晴れのち雨

ここしばらくはきき酒モードが続く。
それぞれの量が定量に満たないため、喉を通し、腹に収めた満足感を量れないのが残念だが、せっかくの機会を与えてもらったからには軽んじる訳にはいかない。
『鯉川 純米吟醸 五百万石 H16BY』
美山錦ヴァージョンに続いて、H16BY産五百万石50%の純吟が…。あの”鉄人にごり”と同タンクの酒。アルコール分は、この五百万石ヴァージョンだけが16%台だ。
ふぅむ、まだまだ硬いが、酸はきちんと感じる。が、美山錦ヴァージョン同様、従来の鯉川の酒より硬さが目立つ。これを渋さと表現する人もいるだろうが、何にしろ熟しの遅い酒を造ったものだ。
熱燗(50℃近辺)を超えさせてから冷ます。ふくらみかけた蕾のように初心な味わい。きちんと酸も立つが、余韻を楽しもうとすると、硬さで覆われてしまう。
若さを求めるなら良いが、15BYを知っているだけに、本当の飲み頃はやはり秋を迎えてからだろう。
とはいうものの、蛸の頭と合わせると、これはこれで認めたくなってしまう。鮪赤身のヅケもあったが、鮪より蛸の方が断然良い。胡瓜の浅漬けをボリボリ囓りながら、酒を飲む。某大手メーカーのCMが浮かんだが、これまたなかなかの相性。
なのに、一合の酒は儚く終わりを迎えてしまったではないか。orz


『真稜 純米酒』
先日の天穏と同じ頃開け、720mlで半分弱残っていたもの。こちらも原料米は五百万石のはず。
天穏のように老ねはないが、熟成の深みもない。新潟に良くある、軽さを求めるあまり、米のうまみまで削ぎ落としてしまった、芯のない酒か。当然、酸も乏しく、切れも鈍い。
熱燗すれすれから冷ますが、ふくらまない。凡庸。こんなのっぺり顔のままでは4ヶ月を超える常温放置の甲斐がない。たぶん、何年経ってもこのままだろう。
昼頃、ちょっとした体調不良で弁当に手をつけず、そのまま夕食に持ち越す。
鶏唐揚げ、この酒にはつらい。せいぜい揚げと菜の煮浸し、ぜんまいの煮染めくらい。きんぴらを口にしたら、ご飯を食べてしまった。かき揚げもまたご飯と。
何と、口も、手も、酒に戻らない。しばらく酒を飲むことを忘れた状態が続く。orz
熟成を期待できない酒は、本当につまらないと、つくづく思った夜だった。