北からの酒

■呑録(旧暦5/23)
■呑録(旧暦5/24)
珍しく二日続けて同じ酒を。
『綿屋 純米酒 綿屋倶楽部<黄色> 16BY』
届いたばかりで開けることはないのだが、気になっていた酒なので、その禁を破った。
まず冷やで。
蔵元の狙いどおりフルーツを思わせる酸が立ちあがる。この香りはメロンじゃなく、昔ながらの瓜だ。後がちょっと乏しいのは16BYゆえだろう。
熱燗で十分とも思ったが、試すつもりで飛び切り燗に。
香りは華やかだが、嫌味ではない。他のアイテム同様、酸に支えられたボディがしっかりと自己主張するが、それを感じさせた後の捌けが良いから飲み飽きる心配は無用。
2,500円(1800ml・税別)は普段飲みとしていい頃合いではないかと思う。
肴はトマトソースで煮込んだ野菜とマカロニとの相性が際立って良かった。トマトの酸味と酒の酸が互いを引き立て合う。スペイン風オムレツも玉子の味がふくらむ。思いの外、洋食に合いそうだ。
鯖の味噌漬けも無難にこなすし、生姜を利かせた牛肉の佃煮もうまい。ただし、出来合いのメンチカツのしつこさはちょっとつらい。もっとも豚カツなどの類を御する酒となると、かなりな強さを必要とするため、逆に飲み手を選ぶ嫌いがあり、一長一短か。
ともかく、これで定番酒がまた一つ。その出会いをもたらしてくれた縁に感謝の夜だった。


ここもUVカットのビニール袋を使っている。ゴテゴテしていたり、見かけだけだったりする包装は要らないが、実用的なものはむしろありがたい。
P箱で出荷する蔵元はこういう部分こそ倣ってほしいと思う。


奢る口は久しからず

■呑録(旧暦5/20)
『羽前白梅 純米大吟醸』
■呑録(旧暦5/21)
『鷹勇 純米吟醸なかだれ』
小笹屋竹鶴 宿根雄町11BYのあのインパクトのあとゆえ、平静さを取り戻すためのクールダウンを。
とはいうものの、中途半端な酒では逆効果。きちんと品のある酒で行わなければならない。
どちらも値段どおり。安心できるうまさを誇る酒だった。
と、勝手な理屈をつけたはいいが、問題はこの先。どうやって財布に見合った酒に回帰させるか。
かなり口が奢りすぎたのでは?と、いささか心配になってきた。


我慢もここまで

■呑録(旧暦5/19)
如月に発掘後、開栓常温放置を決め込んでから4ヶ月。空気を入れるべく、きき酒しながら少し飲んだ。
あくまでも少しだったはずなのに、いつの間にか半分近くに減っている。orz
そりゃ、こまてるさんに冷やと煮酒で少し振る舞いましたよ。でも、それだけでこんなに減るはずがなぁ〜い!!
こまてるさんのように、澱まで出ている価値を分かってくれる人ならいざ知らず、その意味も分からん輩には、たとえ僅かずつとはいえ、あまりにも勿体なぁ〜い!!
てな訳で、満を持して…。
『小笹屋竹鶴 純米原酒 宿根雄町 H11BY』
「おやぁ!?」。この前まであった「これでもかぁ!!」って強さが鳴りを潜めたぞ。竹鶴にしてはえらく神妙。「脱けたか…?」。
なんかドキドキしてきた。
飛び切り燗(55℃近辺)超に。
daimajin.jpg当然の如く、「うまぁ〜!!」。これ見よがしの押しつけがましさはないものの、じわ〜っと押し寄せる強さは健在で、そこに品格が加わったかのようだ。
確か、杜氏としてはH15BYで8造りを終えられたはずだから、これは4期目の酒か。それが本領を発揮するまで5年。うぅむ、これほど息が長いことは実に楽しみではあるが、こちらの爺度が増してしまうことの方が気がかりになってしまう。
この日の肴は、おあつらえ向きに豚カツ。ただし、出来合いだからドボッととんかつソースを。こんな悪味にも負けやしない酒のうまみ。あらま、昨日の残りのマトンまで。甘ったるいタレも何のその。冷やしトマトで口直し。おからの炒り煮(卯の花)もバクバク食べちゃう。
定量を終えると、満足感でフニャフニャに…。
「どぉでぇ!?」。なぜか江戸言葉になっている杜氏を思い浮かべた夜だった。


筋金入りの熟女好きだし、それを公言してしまってはいるが、できたばかりの生もと娘が気になって、気になって…。
この際、青臭かろうがなんだろうが、ぜ〜んぶまとめて受け容れますわい。
だからさぁ、早く送ってたもれ〜!!


認知症の兆候

■呑録(旧暦5/18)
予告では夏至に飲むはずが、南瓜を食いそびれて、こっちも忘れてしまった。
ん!? 夏至に南瓜!?!? なんかおかしいと思ったら、南瓜は冬至だわな。脳内酒粕化加速か。orz
『鯉川 純米吟醸 亀治好日 15BY』
呆け頭とあべこべに、こちらは絶好調。
50℃ほどから冷ますと、吟香は微かながら程良い強さの押し味と捌け・キレ。後味もきれいだし、亀の尾もこういう酒になってくれたら、食中酒に相応しくなるという見本のようだ。
鰹のたたきサラダ仕立ては鰹だけ取りだして生姜醤油で。マトンのタレ焼き、やや甘ったるい。塩胡椒で食べたかった。ほうれん草とツナの和え物と冷やしトマトを口直しに、酒を口に運ぶ。
次の二十四節気は、7月7日(木)の小暑。七夕でもあるが、この酒まで年イチにされてはたまったものじゃない。一年経ってから飲めというなら、異論はないが…。
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それでも燗酒

■呑録(旧暦5/17)
夏至を過ぎたものの、一年中で一番日が長い時期。19:30を過ぎてもまだ明るい。
開栓後、ちょうど一週間かな、この酒は。
『悦凱陣 手造り純米酒(16BY)』
原料米はオオセトだし、原酒じゃないからガツーンとくる強さもないけど、捌けの良さが出てきた。
悦凱陣の定番酒として、頃合いの強さを持つ酒だろう。
ちなみに、燗はせいぜい50℃までで十分。いたずらに熱くしない方が良いと思う。
鮭のフライ、椎茸とレタスの炒め物、ほうれん草のゴマ和え、茹でた空豆などを肴に。
エアコン節約中の我が家では髪の中からしたたり落ちる汗でTシャツがびっしょり。いよいよ夏本番か。
暑い時こそ燗酒。それでこそ日本の夏だろうと、独り納得した夜だった。
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道すがら

某会からの帰路、久しぶりに今庄宿で越前そばを、と木之本ICからR365へ。
echizansoba.jpg栃ノ木峠で福井県に入るが、この峠越えの隘路を運送会社の大型トラックが抜けていく。プロとはいえ、ここは難所の一つに違いない。
急坂を下り、いきなり地形が開けると、そこがR476との合流地点だ。
国道から跨線橋をまたぎ今庄駅前へ。
今回は「ふる里」でおろしそばだ。
辛汁を直にかけ回すのが越前流。ここのは甘さを抑え、すっきりした味わいのつゆだ。
鰹節の香りが鼻孔をくすぐり、大根の辛味が草臥れた胃をシャキッとさせる。
「辛味大根は苦辛いだけだから」と、一年中、普通の大根を使うとのこと。
代わりの運転手がいたら燗酒を所望したいところだが、ひとり旅ではそうもいかないのが残念。


覚え書き

■呑録(旧暦5/14)
旅先から戻った夜は、鷹勇純米吟醸なかだれ。
上品な味わいで疲れた体を労ることに。
■呑録(旧暦5/15)
夏至のこの日は休日前夜でもあり、ちょっと贅沢に大七純米吟醸皆伝。
カミさんもマイ徳利を持ってきたから「何を選んだ?」と訊くと、「大七」と一言。
「高いと文句いうなよ!!」。ただし、声には出せず。orz
■呑録(旧暦5/16)
休日の夜、ゆっくり和みたくて、小笹屋竹鶴番外編12BY。
持てないほどの燗にしたら、枯れを感じる味わい。落ち着く。


某会雑感

夜中に出発して、朝現地着。仮眠後、ぼぉ〜っとしていたら、某蔵元発見。一緒にコーヒーを飲んで、昼前からきき酒。
16group.jpg香りも味も様々な49種類の酒をきいたが、レギュラー純米あり、熟成純米大吟醸あり、評価しかねる変わり種あり。しかも、価格がマチマチだから比べること自体に無理がある。一定の価格帯に収まる酒同士を比較すると、蔵ごとの個性がさらに際立つと思うのだが…。
午後からはグループに分かれ、同じグループになった6蔵の酒を冷やききと燗ききで「加点評価せよ」というお達し。
馴染みの蔵が二つ。昨年から興味を持っている蔵が一つ。その他の宮城、茨城、鳥取の三つの蔵とは初対面。
花酵母の酒ながら「へぇ〜」もあったし、まだアルプス酵母に頼るところも。それでも「これ勘弁してよ」がなかっただけ良しとしよう。
夜の懇親会は燗酒で通せたが、二次会では冷や酒の洗礼を浴びる。これがつらい。馴染みの酒ならいざ知らず、何でもありありだし…。
人も酒もボロなら近寄らなければいいだけだが、人は良いのに酒がボロなのは話すほどに気の毒になる。もっとも困るのが、人はボロなのに酒は良いってやつ。癪に障ること、この上なし。
16brewer.jpg翌朝は、またグループに分かれ、いきなり冷やききと燗ききからスタート。酒は地元、関西の「変態酒」と自他ともに認める蔵元の酒8種類が並ぶ。
ところが半数以上が生老ね・ムレ香プンプン。味だけで判断すれば良いといわれようが、こんな異臭を容認したら、また迷走の元になるだけだと思う。
某先生の「生老ね、許せん!!」のコメントに力を得て、生酒嫌いの看板をさらに高く掲げよう。
写真は前日午後のものだが、冷やきき、燗きき、どちらも安心して飲めた馴染みの蔵元お二方。お一人は評価に聞き入り、もうお一人は種明かし後、真剣に某蔵のラベルとにらめっこ。
飲み過ぎが祟ってか、初日に比べ、だれた空気。ま、楽といえば楽だったものの、やや拍子抜けだったか。