東山道中膝栗毛 -其之弐-

いよいよ弥次喜多道中の開始♪
上野国を出立点に選んだ理由はひとえに『群馬泉』を醸す島岡酒造さんへ伺うこと。

「今季の造りはどうですか?」
「例年に比べて(米が)溶けやすいみたい。そのせいか数値的には酸がやや高いけれど、感覚的にはそんなに出ているようには感じないですね」
専務からお話を伺った後、蔵へ入れていただくと…

蒸し場折しも蒸し上がりを迎えた “甑” からはもうもうと湯気が立ち上がり、“釜場” に独特の香りが充満しています。

続いて写真を撮ろうと思ったのですが、「なんてこった〜い」の電池切れ。
仕方なくカミさんからカメラを借りたものの、そのカメラは弥次喜多との道連れを拒んでまだお蔵に居残っておりまするゆえ、強制送還されてきたら写真を追加いたしまする。(汗) ← 中と下の2枚を追加♪

「溶けやすいからいつもよりちょっとだけ硬めに」という “蒸米” を専務から受け取り、即席の “ひねりもち” 作りを。
『群馬泉』さん独特の押せばしなり、離せば立ち所に元に戻る弾力を体感するには60%の方が向いているはずだけど、「今日のは若水の50%です」といわれただけあって、米粒が小さいながらも中は柔らかめの “蒸し” は相変らず。当然、口に入れてその弾力を味わっているところへ杜氏が…。
「おやっさん、新潟からの…」という専務の紹介につづき、「○○からか」とこちらの地名が杜氏の口から出てきたのには「えっ、ご存じでしたっけ」とびっくり。

専務が生まれる1年前からこの蔵に入っておられる杜氏は、「この酒を越後杜氏が!?」と不思議がられてもしょうがない小国(旧刈羽郡小国町・現長岡市)杜氏のお一人。
長年務めるこの蔵の酒を薄酒の地で扱う変人が出てくるとは思いも寄らぬことだったのか、放冷機から出てくる米を見やりながらも小さな声でボソボソとお国話をしてくださる。

種麹@群馬泉“麹室” に引き込まれた “蒸米” は均一に広げられて “もやし(種麹)” が振られ、“床揉み” が終わると布にくるまれ、しばしお休み。
隣の部屋でできあがりを待つ “麹” を見た後は、“酛場(酒母室)” へ移動。
「長過ぎるとあまり良くないといわれるけど、今季から蔵人さんたちの年齢を考え、酒母はすべて年内に立てた」という長期 “枯らし” 酒母はすっかり落ち着いているものの、
「元気のいい酵母だけが残るからか、醪後半になってからが強くて、却っていいことも」
とまるで加藤杜氏(久保本家酒造)の仕込む生酛のよう。

出麹@群馬泉“槽場” を見た後、“出麹” 場の前で待っていると「あはは、すっかりご存じで」と専務が取ってくれた “麹” はこれも50%の “若水” 。
噛むと一昨年の60%に比べるとやや甘みが薄いとはいえ、しっかり “破精込み” 、心地好い弾力がありまする。

“貯蔵庫” に移された今季の酒から専務に取ってもらった新酒をジュルジュル♪
「酸がやや高い」といわれたにも関わらず、当然渋いものの実にきれい。
「いいですね、これ」
前日の『つくし』さんで飲ませてもらった “初しぼり” といい、今年もいいお酒ができあがっていますから、『群馬泉』ファンならずとも、乞うご期待!!

「あ、そろそろ」
予定の時間を若干オーバーしてしまったため、後ろ髪を引かれつつ…。

専務はじめお蔵のみなさま、たいへんお世話になりました。
無事に皆造を迎えられますようお祈りいたしまする。
ありがとうございました。

【つづく】