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一口に “長期熟成酒” といっても…

  • まっとうな日本酒としての味わいを変えないようにしながら、時の恩恵に与る
  • 時の恩恵をむしろ積極的に味わいを変えることに用いて、新しい形を生み出す

大雑把ながら、この二つの型に分けられると思いますが…
この “達磨正宗” は間違いなく後者に属することを意図されておりますな。

達磨正宗■達磨正宗 三年古酒
ラベルにはご覧のとおり「石上三年 蔵内三年」と記載されておりますが、“15.5詰" ですからそれに加え、隠処四年。しかも開栓常温!!
「石の上にも三年」どころか、丸々7年も辛抱したなんて、9年間も面壁坐禅されたという “達磨” 並み?

それはさておき、まだ味わいはしっかり。
熱燗(50℃近辺)ほどから冷ますと、熟成香はさほど強くないものの、蜜を思わせるトロッとした甘みが全体を支配。ただ、その甘みがいつまでも尾を引く上にベロに残りまする。この味わい、「清酒」といっても常日頃飲んでいる酒とは、明らかに求めているモノが違うのでしょうな。

これの開け立てならまだしもここまで練れると、食事とともに…というより、酒だけを楽しむ時、たとえば日本酒バーなどでチビりチビり…が似合いそうです。

アテは、「赤だし?」と思えるくらいに色の濃い味噌仕立ての鍋だったのですが、この酒の甘さは濃い味付けにもビクともしませぬ。それどころか、後を引く甘のおかげで飲み続けることに飽きてしまいまする。
蕪の酢の物や野菜の煮物などにも、そぐわないのは当然。X-)
慌ててリリーフを用意したのですが…

■天穏 純米 “攻め純米” H17BY
こっちまで “達磨正宗” の甘に引きずられ、本来の味わいとは程遠かったものの…
ようやく食事とともに楽しめる酒になってくれて、ホッ。
一合強しかなかったのにこれですから…
やはり適材適所は守らなければ…とあらためて思った夜でした。(苦笑)

が、翌朝まで一度も目を覚ますことなく眠りこけられたのは…
「ひょっとして…“達磨正宗” のおかげ?」と思われる節も。
目覚めもすっきりでしたし。
食後かナイトキャップにチビりチビりやって、ぐっすりと眠る。
これもまた適材適所でしょうな。(笑)

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