啓蟄の夜

昨日は二十四節気の一つ、“啓蟄(けいちつ)”。
土の中では冬眠していた虫がうごめきはじめただろうが、身中の虫は冬眠知らず。
そう、すっかり居着いちゃった、あの“にごり虫”ですよ。(笑)
冷やジュルは一升瓶の底にわずかに残った『清酒竹鶴 合鴨農法米 H15BY』を…。
ちょうど一杯分。いつもの“竹鶴色”を目で楽しみ、ようやく角が取れた感のある含みで食欲を呼び起こす。
『鯉川 鉄人うすにごり 瓶燗 H17BY』
正しくは、“純米吟醸<五百万石50%>にごり酒”なんだけど、蔵元が命名した愛称、“鉄人にごり”のほうが知れ渡っているようで…。
koikawa_bincho.jpgこちらはやさしい味わいを殺さぬよう、飛び切り燗(55℃近辺)ほどに…。
「はぁ〜」やはり一日の締め括りはこうでなければ…。出かけていた間はお手軽にビールでしたから、アルコールを飲んでいるとはいえ、どうも何かが欠落しているようで釈然としなかったのですが…。
その足りなかったものが、“寛ぎ”をもたらす元となる旨みや安心感、それに燗酒の“温もり”だったのか、と今さらながらに気づいた次第。
加えて程良いうすにごりとくれば、「四の五の云わず飲んじゃえ!!」でしょ!? 🙂
アテはハタハタの塩焼き。「あれれ、臓器移植したの?」腹の中が空っぽ。
とはいえ、ハタハタ独特の身の食感は変わらず。頭がやわらかいからムシャムシャと尻尾まで丸ごと食べちゃいましょ。
鰹のタタキは生姜醤油で。意外と脂が少ないから辛子と酢醤油でも良かったかなぁ。
牛肉・玉葱・蕪・人参・キャベツのスープ煮。ちょっぴり牛乳の風味もありますな。
やさしい“鉄人うすにごり”とやさしいスープ煮の取り合わせがウンマい♪
蕗味噌もちょっぴりなめて口を直し、また“鉄人うすにごり”を。良いハーモニーだこと。
“にごり虫”も満足したらしく、ぐっすりと熟睡できました。
晩酌は、やっぱ燗酒に限りますな。:-)

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啓蟄の夜” に対して8件のコメントがあります。

  1. Tank より:

    にごり酒が苦手だった、おやぢさんがねぇ・・
    変われば変わるものですね。
    (小生はうれしいけど)

  2. 狼亭 より:

    昔は、鰹は芥子が決まりだったようですね?
    やったことありますが、個人的にはやっぱ生姜の方が好き♪

  3. masamune より:

    >Tankさん
    一般的にはアル添や甘ったるいにごりしかないんですもの。
    原酒も同じ理由で大っ嫌いでしたよ。
    今は、米の旨みに取り憑かれていますから、変われば変わるものですねぇ、実際。(笑)

  4. masamune より:

    >狼亭さん
    初物好きの江戸っ子は、脂乗りの少ない初鰹には辛子と酢醤油だったそうですね。
    ネタ元は“おせん”。(笑)
    戻り鰹なら、薬味たっぷりのポン酢でも良いのでしょうが…、赤身の旨さを味わうには生姜醤油のほうが向いているように思います。
    好みで老梅酢を加えて。;-)

  5. まき子 より:

    ええ?!
    おやぢさん、にごりが苦手だったのですか〜。
    そんなの微塵も気付きませんでした!
    変ってよかったですね(笑)。
    はたはたは、やっぱり頭から尻尾までがぶっといかないと、ですね。

  6. masamune より:

    >まき子さん
    おいしいにごりに出会わなかっただけなんですけどね。
    まっとうな酒に出会わずに日本酒を嫌いになるのと同じことでしょう。
    ハタハタは煮付けのほうが好きかも。もちろん、頭からがぶっと、ダス。:-)

  7. nizake より:

    そういえば、私も昔は「原酒」が嫌いでした。
    …元帥原酒のせいかも。

  8. masamune より:

    >nizakeさん
    はなっから“小笹屋竹鶴”や“秋鹿”などに出会っていれば…。
    なにせアル添が基本だから、下手すりゃ四段でしょ。
    どぎついアルコールや尾を引く甘み、かつキレない。嫌いになるのも無理ないですよ。

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