酒縁を愛でる

暦月11月の異名は“霜月”ですが、“霜降月”・“雪待月”という呼び方もあるように、師走の喧噪を前に初冬のしっとりとした趣を感じる時季でもありますな。
この月に生まれた酒友たちに乾杯♪
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奥播磨 純米吟醸無濾過生原酒 旬酒“霜月” H15BY
「日本酒には飲み頃、『旬』があります。搾りたてがおいしい生酒もあれば、ひと夏を越し秋に旨みが増すものや、二年後にピークになる生酒もあります。酒のもつ旨さが満開になる時が『飲み旬』。」と裏貼りに…。
2年前の11月に届いたばかりを開けてみたものの、ガチガチに硬くて渋い。とても“飲み旬”とは思えず、そのまま常温に放置されていたこれで、お江戸の酒友を祝おうと…。
冷やで。仄かな熟成香をまといながら「甘も生老ねも枯れ果てた」といわんばかりに、ピシッと締まった芯のある辛口の酒。「これ、ホントに“奥播磨”?」(苦笑)
飛び切り燗(55℃近辺)ほどから冷ますと、締まった味わいとキレの鋭さにふわっとうまみが加わりましたぞ。忘れていた甲斐があったぁ♪

[2006/11/24 追記]…心配になったので、以下におせっかいを。
これはあくまでも偶然の産物であって、狙ってやったわけではありません。
某氏が「生酒も常温で熟成…」云々と言ってくれたおかげで、どんな生酒でも端っから常温に置いて熟成させればうまくなる、という誤解が生まれているようですが、まっとうな酒とボロな酒があるのは生酒も同様。耐え得るか否かを知らずして鵜呑みすると、痛い目に遭うことになります。
それに、まっとうであっても生酒はやはり生酒でしかありません。きちんと火入れされた完成形ではないのです。ですから、たとえまっとうな生酒であっても、最低一年間は雪冷え(5℃近辺)以下で貯蔵し、状態を見ながら常温に移すくらいの心配りは必要です。それを知らずしてやれば、ただの博打。まだ首も据わらず、抱くにも頭に手を添えるような赤ん坊を、かわいいからといっていきなり振り回したりはしないでしょ?
お酒、特に生酒はそれと一緒なのですよ。やたらと真似しないように。:-)

アテは、真鱈の蒸し物。真鱈の切り身に片栗粉をまぶし、焼葱やシメジとともに酒と出汁で蒸したのでしょうか。仕上げに蒸しを加えただけだから、良く分かりませ〜ん。(汗)
湯豆腐は、もめん豆腐に長葱と椎茸だけ、と実に質素。ポン抜き出汁醤油で。
蕪・里芋・人参・マイタケ・高野豆腐の煮物。乏しい色合いを蕪菜が救ってくれます。
ほうれん草とマイタケの胡麻和え。なんか日々精進料理に近づいているような…。
週末の宴に期待しましょ。:-)

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酒縁を愛でる” に対して8件のコメントがあります。

  1. まき子 より:

    うわー、これは忘れた甲斐がありそうな!
    自分も忘れたい!と思うお酒があるのに
    やっぱり見え隠れするところにチラチラあったりすると、
    ちょっとだけ・・・と、いつの間にか減っています。
    忘れる方法が欲しいっすー!!

  2. おやぢ より:

    >まき子さん
    途中チビチビ舐めていた頃は「ひでぇ生老ね」と閉口したこともあったのですよ。
    そうして残ったちょうど一回分がこれ。
    忘れたいものは自宅に置かないこと。これが鉄則ですな♪ (笑)

  3. あっき より:

    同じ霜月生まれ仲間で嬉しいです。
    おやぢさま、本当にありがとうございます。。。
    今夜は3日ぶりにゆっくり家飲みなので
    やってきたお酒たちとともに
    おやぢさまに乾杯!したいと思います〜
    自分が生まれた月だからか霜月は一番好きな時季です。
    空が冬に向かっていくのを仰ぐと
    何だか澄んだ気持ちになるのでした。

  4. おやぢ より:

    >あっきさん
    喜んでいただけてなによりです。
    こちらでは菊や紅葉を愛でつつ、霙や霰の季節でもありまする。
    車のタイヤも換えなくちゃならないし…。X-)
    でも、魚がうまくなる時季ですから、呑兵衛には堪えられませぬ。
    その昔、甘海老のあまりの甘さに気持ち悪くなって以来の海老嫌いですが…。(笑)

  5. ちゃむ より:

    例の出雲崎の旅館に行く場合、来月と年明けならば、
    どちらが美味しい魚にありつけるのでしょうか?
    行きたくてうずうずしてます(笑)

  6. おやぢ より:

    >ちゃむさん
    雪が降ってからのほうがさらに脂は乗りますが…
    問題は漁ができるかどうか…。つまり、天気次第ですな♪

  7. HN より:

    数々の銘柄が蔵元を出、親父様の処で秘蔵酒になっていくような。
    奥播磨の熟成生酒はそうそうお目にかかれるものではないでしょう。
    自宅以外では忘れることも出来ませぬ。

  8. おやぢ より:

    >HNさん
    奥播磨の熟成生酒に関しては、某生酒将軍様のお店がその最たるものでしょう。
    ウチなんぞ、足元にも及びませぬ。X-)
    忘れたいお酒、飲みたくなるまで酒屋さんに預けますか? (笑)

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