東山道中膝栗毛 -其之伍-

某女史同様、鶴岡のビジネスホテル泊のつもりでいたら、「せっかくですからうまい朝飯を」というご当主のお言葉に従い、此度もお世話になることに…。

朝食@余目ホテルそのオススメ、庄内での定宿となった感のある “余目ホテル” の朝食。
すべて地の食材、すべて手づくり。ごはんがピッカピカでしょ!?
運転さえなければ、即「ビール♪」、もしくは「鯉川の純米を熱燗で♪」となること請け合い。(笑)

朝からおいしいごはんをしっかりお代わりをした後のコーヒーがまたうまいのですよ。
「鯉川さんはエスプレッソがお好み」と若女将から伺いましたが、たっぷり飲みたかったのでブレンドを。
水のやわらかさが伝わってきますな。

実は…前夜もさんざん飲み食いして戻った後、「鯉川の純米を2本部屋へもらえますか?」と我が儘なお願いを。
前回、「純米でしたからぬる燗に」という若女将に「もう少し熱め、50℃ちょいの方がこの酒はおいしいですよ」と余計なお節介を焼いたのが効いたのか、此度はいい按配の燗に加え、心やさしき若女将は自家製の漬物まで添えてくれて…。

趣のある建物と若女将のおもてなしに「やはりここに泊まって良かった♪」とつくづく思う良心的な宿でありまする。

■余目ホテル
 山形県東田川郡庄内町余目字沢田114
 Phone. 0234-42-2442

【つづく】

当初は『余目ホテル支店』としてご紹介したものの…
以前は文字通り本店がありましたし、その本店が営業を休止された後も宿前の看板ともども『支店』を名乗っておられましたが、現在では紛らわしい支店という名称を外し、ただの『余目ホテル』とされたようですから、記事中の表記も訂正いたしました。


有朋自遠方来 不亦楽乎

床の間2007年も押し詰まった或る日、遠来のお客人が…。
初めて奥様もご一緒に…ってことは「英語、喋れませ〜ん」ではすまされないと一番娘に通訳をさせようと思ったら、「その日は出張だからダメ」とすげない返事。「たまには授業料の元を取らせろ」と憤慨してみたものの、大晦日にも帰れない因果な稼業なるがゆえ、その声が届くはずもなく…。

「え〜い、なるようになるさ」とお出迎え。
「はじめまして、○○○○○と申します」
わぁお、日本人よりきれいな日本語。ホッ♪

静かなことと心づくしの料理が取り柄の隠し宿の離れは、早、お正月の設え。

はなれ八寸

ひこ孫雪見障子の向こうに庭を望みながら、かんぱ〜い♪
いつもながらに燗どうこまで持ち込んでの我が儘宴の開始と相成りまする。

■ひこ孫 純米吟醸 (2001.5詰)
「一升瓶がまだあったはず」と必死に探したけれど見つからない。てことは、「お正月用にいかが?」と先日、神亀ファンのMさんにおすすめしたあれが、最後の一本だったのか!? X-)
大事に育てたお酒なれど、おいしく飲んでもらうのが務めですから、同じ日付の四合瓶でご容赦を。
「うん、おいしいです」
うれしいことに奥様も燗酒を召しあがってくださる。控え目な物腰といい、さすが、ご主人の薫陶よろしきこと。世の○嫁たちよ、見習いなされ♪ (笑)


日置桜ご夫妻との会話も楽しく、お料理も次々に運ばれてきますから、カメラはすっかりおいてけぼり♪

“ひこ孫” がさら〜っと空いて、次に控えしは…

■日置桜 純米“生酛強力” H14BY
「まだ持ってたの!?」と怨嗟の声が聞えそうですが…ちとお待ちを。だって、ようやく5年が経とうとしているだけで、このお酒にはまだ足りないくらいでしょ!?

アチチ燗(60℃近辺)から冷ますと、がっしりとした骨格にそこはかとないうまみが絡んで、ようやく「うまいっ♪」と素直に口に出せるように…。
雪冷え(5℃近辺)貯蔵ですから致し方ないことなれど、あの時のあのお酒がやっとここまできましたよ、製造担当者殿♪

竹鶴ズワイガニ、お刺身は甘海老・烏賊・鮃・鯛・鰤に鰤の山かけもさることながら、鰈の焼き物がウンマ〜い♪
なんだったっけのグラタン風や陶板焼、鰈と野菜の揚げ物、お蕎麦に締めのごはん、それにデザートのル・レクチェなどなど、目一杯食べながら “日置桜” が空いたところで、この席はひとまずお開き。
迎えが来るまでお部屋でのプチ二次会は…

■清酒竹鶴 雄町純米 H15BY
珍しく冷やでいきましたが、もっとキリッと冷やしたほうが良かったかも。

某蔵元曰わく、「ホントに良く似た舌」というお客人との楽しい時間はあっという間に過ぎ、翌朝、またもやしばしの別れと相成りましたが、これに懲りずにまた奥様とご一緒にお越しを。:-)


諸々慶祝

竹鶴先月も山形を訪ねた裏 “ここ飲み屋かい?” のご常連である兄たちは文月生まれが三人もいる。外れるのはT兄とおやぢだけだが、そのT兄とH1兄は今年が還暦。とはいえ、昔と違い、赤いちゃんちゃんこを着る間もなく、日々仕事に勤しんでいる訳でして。
ならばK兄とH2兄の誕生祝いも兼ねて…
  み〜んなまとめてお祝いしよう!!
ってことで、此度は奥方同伴の拡大開催♪
こんなハレの日には当然、慶びに相応しいお酒を。
ただし、値段は奥方たちには内緒で♪(笑)

裏貼り小笹屋竹鶴 純米大吟醸原酒 H16BY
裏貼りにあるように、山田錦と協会7号酵母を使った “竹鶴” のフラッグシップですぞ。けれども、値段が値段ですから、自前で呑むのは初めての経験。X-)
灯りにかざすと、グリーン・スモークの瓶の中でゆらゆらと揺れるものが…。「おぉ〜、澱だぁ〜!!」

まずは一合弱を冷やで。7号を使っていながら含み香は思いの外に華やか。酸の出方は “竹鶴” としては大人しめ。知らずにきいたら、「9号?」と思ったかも知れませぬ。おやぢ的には十分過ぎる吟醸香と “竹鶴” らしからぬ品の良さ。失礼!!

そして当然ながら燗をつけるのですが…
熱燗(50℃近辺)を超させたほどでは後に苦が残りまする。二年経ったとはいえ、まだまだ若いのね。徳利に移した時点で5℃ほどはすぐに下がりますし。

然らば飛び切り燗(55℃近辺)では…
「うぅむ、いつもどおりでいいや!!」
と結局アチチ燗(60℃近辺)に。まだ徳利を楽に持てる熱さですから、煮酒の手前ですな。
飲み頃に冷めてくると、「ウンマいな〜」とつぶやきが漏れます。

刺身盛り込み

上は、K兄のご友人でもあるいつもの仕出し屋さんの労作。
下は、奥方各位のお手製。あねさまはみな、漬け物上手で。

漬物枝豆

サラダ萬国屋さんでの宴のビデオを観ながら、みんなで…
アハハ、ウハハ、ワハハ♪
箸も進めば、酒も進み、おまけに腹は痛くなる。(笑)

清酒竹鶴 純米吟醸生酒 “初しぼり” H18BY
当年の生酒なれど、あのちゃむさんを送る宴以来、ずうっと二階に放置されていたもの。
生臭はありますが、苦になるほどではありませぬ。いよいようまさが前面に出てきましたから、これまた博打の成果?

いやぁ〜、いい宴会でしたなぁ。

ちなみにH1兄は、またもや今日も萬国屋さんへ。X-)
あの時にお世話になった仲居の佐藤さんへ、「薄酒の地でもまっとうな酒はあるのよ」と云わんばかりに、“北翔” の純米大吟醸(2004.10詰)を託しました。
佐藤さん、このお酒もお燗ですよ♪ (笑)


続・げにありがたきは酒の縁

一人で起き出して海岸へ出たらお天気はいいものの、良すぎると佐渡島が見えなくなる、いつもの現象。
朝からこれじゃあ、今日も暑くなりそうですこと。X-)

朝食宿に戻ってご覧の朝食。あれれ、ご主人、箸が進みませんね。
「二人ともにごりを呑むとちょっと…」
「え〜っ、そんな人がぁ〜!?」
醪中の酵素が悪さするんでしょうか。そんなこととは露知らずにお出しし、申し訳ないことをいたしました。
つらそうなご主人に成り代わってお子たちがパクパク。りえぞさんは持参の “るみ子の酒” 熟成古酒を冷やでグビリ♪ (笑)

まき子さんからアナゴが絶品と聞かされて」というりえぞさんのリクエストで、宿を出て目と鼻の先、浜焼きの “石井魚屋” さんへ。

箱メガネ平日だけあって浜焼きは既に焼き終わり、残念ながら赤々と燃える炭で焼かれる手練の技はお見せできなかったものの、予めお願いしておいた “大アナゴ” をいただいて、フィッシング・ブリッジへ。

べた凪の沖を見やれば、ご覧のとおり覗き箱を操る漁師さんの姿が…。
目一杯の12倍ズームでパチリ♪
今だと、サザエ漁でしょうか。

海鷂魚フィッシング・ブリッジから戻りながら海中を覗くと…
「おぉ〜、エイだぁ〜!!」
しかも、分ります?海草をかすめようとするエイの前方にももう一匹!!
大人も子どもも大興奮。すかさず…
「あれはビイっていうんだよ♪」(爆)

「お後がよろしいようで…」と庵に戻って、あれこれと酒談義をしている内にお別れの時間になってしまいました。
今度はこちらから出かけてまいりますゆえ、しばしお待ちを。

拙blogをご覧のみなさまがた、席数13という小さなお店なれど、まっとうな燗酒の呑める『作-ZAKU-』をお訪ねください。物静かなご主人と、時には元気いっぱいのりえぞさんがお待ちしていますよ♪
どうぞご贔屓に。_(._.)_

■燻、炙。酒。作-ZAKU-地図
 練馬区上石神井1丁目19-9 ハイツアドリバー101
 Phone: 03-3594-5909
 Open: 18:00〜03:00/火曜休み


げにありがたきは酒の縁

日本海夕陽ライン♪夕焼け〜 海の夕焼け〜♪
はたまた…
♪しぼったばかりの夕陽の赤が〜♪

どちらが似合うかはさておき、ここは水平線に佐渡島が浮ぶ越後出雲崎。遠来の酒友を日本海に沈む夕陽がお出迎え。

先日、お江戸は上石神井でまっとうな燗酒を呑ませてくれる『作-ZAKU-』さんご一家が、わざわざ鄙の変人酒屋を訪ねてくださいました。
せっかくですから日本海の幸でも、と久しぶりに“みよや”さんへ。

刺身盛合せお造り盛り合わせが中央にでぇ〜ん♪
「今の時期ならまだ…」の予想どおり “鯛” が丸ごと一匹。
尾から時計回りに “ノドグロ”、“甘海老”、“烏賊” ですな。

ご長男の「マグロは〜?」の問いに…
「ごめんね、ここの海にマグロはいないの」
佐渡沖でなら獲れることもあるのですが、高級料亭か築地へ直行。庶民の口には入りませぬ。
でも、うまみの回った鯛をひとたび口にしてからは「タイ〜♪」に変わってましたから、お気に召していただけたようで…、ホッ。

はしりの空豆以外は、ひたすら地の魚尽くし。まずは毛蟹。

蚕豆毛蟹

さざえの壺焼き。先っぽの肝までするりと…。メバルの焼き物。

さざえメバル

ダメ押しに鰈の煮付け。
鰈おチャケの写真がどこにもありませんが…
■北翔 純米酒 (2007.01詰)
■羽前白梅 純米酒 (17.10詰)
■綿屋 山田錦65純米原酒 H16BY
とここまでは抑えめな顔ぶれで、お刺身や蟹を楽しんでいたものの…
■奥播磨 山廃純米 H15BY
■小笹屋竹鶴 宿根雄町純米原酒 H15BY
生酛のどぶ H17BY仕込14号 “+9″
とやはりいつものパターンに。(苦笑)

お子たちを寝かしつけるといいながら、最初に寝付いたのが奥様のりえぞさん♪
その後はご主人と部屋に戻っての瓶燗合戦をしばらくやっていたのですが…
あれれ、いつの間にかこちらが沈没してた。orz

割烹御宿 みよや 【地図
 新潟県三島郡出雲崎町羽黒町101-1 〒949-4305
 Phone. 0258-78-3181 Fax. 0258-78-3182


ちょいとそこまで -山形紀行- part 4

朝食@萬國屋翌日の朝食。
朝からイカ刺しが出てくると、燗酒が欲しくなりますが、ドライバーゆえぐっと我慢。えっ、お膳の脇の茶色い瓶は何かって?それは麦茶ですよ。深く考えないように。(笑)

「まだ雪の残る時期に採らないと、こんなにやわらかいものは採れないんですよ」
と云われた味噌汁の “あおさ” もさることながら、地元庄内産 “はえぬき” の硬めに炊かれたご飯がおいしくて、お代わりしてしまいましたが、三杯食べた猛者も。

前日、“鯉川” さんで伺ったのですが、地元のJAが “コシヒカリ” を奨励するなんて…。
こんなところにも温暖化の影響が?と思えるお話です。

月山この日もいいお天気。
温海から日本海を横に見ながらR7を北上。鶴岡から高速道へ。途中、高速が途切れる月山を越えて、再び高速道へ。山形盆地を目指しつつ、ちょっと休憩。
清々しい空気と爽やかな風の中、月山湖PAから眺める月山スキー場。
残雪と青い空、山々の緑が素晴らしい景色を作り出していました。

山形JCTまで来ると、仙台が一時間もかからぬ目と鼻の先に…。
今晩は “一心 燗別館” ?
世の中そんなに甘くはないですわなぁ。X-)


ちょいとそこまで -山形紀行- part 3

最初に…part 3はやたら長いッス。X-)

夕食@萬國屋鶴岡からは海辺の工事渋滞に加え、混み合う時間となったR7を避け、郊外の湯田川温泉を横目にR345を南下。今宵のお宿、あつみ温泉 “萬国屋” さんに無事到着。

温泉につかった後は、お待ちかね、本日のメイン・イベント〜♪
庄内の海の幸・山の幸をふんだんに使った “萬国屋” さんの素晴らしいお料理をアテに、“燗酒楽園 at 温海” の幕が開きます。

こちらのお料理が食べたいばかりに今年の行く先を山形にしたのですから、ずらりと並んだを品々を見るだけで、「血湧き、胸躍る!!」ってもの♪
右上から時計回りに。
“お造り” は甘海老・鱸(?)・鮪・鯛。海胆はトゲに触るとまだ動きまする。甘〜い♪

刺身海胆

特製バジル・ソースがかけられた蟹のサラダ。“みず” のこぶ・特製烏賊漬け・わらび。

蟹サラダ“みず” のこぶ・特製烏賊漬け・わらび

鯛と牛蒡の炊き合わせ。
鯛と牛蒡岩牡蛎が供されるには早過ぎたとはいえ、
「この時期ならまだ鯛だろう」
という予想どおり、お造りに、炊き合わせに、と程良い脂とうまみが回った鯛がいいですなぁ。

それと山間の渓流地に自生する “谷水菜(ウワバミソウ)”、土地によっては “みずな”・“みずぶき” とも呼ばれる “みず”。その “こぶ” という珍品も。

これらを迎え撃つおチャケたちは、ご覧の “鯉川” オールスターズ♪
鯉川

  • 鯉川 純米大吟醸 “亀の尾” 2005収穫醸造
  • 鯉川 純米吟醸 “亀治好日” H15BY
  • 鯉川 純米吟醸 “出羽燦々” H15BY
  • そして、さらに純米大吟醸 “亀の尾” には…

  • 鯉川 純米大吟醸 “亀の尾” 2001収穫醸造
  • まで。
    ちなみに、お膳の向こうでワインクーラーに入れられていたのは…

  • 鯉川 純米吟醸 “楽山楽水”
  • 鯉川純米吟醸 “美山錦” の萬国屋さんオリジナルですな。
    せっかくですから冷やでも少しいただきましたが、ただの冷酒。(笑)
    当然どれも…
    どこかで見たことのあるシールが貼られた燗どうこにダ〜イブ〜♪
    見よ、この潔さっ!! (笑)

    純米大吟醸 “亀の尾” を燗どうこに入れるのを見た仲居さんが…
    「そ、そのお酒もお燗されるのですか?」
    と目を丸くしていたので、「然らば…」と冷やとお燗とを飲み比べていただき、「如何?」と問えば…

    瓶燗「お燗の方がおいしくなるのですねぇ」とさらに目を丸くされ、「私等はこういうお酒は冷たくしてお出ししなければと思っていましたが、とんでもない間違いをしていたのでは?」と期待以上のお返事をいただきましたよ。

    が、萬国屋さんにはプンケバ系山形酒も、というか、“鯉川” 以外はすべてといっても過言ではない品揃えであることも承知しておりますゆえ…
    「これに関してはそうですが、こちらのお酒のどれもがそれに当てはまるわけではありませんから。でも、少なくとも “鯉川” さんのお酒だけはお燗ですすめてさしあげて」
    とのこのこ出かけてきた山形でも余計なお節介を。(苦笑)

    となれば…ワインクーラーに入れられていた純米吟醸 “楽山楽水” も
    70℃にセットされたお湯の中へ、ジャボ〜ン!! (笑)

    米沢牛陶板焼。
    米沢牛そうしている間にも空だった陶鍋では米沢牛と付け合わせの野菜が焼かれ、庄内では “蕎麦切り” に対して “麦切り” と呼ばれるうどんも出てきましたが、お椀とともに撮り忘れ。X-)

    萬国屋さんのお料理はどれも、地の素材を素直に活かした味わい。これ見よがしの派手さはありませんが、むしろその「抑えの利いた味わいにこそ、ここの真骨頂があるのでは」と感じていまする。

    滋味あふれるお料理に、可憐でやさしい “鯉川” の燗酒とくれば、もう…
    幸せいっぱい、腹いっぱい♪
    この後、宴はさらに盛り上がり…以下オフレコ。(笑)

    余談ですが、宴席の名板には何故か「鯉川酒造様」と記されておりました。
    「わぁお、ご当主の体型どおり太っ腹なおもてなしですこと♪」
    「お勘定はツケにして帰ろう」と一瞬その気になったことも…。(爆)