おやぢは西へ -其之六-

ほらほら、云わんこっちゃない。
あんまり退屈で、播但道と播磨道を間違えちゃったよ。orz
okuharima01.jpgな〜んにもないところで終点。
と思いきや、「あれ!? ナビにマークが…」。
戻るくらいなら、いっそそっちへ回ろうと、中国道を目指す。
マークは高速道のすぐ脇を示している。
-其之弐-で通った因幡街道から少し入ると、ここのお蔵。
せっかくだからと、蔵の写真を撮って中へ。
おやまぁ、すっかり見違えましたよ。
「近所でまっとうな酒を売るところが、どんどんなくなっているからしょうがなく…」。
うぅむ、まっとうな酒を造るお蔵の側にいながら、もったいない話だこと。
『痩せ蛙 負けるな一茶 ここにあり』てな訳にはいかないものなぁ。
【おわり】


おやぢは西へ -其之伍-

takehara04.jpg二次会へ行かずじまいの根性なしは、朝も早うから二日ぶりの布団の上でゴロゴロ。
せっかくiBookを持っていきながら開く気にもなれず、『奈津の蔵』なんぞを読んでおりました。(^^;
のんびりしすぎて、お蔵行きの時間を聞きそびれていたことに気づいたのは、バスが出た1時間後。orz
慌ててお蔵へ向かったものの、見学者はすでに蔵の中。杜氏さんの声を頼りに仕込み室へ辿り着いたら、「これで蔵の見学は終わりです」と。orz2
契約栽培田へ行こうかとも思ったが、お目当ての田圃は午後の部とのことで断念し、見学者の出発を見送った後、奥の座敷へ通していただき、長旅前の一休み。
takehara05.jpg奥様からお茶を入れていただいた。「おいしい」。思わず声が出てしまう。
「このお茶も仕込み水で入れたんですよ。昔は水道水を使っていたのですが、杜氏が井戸だけは掘ってくれっていうので…」。
写真は、その井戸。おぉ、10周年だ。
夏休みのせいか、平日、しかも『休業日』の札が出ているにもかかわらず、観光客が次々と訪れ、入り口で声をかける。その都度、応対に追われる奥様。申し訳ないので、そろそろ暇を請うと腰をあげる。
これからだとどんなに急いでも夜になるなぁ。それならばとちょっと下道を。
takehara06.jpg今治と結ぶフェリー乗り場の脇で潮の香りを嗅いだと思ったら、かなりの急坂を登ることに。この辺りは広い平野がなく、海からいきなり山に分け入ることになるのだ。しかも、またその山が深い。
電気が流された猪除けの柵が田圃に張り巡らされているのも、こちらでは当たり前の光景。
早くも刈られた稲が稲架に掛けられていた。
だらだらと一般道を進み、備後との国境から再び北上するが、高速道までの道がアップダウンがきつい上にくねくねと。
やっと乗ったと思ったら、80km規制。何だよ、それ。眠くなるって…。orz3
さてさて、また退屈な時間のはじまりだ。
【つづく】


時間が許せば、Jr.か杜氏さんに手元のとまったくあべこべに感じた生もとの印象を問いかけてみたかったのだが、お二方とも契約栽培田見学ツアーの運転手を。
丸一日おつきあいいただける方はありがたいが、受ける方は本当にたいへんなことです。
遅くまで(早くまで?)『北斗の拳』で盛り上がっていたらしいJr.は、運転大丈夫だったのかなぁ。


おやぢは西へ -其之四-

「惨」だろうが、「屍」だろうが、このための西域遠征。どんなに舞おうと翌朝にはちゃんと復活し、さらに西へ。さすが、まっとうな酒ばかりだ。:-)
takehara01.jpg一年ぶりの安芸の国。おや、ご当主自ら受付に。
「宿題は?やってこなかった人は寄せないよ」と、いきなりJr.のきつ〜い先制パンチ。
ぐわぁ〜ん、あっしが悪うごぜぇましただ。orz
いつもなら9月に開かれるはずが、今年は某イベントと重なり、この時期の開催となったもの。
8月も終わるというのに、安芸は暑い。
さて、いよいよ開会だ。
ご当主のご挨拶、Jr.のお話につづき、杜氏さんからH16BYの造りの概要や初めて手がけた生もとについて、興味深いお話をいただく。
曰く、

  • 米の旨みを存分に引き出した『味のある』酒
  • 味が多くても『切れる』酒
    つまり、濃くても飲み続けられる酒を造りたいと、すごく欲張りな話です。
    生もとについても酒母の経過を図示しながら仔細な説明が…。さながら俄生もと教室。
    takehara03.jpg会場の雰囲気をチラッと。:-)
    H16BYの呑切り(*1)酒と瓶貯蔵されている熟成途上の酒、市販酒など、都合48点の酒が並ぶ様は壮観。
    せっかくの機会ですし、杜氏さんはじめ、蔵人さんたちの文字どおり血と汗の結晶ですから、真剣にきかざるを得ませんが、きき酒、それ自体はつまらないものです。含んでは吐き、また含んでは吐きを繰り返しながら、延々とアラを探し続ける。飲み込んでしまいたいほどの旨酒に出会っても、それを堪えなければならないなんて…。
    こんな真似、仕事にはしたくないです、ホント。
    やはり、旨酒は、素直に愛で、喉を通し、腹に納めてあげてこそ。そう思いません?
    てな訳で、お待ちかねの懇親会では、たっぷりと喉を通し、しっかりと腹に納めさせてもらいました。:-)
    地元の食材で作られた献立を紹介して、涎を誘いましょうか。
     ※【御献立
    お蔵の誇る煮酒部隊の手にかかると、大吟醸だろうが、生酒であろうが、ぜ〜んぶ絶妙の燗酒に仕立てあげられ、舞え〜!! 舞うんだぁ〜!! と、天国への階段に導かれます。
    二次会はいつもどおり庭の離れ。
    その前に部屋へ戻り、移動でヘタった腰のメンテナンスを、と布団にうつぶせに………。

    ハッと目が覚めたら、時すでに丑三つ刻。(・。・)。しばし呆然…。
    「今年こそ」の想いはまたしても届かず。orz
    「二次会にも来られない根性なしは寄せないよ」
    来年のJr.の先制パンチが思いやられる。(´ヘ`;)ハァ
    【つづく】


    *1:【呑切り】のみきり

      貯蔵タンクの呑口から少量の清酒を採取して、健全に貯蔵されているか否かを検査したり、香味の変化を調べたりすることをいう。
      現在は火入れ、貯蔵管理技術も向上し、貯蔵中に火落ちする例はほとんど見られなくなったが、昔の習慣どおり気温が上昇して火落ちの危険性が出てくる6月から7月にかけて第1回目の呑切りを行うのが一般的である。
      この1回目の呑切りのことを初呑切りという。
      −改訂 灘の酒 用語集−
      封された呑口(単に呑ともいう)を切って、きき酒用の酒を採ることから、『呑切り』の名がある。
      現状は、火落ちの有無より、その年度の製成酒の出来具合や熟成具合を見ることに主眼が置かれているといえる。(おやぢ註)

  • 限定30分の1

    ここで褒めたものの、やっぱり「な〜まじゃイヤよ、火入れが欲しい」。そうゴネてから4ヶ月。
    来た来た、来ましたよ。
    『鷹勇 純米 “勇翔” 火入れ原酒 H16BY』
    諸般の事情により、8月はこれをじぃっと指をくわえて我慢していただけに、予備酒に加えたその日にお呼びをかけました。
    冷やだと、まだ若さが残るように思うけど、熱燗(50℃近辺)から冷まし、上燗(45℃近辺)を下ると、いきなり「わぁお!!」。とろ〜っとした甘みが口中に溢れます。花なら七、八分。散る花もなく、満開の艶やかさをもっとも味わえるタイミング。しかも、生で感じた吟味も健在。
    この値段で、この酒。ふぅむ、或る意味、掟破りですな。
    烏賊そうめんの甘みと酒の甘みがダブルでブワッと…。
    ゲソを入れられた昨日の残りのおでん。出汁の染みた厚揚げがバカウマなのに、ゲソがまたプリプリ。
    豚肉・玉葱・ピーマン・エリンギのカレー炒め。ちっとも負けず、カレーに旨みを加えるかのよう。
    疲れも抜けてきたのか、久しぶりに酒と遊べるぞ。:-)
    ところが…


    原酒と遊ぶまでの回復度合いに至っていなかったようで…。orz
    はたまた、つきあいで飲まされたビールが祟っているのか、一合を超えたところで急減速。
    かわいそうに、若い身空で早くも燗冷ましとは、何と惨い仕打ち。およよよよ。
    まぁ、これくらいでへこたれる酒ではなかろう。:-)
    来年は、ぜひ無濾過火入れ原酒が欲しいなぁ。(-。-) ボソッ
    と、今からゴネておこう。(^^;


    おやぢは西へ -其之参-

    すっかり夜の帳が下りた播州某所。舞の余韻を残したまま、最後のひと舞台。
    カウンターに陣取った我々の目の前では、○ーさん?と見紛うような店の主が忙しく立ち振る舞う。
    その手から繰り出されるのは播州灘のプリプリの蛸。味たっぷりの純吟燗酒で乾杯。
    案内人おすすめの茶碗蒸しで一瞬復活したかに思えたが、杯が進む内にまたもや記憶が酒粕の底へ埋没。
    鯛、喰ったかなぁ。でも、時季じゃないよなぁ。山廃純米も飲んだはず。
    あ、穴子のにぎりを食べたのは憶えているぞ。あとは…。
    頭のてっぺんまで燗酒に浸かり、ホテルのベッドへ直ダイブ。
    其之参、実態は「其之惨」だった。orz
    【つづく】


    おやぢは西へ -其之弐-

    智頭急行に沿って鳥取へ向かう。志戸坂峠道路ができてから、ここの山越えは格段に楽になったはずだ。
    縁を結び損ねたお蔵の近くをこっそり抜け、目的地方向へショートカット。さあ、前も空いたと、アクセルを踏み込んだ矢先、前方で逆三角形の『止まれ』旗を振る人が…。
    え〜っ!? こんなところでねずみ取りを!? 貧乏人からむしり取ってどうする。<鳥取県警 orz
    「検問中です。免許証を…」。差し出すと悪人面に見えたのか、しつこく見ている。「どちらまで?」「○○へ行くんですけど」「気をつけて行ってください」。あ〜、良かった。冷や汗ものだったよぉ〜。
    wakasa01.jpgこれが目的地に近づいた目印。
    しかし、どこへ行ってもあるようになったねぇ。コッココ、コメリ〜♪
    おやぢにとっては、隣の雑貨屋なんだけど。:-)
    国道を折れ、線路を渡ると、目指す宿場町。
    2月にmacjiroさんにひと舐めさせていただいた『槽汲』と、7月にnizakeさんから譲っていただいた『純米にごり原酒 火入れ』で、すっかり骨抜きにされてしまったお蔵がここにある。
    「あ、あれじゃない」「おぉ、ここだ、ここだ」。
    入り口で声をかけると、開口一番「え〜!? 早かったですねぇ、時間が合いませんよ」と、blogでやり取りは交わすものの、これが初対面の息子さんが笑顔で迎えてくれた。
    事務所でご当主、杜氏さん、奥様とご対面。やがてご当主の弟さんが加わり、先代までご登場。お蔵あげての歓待に恐縮するばかり。何せ、この時はまだ素面ですから〜。(^^;
    「小さいですけど、蔵を…」とご当主に促され、杜氏さんから蔵をご案内いただくことになった。
    造りを終えた蔵の中にはポリ桶がずら〜っと並ぶ。こちらのもう一つの売り物、「奈良漬」づくりの真っ盛り。何度も漬け替えると聞かされ、びっくり。ウチでは粕に入れてからはそのままだったはずだから。
    奈良漬づくりでは、ご当主の弟さんが腕をふるわれるとのこと。
    その奥、蔵の入り口前が洗米や蒸米など、原料処理のスペースになっているが、見慣れた釜場や甑は見当たらない。「はて?」。その気配が伝わったのか、杜氏さんが「これで蒸すんです」とかわいい器具を。「これで掛米も?」「ええ、小さな仕込みですし、ほとんど一人ですから」。ひょえ〜!! (@_@)
    だが、これはまだ序の口だった。
    蔵に入って、「これがもと桶です」で、二度びっくり、ク〜ラクラ。
    「U先生に試験醸造やなと言われました」と杜氏さん。う〜ん、確かに。流行るラーメン屋のスープを取る寸胴の方がもっとでかいかも。加えて、杜氏さんお手製の暖気樽が…。いやいや、これは内緒にしておこう。:-)
    ota01.jpgその隣には役目を終えた槽が。コンパクトながら、うまく据え付けられている。
    奥にある冷蔵庫かと思えるプレハブが麹室。結露の心配もないとのことで、これは経済的だ。
    その反対側と横に、H16BYで仕込まれた7本の貯酒タンクが並ぶ。
    2階に上がると、古い酒造道具やら、税務資料、販促品の類が並べられていた。
    初めて目にした墨で書かれた移動簿は『奈津の蔵』の世界を彷彿させるし、「あぁ、昔は看板といえば、みんなこれだったなぁ」と、水色の地の琺瑯看板を懐かしく眺める。
    階段の裏手に今は使われていない麹室が…。中に入れてもらって杜氏さんの話を伺う。
    蔵へ向かう通路に並べられたH16BYの全品種。
    右端は、今や幻となった1番娘。まだまだ渋い2番娘。3番娘はあの『槽汲』の記憶を呼び覚ます。ちょっとすました4番娘。硬い中に力強さを秘めた5番娘。内弁慶な6番娘は熟成で化けそうな予感。『純米にごり原酒』の元になった7番娘はいかにもお手つきした方の好み。:-)
    ota02.jpg「お昼を用意してありますから、どうぞ」と案内された部屋には、サンシン製の『かんすけ』が湯気を立てている。
    昼酒に弱いおやぢが「どうされますか?」の問いに抗えるはずがありませぬ。「後はまかせたよ」の一言でドライバーズシートを放棄。もちろん返事は「いただきます!!」。
    心づくしのお料理をいただきながら、『燗酒の舞』のはじまり、はじまり〜。
    正面にご当主、脇に杜氏さん。ご当主の隣には弟さん、その脇に息子さん。男性群が総出でお相手してくださる。
    燗上手、すすめ上手のお二方からお燗のついたお酒を次から次へと注がれ、すっかり『遠慮』という言葉を忘れたおやぢ。
    持参した7番娘の開栓放置も燗をつけていただき、蔵のみなさまにもお裾分けです。
    佐藤阡朗さんの明朱馬上杯、松栄堂の純銀鎚器一口ビアカップ、九谷焼の高台杯、某大手メーカーの販促磁器杯など、息子さんと約束していた持参の器を試していただきながらも、注ぎ手の一糸乱れぬコンビネーションにすっかり舞い上がってしまう。
    時節柄、衆議院議員選挙の某候補者がご当地にやってこられ、すぐご近所で街頭演説を。
    実は… この辺から記憶が怪しくなっている。
    杜氏さんや息子さんと盛り上がって、『徳光』というあだ名までいただき、それまで酒の肴にしてしまったのは憶えているのだが…。
    気がつけば、日暮れの遅い西域でも夕刻という時間。
    初めてお邪魔したお蔵で厚かましいにも程があろうというものだが、壊れた蓄音機のように「同じことを何度も喋っていた」とは後で聞かされたカミさんの言葉。気を利かせて暇を請えばいいだろうに、この○嫁は…。orz
    いったい、どれくらい頂戴したのだろう。ただでさえ少ない売り物をいたずらに浪費させたおやぢ、最後は千鳥の舞でみなさまとお別れ。ただひたすら名残惜しく、後ろ髪を引かれたのだった。
    これに懲りず、また寄せてくださいまし〜。
    【つづく】


    「おいおい、いい加減にしろ!!」とは陰の声。(-_-;)


    おやぢは西へ -其之壱-

    本来、表ネタなので、ここは裏らしく裏ネタに沿って…。
    ohara01.jpg朝陽が眩しい大原の宿に着いたのは08:00前。某M氏の強いすすめにより訪ねたお蔵は、この宿場の中ほどにあった。
    まさに「おはようございます」の時間にご当主とご対面。事務所に招かれると、奥のお座敷ではご家族がTVタイム。造りの時期じゃないにしろ、こののどかさは…。
    ご当主からお蔵の成り立ちや岡山の酒蔵の移ろいぶりを伺う。「桶売り依存症から変わろうとした時に、あの阪神大震災。酒が足りなくなった大手からの甘い話(桶買い)に乗ってしまって、結局、変わり損ねた。そのツケが今もつづいていますよ」。
    蔵を取り巻く環境は何処も厳しい。
    この手の話はキリがない。時計を見やっていると、「古いだけですけど、蔵でも見ますか」というご当主の声に腰をあげる。
    後について蔵の中へ。
    うぅむ、かなりの古さ。それに空調らしきものがどこにもない。さぞかし打たれ強い酒になることだろう。一通り見せていただいて、お約束のジュルジュルタイム。
    ずらっと並べられたお酒をきき猪口に…。「え!? その欠けた猪口使うの?」と、胸の中で声を上げたが、意に介さずどんどん注がれる。こりゃ、気をつけないと口を切っちゃうぞ。
    手元にある二種の現行品は、『純米原酒』がちょっとぼやけた印象で、辛すぎると感じていた『雄町米の酒』は幅味があり、雄町らしいしっかりとした旨みがある。「あれれ!? 朝っぱらで口がおかしいか」。そのことを確認すると、「ブレンドが違いますから」という返事。「えぇ〜っ!?」。山廃がブレンドなのは聞いていたが、こっちまでそうだったとは…。知らなかった……。orz
    M氏が「これが良いぞ!!」と力を込めていた酒、「某所のPBだけど、余所に回しても良いという許可をもらっているので、ごく一部に…」というものの原酒ヴァージョンを見せてもらった。きちっと味を乗せながら、後切れも良い。若干のハネは残るが、燗酒になれば問題ないレベル。熟成が進めば、さらに旨味が前面に出てくるだろう。Good!!
    ohara02.jpg番外で追加された「これが元々の地の味」の上撰クラスと佳撰クラスも。
    「M氏は家に来るとこれを抱えて飲んでいる」といわれた佳撰クラスは酸が勝ち、後味が平板に思われたが、びっくりしたのは上撰クラス。甘の余韻が上品で、この日の中ではまとまりがピカイチ。「抱えて飲むならこっちの方だろう」と、M氏へのネタを頂戴し、蔵から事務所へ戻る。
    「飲みに出るのが億劫で…」。事務所に戻ってからご当主がこぼされる。うんうん、分かりますとも。小さな街ではどこへ行っても知った顔ばかり。挨拶しに行くのか、飲みに行くのか分からないほどだもの。挙げ句、飲み屋がきちんと飲める酒を出してくれないのでは、家に籠もるのも当たり前。
    「さて、そろそろ」と暇を請うて表へ出ると、竹をうまく使って可憐な花が植えられている。「近所の人が作ってくれるんですよ」。道の辺の花に別れを告げ、大原宿を後にした。
    【つづく】