夏のにごり -其之伍-

ダメ押しでせうか。(苦笑)
居丈高な“開栓注意 生”の朱書きに恐る恐るキャップを捻ると…
うわ〜っ!!
と悲鳴を挙げることもなく、これ同様、活性にごりなのにすんなり開いちゃいましたよ。もう3回目の夏を迎えたわけですから…無理もないかも。
okuharima_nigori.jpg奥播磨 純米活性すくい汲み H15BY
含み香に生っぽさを感じるものの、ぶどうの果汁を思わせるかのようなゆたかな酸味と甘味がさまざまなコントラストを描きます。完熟といっても良いほどですぞ。
上燗(45℃近辺)ほどに燗をつけても、あの生酒特有の香りはほとんど気になりません。酸味と甘味がさらに分厚いうまみを織りなします。ただし、鋭利なキレを求めるのはお門違いでしょうね。“奥播磨”の持ち味である豊潤なうまみ。それをたっぷりと味わうことを第一義とすべきかと。
アテは、秋刀魚の塩焼き。最近の網で獲られた秋刀魚は、飲み込まれた鱗が肝や腸を楽しむ邪魔をしてくれて、なんだかつまらない。「さんま さんま さんま苦いか 塩つぱいか」の佐藤春夫の詩どおり、腹の中の苦さも味わってこその秋刀魚かと…。
イカ刺し。ヤリイカでしょうか、久々にイカ刺しをたらふく食べたばかりか、ゲソは茹でて胡瓜や若布とマヨネーズで和えて。
冷や奴は茗荷を薬味にカンホアの塩で。十全茄子の塩漬は夏だけの味ですものね。
しかし、アテがうまいとつい「お酒、お代わり〜♪」となることだけが玉に瑕ですなぁ。

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夏のにごり -其之伍-” に対して6件のコメントがあります。

  1. りょう より:

    さんま漁は網以外の方法があるんですか?
    このあいだ食べた秋刀魚もワタが鱗だらけで
    ゲンナリしましたよ。

  2. おやぢ より:

    >りょうさん
    以前の「流し刺網(さしあみ)漁」ならそんなことにはならないようですが、
    今の「棒受網(ぼううけあみ)漁」(大網を張り、光に集まった魚を根こそぎすくいとる漁法)では、
    秋刀魚は自由に動き回れるため、網の中で暴れ、鱗が落ちてしまうそうです。
    ワタを食べられない秋刀魚なんて、にごりのない「にごり酒」のようなものですよね?

  3. tenor より:

    ご無沙汰です〜♪
    京都行ってきましたー。
    運良く、よい出会いにも恵まれました。
    このお酒、もちろん関心があります。
    が、まだ奥播磨でいい思いをしたことがありません。
    やわらかーく感じすぎてしまったのです。
    これは不幸なことですよね(?)♪
    是非、ご指導賜りたいと存じます。
    今夜は対抗して「美田」のにごりを開栓します〜。

  4. おやぢ より:

    >tenorさん
    “燗酒楽園 in 京都”ですね。お疲れさまでした。
    奥播磨は熟成が進めば進むほど、やわらかく、どこまでもこってりが真骨頂かと。
    山田錦・雄町を使った酒は特にですね。
    それがお嫌なら、兵庫夢錦を使ったスタンダードシリーズを選ばれてはいかがでしょ?
    うすにごり程度の“おりがらみ”ならまだいくつかありますが、そろそろ打止めです。(笑)

  5. りょう より:

    網は網でも漁の方法が違うんですね。
    勉強になりました。ありがとうございます。

  6. おやぢ より:

    >りょうさん
    さすがに釣りの秋刀魚はないようで…。(笑)
    でも、昔は当たり前にワタを食べていたよなぁ、と調べてみたら…。
    鱗が口に入った途端、いつもガッカリ。(T^T)

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