東山道中膝栗毛 -其之壱-

「庄内へ行くつもりなのでその前後の都合が良い日に…」と年が明けたある日、下総国より入電。
折しもこちらはようやく遅い正月休みを取る予定にしておりましたゆえ、
「ならばいっそご一緒しませんか?」という誘いに応じてくださった酒縁のお一人、狼亭さん。

同年代ゆえ、始まる前から弥次喜多道中必至の旅の振出しに選んだのは…
第二の故郷、上野国厩橋(うまやばし*1)での常店、『つくし』。
「行きますよ〜」の声に駆けつけてくださった地元Kさんとともに、
まずはキリンのクラシックラガーで( ^_^)/□☆□\(^_^ )カンパーイ!

カウンターに陣取った同世代おやじ三人組+おばさん、突出しのぬたをつまみながら早々に燗酒へシフト。
何をさておいてもまずはこれからの “群馬泉” なれど、いつもの “超特撰” が切れていたため、 “淡緑” と新年ヴァージョンの “初しぼり” の出番。
300mlボトルの山廃特別本醸造原酒 “初しぼり” を『純米原理主義者』の狼亭さんにお飲みいただいてから…
「それ、アル添なんですけど…」と種明かしをする非道おやぢ。(笑)
「えっ、ホント!?」と今一度確かめる狼亭さん。
「聞かされた後でも気づかない。それに、原酒でありながらアルコールの粗さを少しも感じさせないし、いやぁ〜、実にお見事ですな」
とお褒めの言葉を頂戴した本物のアル添酒は、今年も年一回の魔法を見せてくれまする。

地元の肉厚椎茸や鶏の網焼き、金目鯛の一夜干しなどをアテに、お酒は “ひこ孫純米” へ。
お燗の温度を指定しようとするこちらの言葉を遮って、若旦那の口から発せられた
言葉は某漫画風に表記すれば、“狂人” となる…
「これをチンチンに燗をつけて喜ぶなんて、やはりク○ド民族だけだよね」
これにすかさずの反論は…
「極めて純粋な大和民族だと思うよ。ただし、血に酒がかなり混ざっているけど」(爆)

この後…『つくし』のカウンターに何本空いた徳利が並んだことやら…。
帰り際、カウンターの反対端に座る常連さんらしき若いカップルに…
「もうすぐここから我々ク○ド系好みの酒が来ると思う」
という若旦那の一言が翌日からはじまる遠征の結団式を完璧なものにしてくれました。(笑)

ちなみに名指しいただいた先遣隊は…あの “どぶ” です♪

小料理 つくし地図
 群馬県前橋市千代田町5丁目3-2
 Phone. 027-234-0081

【つづく】


*1:厩橋 -うまやばし-
  群馬県前橋市の旧称 → Wikipedia:前橋藩前橋城


前橋酔夜譚

つくし「早仕舞いまでしてかっ飛んで…」は昨今のガソリンの高騰により、
「燃費を気にしつつ可及的速やかに…」に変わってしまいましたが、
馬場川近くへ辿り着いたのは22:00少し前。夏以来となるこの店の暖簾をくぐりまする。

からからの路面を見続けたせいか、喉が渇いてしまい、久々に「まずはビール」とキリンのクラシックラガーからスタート。
「お疲れさん」( ^_^)/□☆□\(^_^ )

スス〜ッとクラシックラガーが空けば、もちろん「群馬泉、アチチで♪」

お通しなめろう

■群馬泉 超特撰純米
この夜のお通しは、鰤の落とし。たっぷりと生姜を利かせた鰤が燗酒を誘いますなぁ。
四種類ある “なめろう” の「おすすめは?」「絶対に鰺!!」
おやぢ的にはイサキも捨て難かったけれど、おすすめに勝るものなし♪

ふとしたことで先客との会話が…
「どちらから?」「新潟から呑みに来たんですけど」「えぇ〜、わざわざ!?」
「どう、ウチのお客さんは範囲が広いのよ」と若旦那の一言が。

「あちらはお酒がおいしいでしょ?」「いいえ、こっちのほうが、断然うまい!!」
ポカンとする三人組に “群馬泉” を一杯ずつお裾分け。
「どうです?」「へぇ〜、いつも○○だったけど、こんなお酒があるんですね」
「群馬の良心ですよ」と大見得を。造っているのは越後杜氏ですけどね。(笑)

地鶏焼やら特大特厚しいたけ焼をアテに “群馬泉” がドンドン空きまする。
こりゃヤバい、開け立てがなくなりそう、てな訳で…

■神亀 辛口純米
これまた開け立てですかぁ。残り物で全然構わないんだけど…。(苦笑)
隣で女将さんを相手にいつもより饒舌なカミさん。
「ありゃりゃ、かなり飲んでいるよ、この人」
それもそのはず、「ねぇ、もう1:00になるわよ」で慌てて退散。
ごちそうさまでした。今度はお義母さんを連れてまいりますぞ♪


墓参

遅ればせながらお盆休み。
とはいえ、お盆はとっくに終わっていますけどね。
因果な稼業と諦めるしかないものの、民族大移動を終えたこの時期はどこへ行ってもガ〜ラガラ♪という恩恵もありまする。
歩いて数分の菩提寺にある我が家の墓には慣わしどおり13日に参りますが、カミさんの実家はこの休みまで持越し。

久しぶりの “三吉屋” のラーメン大盛りをスープまで飲み干した後、バケツをひっくり返したかのような雨の新潟市内から北陸道へ。

手水関越トンネルを越えたところで「晴れたぁ〜」と喜んだのも束の間、ICから下りる頃になって、またもや土砂降りに。orz
諦めつつ向かうと、直前でピタリ。
「さっきの雨は何だったの!?」

手水を使い、お線香を上げ、帰省報告。
その後、なぜか鐘楼で鐘を撞くおやぢ。
「ご自由に」と書いてあったから、つい、ゴォ〜ン♪ (笑)

夏空大間々方面には「ビッグマック!?」のような雲が…。

赤城山から榛名山や妙義山を見やり、視線を落とせば灯りが点りはじめた前橋の街が広がる…というロケーションの日帰り温泉で汗を流し、当然の如く、「プシュッ!!」を一本。これぞ、リフレッシュですな♪

義母・義妹との夕食は、銀色ビールしかない店。「然らば」と日本酒を探しますが、「選りに選って…」という銘柄ばかり。とその時…
「あったぁ!!」
“群馬泉” とともに飲める数少ない酒…

■船尾瀧 特別純米酒 (19.5詰)
四合瓶をボトルでもらって…
「これ、お燗してもらえます?」「はい」
とお客の飲みたいスタイルで飲ませてくれるところは、「○!!」なのだが…
肝心の酒が…。酒が変わったのか、こちらの口が変わったのか、またしても飲める酒を減らしてしまいましたなぁ。orz
アテの山形産だという岩牡蛎は良かったけど、江戸前穴子の白焼きは…
「あのぉ〜、これ、ギスの開きですか?」
というサイズ。前橋の外飲み事情は相変わらずですなぁ。

気を取り直して、いつもの『つくし』で口直しを…。
こちらでは “群馬泉” から入るのがお約束ですが、こちらの顔を見るなり
「すみません、お盆進行できらしちゃって…」
と先制パンチを喰らいます。
以前ならここで「ぐぅわぁ〜ん!!」と打ち拉がれるところですが、今は
「じゃあ、神亀を熱くして…」

■神亀 純米酒 “辛口”
鰺のなめろうをアテに呑む “神亀” のうまいこと♪
二合徳利を三本空けたところで「ごちそうさまぁ」とすっと立つ。
先回の粗相を繰り返すわけにはいきませんものね。X-)


とんだ粗相を

21:30駐車場に車を、ねぐらに荷物を放り込んで、群がる呼び込みのおにいちゃん・おねえちゃんを尻目に一目散に向かう先は…東和銀行本店裏の馬場川(ばばっかわ)近く。
「休んでないよね」とカミさん。灯りが点っている。開いててよかったぁ〜!!

さっそくキリンのクラシックラガーとお通しのいかわさで200kmドライブの緊張を解きほぐし、定番の…
●群馬泉 超特選純米
もちろん、お燗♪
「何かつくります?」
鯛・鯖の昆布〆“鯛・鯖の昆布締め” と写真はないけど “芹のお浸し” を。
最初の1本がややぬるかったので、お代わりは…
「思いっきり熱くしてください」(笑)
「まだ硬いなぁ」とカウンターに置かれた瓶を確かめると “18.12詰”。
ありゃま、まだピチピチ。この秋を待つ秘蔵の “14.9詰” はさておき、普段でも “16.12詰” の常温放置ものですから、無理もないですな。(笑)
それでも次から次へと「お代わり〜♪」「今季の第1号ですよ」と…
●群馬泉 “初しぼり”(速醸版)
うぅむ、しっかりとした味わいながら、きれい。でも、やっぱりゴツい山廃版のほうが好み。:-)

壁に貼られた短冊を見やって目が点に…。
「神亀〜!? 今まであったっけ?」「ひょんなことから入るようになったんですよ」
「何があります?」「ひこ孫と純吟と上槽中汲です」
「じゃあ、槽口を。あ、それも遠慮なく燗をつけていいですよ♪」
椎茸生海苔カミさんのリクエストで、“生岩のり”と“生どんこの網焼き”。
ここは茸もうまいのです。
お酒は…
●神亀 純米酒 “上槽中汲”
から「日置桜は?」で出てきた
●日置桜 純米吟醸 “伝承強力”
にチェンジ。

なめろうアテに “なめろう” を追加した頃から、記憶が怪しい。
“秋鹿” は確か頼まなかったはずだけど…それすらあやふや。
なれど、取っ替え引っ替えまっとうな燗酒を呑める幸せよ。
と、戻した肘が何かに当たったと思った途端、ガチャ〜ン!!
「あぁ〜!!」
床に割れた器と残りの “なめろう” が…。
大事な商売道具を壊したことより“なめろう”が勿体ない、とじっと見入ってしまった呑兵衛をお許しくだされ。(´Д`;)ヾ スミマセン

たらふく呑んで、粗相を詫びながらねぐらへ戻るおやぢ。
これに懲りずにまた寄らせてくださいねぇ〜。

その昔、地元の呑兵衛嬢に「前橋でまっとうな酒が飲める店を教えて」で返ってきた答えがここでした。
以来、前橋での常飲屋。
一時期、歩いて1〜2分のところにねぐらがあったときは、「這っても転がっても帰れる」と痛飲したものです。

後で知ったのですが、太田和彦氏の “太田和彦の居酒屋味酒覧 精選172” や “新全国居酒屋紀行(Sky PerfecTV!)” にも登場する名店。
こんなファンサイトがありましたぞ。:-)

■小料理 つくし 【地図
 群馬県前橋市千代田町5丁目3-2
 Phone. 027-234-0081