実際に飲んでこそ

“ズズゥッ”・“ジュルジュル”・“ペッ(ピュッ)”
ご存じのとおり、基本的に “きき酒” する際は最後の音が示すように酒を吐き出します。
だから、鑑評会などではとても飲み込めないような酒が金賞を獲ったりするのですが、飲まずに吐き出すことが目的の酒は、もはや酒ではないように思います。
やはり喉を通し、腹に納めてこその酒でしょうし、まっとうな酒か否かは飲み込んだ上での味わいで評価したいものですな。

辨天娘■辨天娘 17BY二番娘 純米吟醸 “五百万石”
冷やで。控えめな青リンゴ系の香りと穏やかな吟味。やや味が軽く感じるのは、9号酵母の所為でしょうか。きれいでふわっと抜けるように感じるのは “辨天娘” の吟醸に共通するものかも。
飛び切り燗(55℃近辺)ほどから冷ますと、酸がくっきりと立ち上がり、締まりが増しますなぁ。軽やかなれど勘所はきちんとおさえてあるから、程良く、かつ吟醸ならではの上品なうまみ。するすると滑らかに喉を過ぎます。山田錦のよりも好みかも。

■辨天娘 17BY一番娘 純米 “自家栽培五百万石”
冷やで。おやぢ的には味の骨格となる酸がよりしっかり出ていて、こちらの方が好み。「辨天娘を選ぶなら玉栄の純米」と思っていましたが、なかなかどうして、五百万石もいいですよ。7号酵母でしょうか。
こちらは無遠慮にアチチ燗(60℃近辺)から冷ませば、「おぉ、これこれ」。和が意を得たりとしたり顔。こういう酒がありそうでないのが、五百万石発祥の地の現状。実に嘆かわしいことですなぁ。まぁ、まっとうな純米酒自体、少ないけど…。

アテは豚の冷しゃぶ。付け合わせの胡瓜やレタスとともに柚子胡椒醤油で。
柚子胡椒の辛みには “一番娘” の涼やかな酸が好相性。
さつま揚げ・椎茸・蓮根・長葱の煮物。地味ながらのホッとする味わいには…
楚々とした “二番娘” がお似合いですな。
蒲鉾とブロッコリーのマスタード・マヨネーズ和えやほうれん草のお浸しは…
どちらもそれなりに。:-)

「あれ、あれ」。300mlずつがあっという間に空いちゃいましたぞ。
こういう “きき酒” に追加はないものかしら。(笑)