと、一人ブツブツ。チキンカツ、今日の酒なら醤油で。「ほら、合うじゃない」。
再び鍋へ。出汁を吸い込んだ白菜が甘い。鱈の皮のクニュクニュ感もご馳走。春菊独特の癖は大人の食べ物だと、独り占め。
品の良い吟香と滑りの良さに後のキレ。アクの強さが欲しければ他の酒を選ぶが良いが、穏やかな食中酒として、きめ細やかなうまさを教えてくれる酒だ。


*1:【志ら梅】
休造していた羽根田酒造が酒造りを復活させた時の銘柄。当時は、再び酒造りにかける志を表した『志ら○』を銘柄とする蔵が多かった。(蔵元談)


ポテトサラダが‥

もう少し置いておきたかったのに、悪魔の囁きに負けて、到着間もない『睡龍 生もと純米吟醸』の封を切ってしまった。当然、一升瓶の方。
ジュルジュル。「おぉ!?」。ちゃんと味がある。(^^;
いそいそと持って帰ったら、鰤の照り焼き・キノコと野菜の炒め物目玉焼き添え・ポテトサラダなど。
冷やの味はみているのに飛び切り燗にする3分40秒が待てず、またもやちびちびと。
アチチに仕上がった酒を注いで上燗ほどにすると、まだ硬さは残るものの、生もとらしい香りに良い伸び具合と相変わらずのきれいさ。
鰤の皮の脂をさらっと流してくれるし、キノコと野菜の炒め物もさっぱりさせる。強めの半熟にした黄身が甘い。
しかし、その晩のメインイベンターは、ポテトサラダだった。
粗くつぶしたじゃが芋の旨みに抑え気味のマヨネーズの酸が加わると、丼一杯食べたくなるような相性を見せる。
帰りの遅い長女のために「これくらいは残してやらなきゃ」と取り除けた分にまで箸を出してしまい、かなり目減りさせてしまったことは、食い物の恨みが恐ろしいから内緒にしておこう。:-)
残りは、当然、常温放置なのだが‥‥。


あらためて数えたら、一升瓶が、にぃ、しぃ、ろぉ、はぁ‥‥‥、なんと14 16 本!!
「数え間違えじゃ‥」と再び数えても答えは一緒。
ヤバい。そろそろ台所退去命令が出そうな予感。(^^;;


iCalの倉庫、ダウン?

MacOS X付属のスケジューラ、iCalのライブラリで知られる『iCalの倉庫』
年明けに更新しようとしたら、変なサイトにジャンプするからおかしいと思っていたけど、今日はとうとう「サーバが見つからない」というアラートが。
ウイルスでも仕掛けられたのか、ハックされたのか、どなたかご存知ありません?


これさえなきゃ

iBook(Dual USB)のAC電源を外すと、見る見るバッテリの残量が減っていく。ものの5分で60%を切る。薄々気づいてはいたのだが、最近はAC電源がない環境で使うことがなかったから放置していたけど、先日の雪中行軍でその頼りなさに直面して、とうとう腹をくくった。
取りあえずApple Storeを。
12″用とあるからこれで良いのかと思いつつ、「今や旧機種となった我がiBookに適応するのか」という疑問も。
電話で確認したら、案の定、「合わないことはありませんが、保証対象外となります」「販売した以上、パーツの保持期間があるでしょ?」「商品としては取り扱っておりませんので、サポートにお問い合せを」と、いつものたらい回しだ。
AppleCareサービス&サポートラインへ電話。
「頼りなさそうなお兄ちゃんに当たっちゃったなぁ」と、思いながらも事情を説明すると、「どうやらリチャージャブルバッテリーパックのみのトラブルのようですので、在宅自己交換修理(Customer-Installable Parts)の扱いとなります」「何それ?」。
ここに至るまでにシリアルナンバーやパーツナンバーの確認で、都度「少々お待ちください」が繰り返されているというのに、ここからの説明がまた長い長い。
いい加減呆れながらも「分かりましたから至急手配を」「承知いたしました。お支払いの方は?」「クレジットカードで」。
番号等を伝えてから認証を受ける間に二度「もうしばらくお待ちください」が入ったが、ようやく手続き完了と思いきや、「受付番号をお控えください」ときた。メールアドレスも伝えてあるというのにだ。こういう場合の受付確認、普通、メールでくれません?
「たかが、こいつ一つのために‥」。
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イライラてんこ盛りのサービスは、どこのサポートも似たようなものだが、今回のAppleCareサービス&サポートラインの対応は、初心者にも分かりやすく親切ていねい。あるいは、痒いところに手が届く気配り。それとも、相変わらずのおバカ。どう云えばいいのだろう。


Noteのリチャージャブルバッテリーの寿命って、一般的にどれくらいでしょうか。
予備を買っておけば良かったなぁと、つくづく思う。


かしましい夕餉

久しぶりにスネかじりたちが顔を揃え、包丁を持つ者、湯を沸かす者、ていねいすぎるハムの包装と格闘する者、台所でわいわいやっていた奴等を掻き分け、隅に放置している酒から『武蔵の里 純米原酒』を選び、いつもどおり冷やで味見。「ちょっとおとなしくなっちゃったかなぁ」と思いつつ、3分20秒の燗を。
『竹鶴 秘傳』に似た趣を持ちながら、それをやや軽くしたような『武蔵の里 純米原酒』は、鈍重さや諄さを感じさせない原酒で食事に合わせやすい。
鮪の赤身。トロばかりがもてはやされるが、鮪は赤身かそれをヅケにしたものが好み。鮪特有の風味も無難に受け止める。スモークサーモンのカルパッチョ風。やや脂の諄いサーモン、付け合わせのパプリカやオリーブ油の風味もさらりとこなし、豚ハツの塩コショー炒めの油を洗う。鮟鱇の辛子味噌和え。皮や軟骨のクニュクニュした食感を楽しみ、身は若干ぱさついているものの淡泊なうまみ。肝は酒飲みの王道だろう。醸造ものの組合せである酢味噌ときちんと合う酒が、悪い酒であろうはずがない。
飲んでいる間に、かしましいスネかじりたちもできあがったスパゲティとともに席に着くと、静かだった晩酌は途端に、ビールでさえオヤジの飲み物とされ、カクテル擬きが主流の居酒屋の一角となる。
「食べる?」と云われ、ご相伴に与ったが‥ 。旨味調味料が後味の悪い酒よろしく舌にまとわりつく。「この味付けは?」「○○○のだよ」と、某大手食品メーカーの名前を事も無げに口にする。「お前らなぁ‥‥」。
せっかく群馬泉吟醸粕のうまさを見抜く舌を持ちながら、何たることか。orz
酒と鮪の赤身の癖のある味で舌を洗うと、情けないはずなのにまた酒が進む。
「お代わり!! 黒いラベルの武蔵の里って酒をここまで入れて2分30秒!!」
スネかじりたちの口も情けないが、うまい酒と肴があると飲まずにいられない我が身も十分に情けない。orz


3つのモバイル仕様

iBookを家庭内無償トレードで放出して乗り換えようかと、真剣に考えたこともあるPowerBook。「New modelにはG5が‥」と囁かれたようだが、出てみればクロックアップだけ。
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キャッチコピーには『3つのモバイル仕様』とある。スペックからしたら15″ modelを選びたくなるけど、これや17″ modelでのモバイルは、果たして現実的な選択なのだろうか。
iBook12″でさえ、肩に食い込む重さに長時間耐えるのは苦痛なのだが‥


雪中行軍 其之四

いよいよ今回の最終話だ。時折、前が見えないような降り方をする雪に出会すが、長続きしない。
時間調整で寄った酒造資料館で明治29年(1896)発行された新潟市の商家の地図が。
「おぉ、堀がこんなに走っていたのか」「白山神社が信濃川の中に?」。このまま惑わずに街づくりがされていたら、情緒溢れ、柳都の名に相応しい街になっただろうに。開発が進んだとはいえ、伝統や風習とうまく共存させている金沢の街並みを思い起こす。越後人は流行り廃りに目を奪われ易く、歴史や継続に価値を見出すことが下手なのかもしれない。
さて、目立つ看板もないから見過ごしてしまった某蔵。二度目という連れの後から事務所へ。
中年の男性が一人だけ。「え!? この方が?」。なんとご当主だった。電話の声から想像していた姿よりずっとお若い。というか、年寄り臭い嗄れ声(^^; の持ち主だったのだ。
百聞は一見にしかず。実際にお会いしてみないと分からないものだ。
お茶をいただきながら、甑倒しを終えられた今年の造りを振り返ってもらう。
「いやぁ、米の出来が悪くてねぇ。スカスカだから、困るくらい溶けちゃうんだ。で、粕が出ない。xx%なんて、おかしいでしょ?その割に味はきれいなんだな」。
この米が溶け易いことと粕が少ないことは、今回訪ねた各蔵で異口同音に耳にした。
「もっと一杯造ってれば後のに手は打てたんだけど、分かった時には造り終わってた。あはははは」
繰り返しになるが、こちらのご当主、寡黙な初老の方をイメージしていたのに、まったく正反対。冗談も交えて何でも話してくださる。
蔵を見せてくださることになったが、なぜか手にしたお盆の上にきき猪口が二つ。「?」。
事務所の奥がすぐ蔵になっていて、右手では全量瓶燗という火入作業の真っ最中。左手には某先生の教えを忠実に守った釜が、次ぎに火を入れられる日を待っている。
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一番奥にある麹室の前は広々。米の引き込みや出麹は窮屈な思いをせずにすむ。作業性は良いだろう。発酵途中の醪タンクを覗かせてもらう。泡は低く、細かい。
「醪日数はだいたいどれくらいに?」「一応、全部30日を目標にしてるけど」。結構長めじゃない?
「良かったら‥」柄杓を差し出されたので、少し味見。穏やかな甘さ。「まだまだですねぇ」と半可通ぶりを。(^^;
次は槽場。おぉ、佐瀬式の縦型が2台。いや、一方は地元の鉄工所の銘が入っている。「地元で直してくれるところがあるから」。蔵元はどこも物持ちが良い。
40%の出品予定酒を見せていただき、もっとも古い部分という2階に上がる。
どこの蔵を見てもそうだが、現代では再建しようがないだろうと思われる梁や柱。酒蔵そのものが立派な文化財なのだ。
事務所へ戻る途中、正面奥で間もなく出荷予定のしぼりたて生のラベル貼りを黙々と続ける蔵人さんたちの姿があった。
事務所に貼られたたポスターの『大山 新酒・酒蔵まつり』(*1)のことを伺うと、たいへんなにぎわいとか。
「一応、新酒になってるからその年の酒を出すんだけど、家のはなんも味がねぇ」と笑われた。
先ほどの40%や火入直後の酒などをみせてもらいながら、話は続く。
「先生に教えられたとおり麹を締めているから、まぁ渋い酒ばっかりで、いつになったら売れるんだぁって」と、今度は苦笑が混じる。
「地元用の普通酒がまったく売れなくなったから、量はどんどん減った。だから、中には早く売れる酒もないとたいへんなことになる」と、蔵元の悩みは何処も同じようで、じっくり構えていられる蔵は地力があるんだなぁとあらためて思った次第。
しかし、山形の蔵元はどこも素敵だ。きちんと押さえるツボを押さえ、量は落ちてもひたすら辛抱。自分の信念にブレがない。その信念が込められた酒に出会えた歓びを胸に庄内を後にしたのだった。
*1:【大山 新酒・酒蔵まつり】
今年のまつりについては、こちらを。


雪中行軍 其之参

夕方だけでは「毎度、飲みに来ている」と云われそう(いや、実際そのとおりなのだが(^^;)なので、せっかくの造りの時期、翌朝の『蒸し』を見せていただくことに。
名前だけで探しては絶対見つからないだろう。名と体は大違いという宿で、昨晩あれほど飲んだというのに、すっきり快調な目覚め。さすが真っ当な燗酒。:-)
この宿に泊まる価値は朝食にこそある。焼き魚、豆腐、もやしと青菜の炒め、スクランブルエッグ&ベーコンなどに、この日は筋子が一切れ、で〜んと。
味の濃い味噌汁に炊きたてのササニシキ。これが普通の朝ご飯を見違えるものにしてくれるのだ。しょっぱい筋子でご飯をお代わり。
時間を見計らいながら前日の蔵に戻ると、既に濛々と蒸気が立ち上っている。
「もう少しですから」と声をかけられ、事務所で話を一くさり。
「さて、行きますか」。事務所を出ると、蔵中に蒸し米の甘い匂いが満ち、既に蔵人さんたちが放冷機からはき出される米を担いで小走りに動き回っている。
「最初に麹室に入れますから」。ご当主の後について甑へ。
新たな品種に変わった米をスコップで放冷機に放り込む若い蔵人さん。その足元に目をやると、いくら釜場とはいえ、凍てつく寒さにも関わらず素足だ。「家の伝統なんで」。
# ここで写真を入れたかったのだが、電池不足だったのか、せっかくの画が記録されていない。(泣)
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# 代わりに瓶燗(瓶火入れ)する槽を。しかも別の蔵のもの。m(__)m
ご当主が甑から蒸し米を取ってくださる。出羽燦々とのこと。噛むと外の硬さが際立つが、最良とされる『外硬内軟』の度合いは‥ 数をこなして体で覚えるしかないだろう。
米が変わる都度、放冷機が止まったり動いたり。杜氏さんがその吐き出し口で蒸しのチェックを繰り返す。甑の方も若手が二人がかりで、せっかくの米を無駄にしないよう、きちんとていねいに仕事をこなす。
一見、ただのルーティングワークのようだが、一人一人が自分の役割を正しく理解し、互いを気遣っているから、一連の流れはとてもスムースできれい。杜氏さんを筆頭に持ち場持ち場の分を尽くす。良いチームワークだ。
いつの間にか米の運ばれる方向が変わっていた。
事務所に戻り、ご当主が持ち倦ねていた書籍をほんの少し減らすお手伝いをして、お蔵を辞す。
外ではまた雪が舞いはじめていた。