三種混合志ら梅

鱈入り野菜たっぷりの鍋がで〜んと鎮座しているものの、豚ハツ炒め、チキンカツ‥‥。
肴が寂しいが、ま、こんな時もあるさ。
ずらっと並んだ酒瓶を眺めていたら、『羽前白梅 純米吟醸 ちろり』が呼んでいる。
冷やで一杯取り、レンジの前でじゅるじゅる。穏やかな吟香。開けたてに感じた線の細さは、開栓放置により程良いボディ感が与えられた。押しの強さはないものの、涼やかできれいな純吟。
ところが、徳利に注いだら定量に満たない。「はて‥」と、再び酒瓶の残量をチェック。わずかに残るは『羽前白梅 純米酒』。そう、あの美山錦50%のただの純米酒だ。
同じ蔵の酒、相性が悪いはずはなかろうと徳利へ。
「あや!?」、まだ足りない。「梅マークの王冠や〜い」で見つけた『羽前白梅 純米酒 穂の香』。
結局、ちろり7:純米酒1:穂の香2の三種混合『志ら梅(*1)』に。
ちょっと熱めに燗を付け、鍋の葱と豆腐を。「う〜ん、ほぐれるなぁ」。春菊の歯触りと鮮烈な香りが鼻に抜けてくる。ハツはやや塩があまい。もう少し塩と胡椒をしっかり利かせてくれれば良いのにと、一人ブツブツ。チキンカツ、今日の酒なら醤油で。「ほら、合うじゃない」。
再び鍋へ。出汁を吸い込んだ白菜が甘い。鱈の皮のクニュクニュ感もご馳走。春菊独特の癖は大人の食べ物だと、独り占め。
品の良い吟香と滑りの良さに後のキレ。アクの強さが欲しければ他の酒を選ぶが良いが、穏やかな食中酒として、きめ細やかなうまさを教えてくれる酒だ。


*1:【志ら梅】
休造していた羽根田酒造が酒造りを復活させた時の銘柄。当時は、再び酒造りにかける志を表した『志ら○』を銘柄とする蔵が多かった。(蔵元談)

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三種混合志ら梅” に対して11件のコメントがあります。

  1. 狼亭 より:

    羽根田酒造が休造していたとがあったとは、知りませんでした。杜氏さんの机上に上原浩先生の写真が飾られているやにお聞きしております、酒質の高さは当然の結果でございましょう。
    弊亭でもブレンドは時々やりますが、バランスが取れ良くなることが多いような気がします。
    昨日ポテサラ作りました。

  2. より:

    それだけのおかずがあって、肴がさびしいとは贅沢すぎです( ̄_ ̄ i)。
    春菊はガキの頃から大好物!私も今日食べてきました!

  3. nizake より:

    そいやぁ、高校生の時春菊育ててたよ。

  4. Masamune より:

    >狼亭さん
    戦中戦後、造れなかった蔵は結構多いですよ。国策で合併させられた蔵もありますし‥
    羽根田さんのお話からすると、酒銘に「志ら」を抱く蔵は復活した蔵とみて差し支えないようです。
    >玉さん
    一人で食べるなら良いのですが、脛っかじりが3人もいると分量も気になるところなのですよ。
    子どもの頃は香りの強いもの、苦手中の苦手でしたね。
    >nizakeさん
    家庭菜園?自家製有機肥料だったり‥ (^^;

  5. 狼亭 より:

    うーん、勉強になる!

  6. より:

    分量の事までは考えませんでした・・・。
    おやぢ殿、ここはイッパツ狼亭さん、kanzaさん、あっし同様、自作料理を一品加えるってアイデアはいかがでしょうか。
    と、仲間に引きづり込みたい玉です。

  7. とりしや より:

    いつの日か、全員自作料理持ち寄りの会をやりましょうかねえ〜。今年は日本で来年はシドニーとか?
    ところで今年の燗酒楽園は大阪と聞いてますが、いつですか?

  8. Masamune より:

    羽根田さんの近くなら、「上喜元」の酒田酒造が合併蔵。
    自作を一品ですか?玉さん。最近、台所は酒を選ぶ&燗をつけるだけですからねぇ。食品売り場もご無沙汰していますし。
    箸と口を用意するだけの気楽さになれたら、なかなか元には戻れませぬ。(^^;
    今年の楽園、まったくの推測に過ぎませんが、8/20(土)ではないでしょうか。

  9. TANK より:

    えーっと、皆様には最新情報です。
    今年の燗酒楽園は9月11日、大坂の
    リーガロイヤルホテルを予定しています。
    あと、蔵元交流会は6月19、20日に
    箕面観光ホテルで開催予定です。

  10. Masamune より:

    最新情報ありがとうございます。>TANKさん
    秋鹿さんのお膝元かぁ。(-。-) ボソッ

  11. とりしや より:

    >タンクさん
    大阪にはリーガロイヤル系のホテルが3つありますがどれでしょうか。

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