定番の実力 -乙酉葉月乃六-

にぎやかだった前夜から一転、夜長月を前にした定番酒巡りへ軸足を戻す。
『肥前蔵心 純米酒 H15BY』
70%なりの味の多さはあるが、汚い味ではない。春先に気になっていた甘が収まり、仄かに熟成香も立つ。「M氏が電話で良くなったぞというだけのことはあるな」と実感。
熱燗(50℃近辺)から冷ますと、さらに引き締まり、枯れ味ともいえる熟成味を帯びてきた。
余韻が物足りなくて歯痒い思いをすることもなく、後の切れも潔いもの。気取らずに飲めるスタンダード純米だ。
これで2,000円(1800ml・税別)なら、まずまずかも。
残り物に福。前夜の北寄貝が味も抜けずに再登場。
鰹のタタキ。レタス・大葉・茗荷とサラダ風に仕立ててあるが、酢が今イチ。生姜醤油に直す。
茄子・オクラ・エリンギの煮浸しは茄子だけ拾い食い。行儀悪し。(-_-;)
豚肉と笹掻き牛蒡の煮染め。牛蒡の香りが鮮烈で安い肉でも食べさせてくれる。
『清酒竹鶴 雄町純米 H14BY』
鯉川ほどではないが、これも48時間放置された燗冷まし。それを再び熱燗に。
さすが竹鶴、惨い仕打ちにもびくともしない。含むとふんわり旨みが広がる。しなやかな強さが良い按配の飲み応えに…。
定番酒としては価格の上限だろうが、やはり格の違いを見せつけてくれる。値段は正直だ。
豚肉と牛蒡がはかどる、はかどる。うぅむ、酒がうまいと食べ過ぎに注意しなければ…。
夜長月を前に馬を肥やしてはならない。


『肥前蔵心』はこれで万全かというと、引っかかるものを感じない訳ではない。
それはまた後日確かめてみることに。