ぶらり如月 -其之弐-

赤羽で乗り換えた埼京線が池袋に滑り込む。そのまま新宿まで行っても良かったのだが、どこかで昼飯をすませなければならないと、風邪薬で覚束ない頭で考えるより早く足は電車を降り、さっさと東口を目指していた。
区民会館脇の道を進み、階段を下ると、『坐唯杏』の見慣れた扉が‥。まだ準備中。
懐かしい顔を求めたら、「今日は遅いんですよ」と、申し訳なさそうな返事。外で待つこと暫し、開店時間前にもかかわらず招き入れてもらう。
「今日は鯖ずしはないんだよね?」と、野暮な質問を。「すみません」と、当然の答えが‥。
重いiBookと暖かな陽気にコートという出で立ちで喉が渇いたから、お約束の昼ビール、エビスの生をグラスでもらうことに。
これも熱烈なファンを持つ『ミニ天丼』と『ぶっかけ 温』を注文し、ビールを待っていたら「おかげさまで今日はテイクアウトのご予約が多く、二切れでよろしければお出しできるそうです」という、気遣いに迷わずオーダー変更。
来た来た、目の前で切り分けられた武内氏自慢の『鯖ずし』が。昆布ごと口に放り込むと、適度に締められた鯖の風味に酢飯のうまみがからむ。その酢飯にも煎りごまや細かく刻まれた大葉など、一工夫が加えられている。
『ぶっかけ』の麺は強い小麦粉の香りをまとい、もっちりシコシコ。つゆの旨さは云うに及ばず、最後まで飲み干してしまうことは請け合いだ。
回った店の数を自慢したがる讃岐通にも、たまには一つの店で完結する味も試してものだ。
武内氏に会えなかったのは残念だが、スタッフの気持ちの良いもてなしを受け、混み始める前の店を後にした。


欲を云えば、酢飯にはもう少し硬く炊いたご飯が向くと思う。それとも粗熱の取り方に難があるのか。
鯖自体は十分にうまいのだが、グニャっという飯の食感は寿司にはありがたくないと、苦言を一つ。
この鯖ずしを店で食せるのは、土曜・日曜・祝日のランチタイムのみ。
予約によるテイクアウトや当日宅配可能地域なら発送も可。詳しくは下記を。
『楽旬堂 坐唯杏』

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ぶらり如月 -其之弐-” に対して2件のコメントがあります。

  1. 武内 より:

    その節は失礼しました。多少はお楽しみいただけたようで、ほっとしています。次回のお江戸行脚の折にはぜひ、一杯ご一緒できたら嬉しいですね。では、また。

  2. Masamune より:

    げっ!? 見られてた。(>_<)
    素人が差し出がましい口をきいて申し訳ありませぬ。
    お尋ねしたいこともあり、また伺わせていただきます。
    ホールの鈴木さん(でしたっけ?)に良くしていただきました。よろしくお伝えください。

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