鬼の居ぬ間に

サンプル用300ml瓶と一升瓶をぶら下げて、灯のない家へ帰る。誰憚ることなく飲める洗濯日和。(^^;
■呑録(旧暦3/29)
台所へ行くと豚肉が待っていた。うげっ!? タレがかかっているよ。大っ嫌いな市販の焼き肉ダレと見た。orz
年寄りに逆らってもしょうがない、取りあえず焼こう。お、これ入れちゃうか。<蕎麦つゆ
『鷹勇 純米吟醸 強力の郷 12BY』
こまてるさんに冷やで出したときには、「ほぉ〜、開いたな」。甘みも出てきたと思ったのにぃ。
徳利の首に上がってこないくらいの残りを湯気燗にしたら閉じちゃった。鷹勇らしい強さがカチッと出てきたと云うべきか。坂本杜氏の酒、飲み応えあるぅ。ヤワな呑兵衛じゃ、跳ね返されるね。
強力自体がタフなんだろうけど、日置桜の強力同様、一筋縄じゃいかんわ、これも。
もう一年置いた方が良かったかも。
先ほど作った焼き肉は、ニンニク+鰹節&コチュジャン風味+かえし、奇妙奇天烈な風味に仕上がっている。ま、喰えないことはないな。吟香の薄い強力の郷とならまずまず。
筍・人参・蒟蒻・大根・椎茸の煮物。精進料理だよぉ。鮪の山かけ。すげぇ〜、今日のはまた一段と粘るなぁ。ほうれん草と人参のゴマ和え。ゴマのねっとり感が辛口酒の邪魔をする。おっ!? このトマト、なんでこんなに甘いの。ドレッシングが邪魔だなぁ。
あれ!? もうお終い?
『羽前白梅 純米大吟醸(15.7詰)』
いただきものを1月から開栓・常温に置いたもの。これは… 14BYかな。
冷やでは、山田錦らしい素性の良い含み香。このくらいの吟香で良いんだよなぁ。最後にわずかながらハネ・苦を感じる。まだ若いんだ!? さすが、羽根田さんの酒、遅い…。
純米大吟とはいえ、この味なら熱めでも良いだろうと、飛び切り燗から冷めるのを待つ。
「あぁ〜」。思わず声が漏れてしまう。きれい。燗をつけても吟香が出しゃばることなく、実に良い按配に味と調和している。大吟にありがちな線の細さ、つかもうとすると離れていく心許なさは、この酒に当てはまらない。出過ぎず、引き過ぎず、絶妙な一点でうまみをとどめる。美酒と呼ぶに相応しい酒だ。
こちらの方が今宵のアテには万能選手。奇天烈焼き肉とだけは「合う」とは言い難いが、決してダメな訳じゃない。ゴマの風味とも良い釣り合いだし、鮪や山芋、というより醤油とか、は互いの分を認め合うようだ。筍のシャクシャクした歯触りも良いよ。酒の減りが早い。
地上波の"交渉人"を見ながらの独酌。この映画、なかなかの見応え。結構好き。あちゃあ、映画も、酒も、どっちも終わっちゃったよ。あらま!? 23:00をとっくに過ぎている。
プチ家出のカミさんにつづき、娘も深夜まで戻らず。とうとう米まで研いだ夜だった。(´ヘ`;)ハァ


独居老人の予行演習か…。orz
『強力の郷 12BY』も手持ち分終了。三平さんの手元のは… 今や治外法権。(^^;

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鬼の居ぬ間に” に対して9件のコメントがあります。

  1. 三平 より:

    いやぁ〜、ご苦労様です>おやぢ様
    米研ぎまでされるとは・・・
    でも、白梅さんは、まさにその通りっす。
    あれこそが、吟香!
    おやぢ様の言われるプンバケとはほど遠い、上品な香りっす。
    でも・・・
    開くまで時間がかかるんだよな〜白梅。
    もうちょっと出荷管理考えろよな、って言いたくなるっす。
    まぁ、それが白梅と言えば言えるんだけどorz

  2. Masamune より:

    やわらかいご飯が好きなジジババには不評だったかも。
    K先生のご指導が「瓶詰後一週間で火入れ」だそうで、またそれをきちんと守っているから、遅い酒が余計に遅くなるものと思います。
    ちょっと強く仕込むと、火入れ直後は「味はどこへ消えた?」という酒ばかり。これは羽根田さんに限ったことじゃありませんけど。
    「一週間で火入れ」は味の多い、早飲み用の酒には有効でしょうが、K先生はいったいどこの蔵の何を基準とされているのか。
    U原組のお酒には罪作りな教えとも思いますし、教えを請う側も教えは教えとして、その手法・技術が自蔵の型に合うかどうかも考慮していただけたら…。

  3. Masamune より:

    と書いてはみたものの、やはりじっくり熟成した大吟は見事ですね。<羽根田さん
    ま、酒屋さん泣かせではあるし、蔵元も自分で自分の首を絞めていると云えなくもないけど。(^^;

  4. 三平 より:

    え〜!?
    K先生の指導なんですか?
    そりゃまた・・・orz

  5. Masamune より:

    TANKさんのご近所も、きちんとそれを守っているから、味乗りが遅いこと。
    Where have all the "味" gone? Long time passing.
    それを意識すればするほど、売る時期を遅くせざるをえなくなります。
    ま、きちんと熟成させ、きちんと味を乗せてから売る。
    酒って、本来そういうものだったんでしょうが…。

  6. Tank より:

    K先生の火入れ感覚はU先生と似ていますよ。
    生老ね臭を極力押さえるために早い火入れ。
    そして熟成という形。問題なのは麹の強さと
    熟成温度。十○代とか出羽○のように−5で
    貯蔵したら、熟成しません。K&U先生とも
    酵母と原料米を考えて、熟成の指示を出します。
    羽根田さんの場合は、酒こってりだから、みんな
    期待しちゃうのだと思います。ある意味、
    うらやましい。

  7. Tank より:

    もうちょっと書くと、一週間以内の火入れは
    山田錦などで、全部一週間以内ではないはずです。
    亀の尾は一ヶ月でビン燗火入れしました。
    どうもK先生、人気ないなぁ。U原先生は彼を
    すごく評価してるんですけどね。

  8. Masamune より:

    蔵によりマチマチです。<火入れ
    生真面目に全品一週間以内にしているところも。
    K先生を槍玉に挙げたようになってしまいましたが、熟成が遅くなるだけで安心して待てるお酒であることは疑う余地なし。
    それを承知でさせちゃう方も、する方も、ほんと大したものです。
    アル添万能・炭濾過過多から抜けきれない隣の地も、まとめて面倒見てくださらないかしら。(^^;

  9. Tank より:

    それはちょっと・・・・

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