山陰の鶴

前の晩、ひこ孫 純米・尾浦城 純米・天穏 馨と飲み継いだから控えようかと思っていたが、帰ったら鮪の赤身(拙宅でトロは出ない)、豚肉と玉葱・ピーマン・シメジの炒め物、ほうれん草のお浸し、ほうれん草に人参を加えたゴマ和え、冬菜の煮染め、春巻きなどが待っているではないか。
いつもより遅い時間だったが、山陰から飛来した鶴をみる機会を逸していたし、「これは飲まなきゃ」と、あっさり朝令暮改。(^^;
まずは、到着後みた時、あまりの若さに半杯でやめてしまった15BYの70%純米から。
半月ほどの放置で、まだ苦や渋が残るものの味が前面に出てきた。含みに特徴のある香り。原料米の祭晴、はたまた7号酵母に由来するものか。もちろん不快なものではなく、むしろ好みの香り。喉を通した後も一筋の線がいつまでも残っているような印象。華やかさには欠けるが、しっかりと強い酒。これは食中酒向きだ。
熱燗で良いかと思っていたのに、誤って飛び切り燗の上に。
おかげでアチチからぬる燗までの温度を試すことができたから結果オーライなのだが、意外とうまみを心地よく感じるレンジが狭い。ぬるくなると、苦や渋が「飲み頃はもっと先」であることを教えてくれる。
「火入が早過ぎるんだ」とは某氏の談だが、適温では捌けも良く、冷やで感じたあの後味がよりくっきりと。喉に落とした酒の、まるで空の彼方まで伸びていく飛行機雲のような余韻を伝えるではないか。
「これで2,000円/1800ml(税別)!? ヤバい‥ 嵌りそう」な『扶桑鶴 純米酒 高津川』。
続いて、同じく15BYの60%特別純米。
こちらは佐香錦と神の舞という、まったく初めての米。9号酵母と精米歩合の高さからか、70%に比べると繊細できれいな印象。捌けの良さはさらに上。
熱燗ほどにしてあれこれ合わせてみたが、脂っぽい豚ロースや玉葱の甘みからさっぱりしたお浸しまで難なくこなしてしまう。余韻に残る強さが舌を洗い、一つ一つの素材の味をうまく引き出す。自己主張こそ少ないものの、これが底力というものだろう。
「ヤバいよ、あんたら。また定番酒が増える‥。ハァ」。これが○鶴なら相手にもしないんだけど、頭痛のタネを増やしてくれましたよ、『扶桑鶴 特別純米酒』。
気づいたら300mlが空き、寝る前だというのに腹も満腹。ツケが回ってきませんように。(-.-;


「今日のメインディッシュはこれだよ」と、末娘が指さした春巻き。「中身は?」「春巻きは春巻きでしょ」。悪戯そうな目付きに「何かあるな」と思いつつ、期待通りに引っかかってやった。
「ぐわぁ」。あ、甘い。しかもプンケバ香まで。「こりゃあ、せいぜいおやつだろ」と、したり顔の娘に云ったところで口の中の異物が消えようはずもなく‥‥。orz
時々、「???」メニューが登場する我が家。今日がその日だったとは‥。
【本日のとんでもメニュー】
・春巻きの皮でバナナを包んで揚げた、一見、普通の『春巻き』。(>_<) そういえば、去年の『燗酒楽園』で、試飲開始前にいきなり「徳利でいただいて良いですか?」とお願いしたのが、ここの酒だったか。 ただ、単に座った席から一番近かったという理由だけだったのだが‥。(^^; 某名居酒屋に籍を置く知人に「良いですよぉ」とすすめられながら、正直言って百花繚乱の中で印象は薄かったのに、巡り巡って半年後にまた出会うことになるとは‥。 縁とは誠に奇なるものだ。

4 thoughts on “山陰の鶴

  1. 蔵ではたぶん冷蔵貯蔵でしょうから‥ 常温におけば、そうですねぇ、4〜5ヶ月でそこそこ開くと思いますけど。
    シドニーで秋から冬にかけてうまくなるのでは? それでも長いか。(^^;

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