悲喜交々 -喜乃報-

まったく裏腹の2本の電話が…。
【2本目】
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「えらいお祝いをいただいて…」「えっ、もう着いたんですか!?」「えぇ、たった今」
久しぶりに聞く“海のもののふ”の、あの張りのある徳島弁が、人生の伴侶とめぐり逢えた幸せからか、いつも以上に弾んでいる。
先日のお江戸でのお披露目に使われた“神亀(ひこ孫?)の樽酒”が絶妙な飲み頃で、とてつもなく旨かったと。「あの○○さんが初めてだと眼を丸くしたほど」だったそうな。

uehara_2.jpg「その大吟醸なんて、ええんですかぁ!?」「ウチで寝ていた99.4詰のだから、奥さんに上手に燗をつけてもらって」「そうしますぅ、あっちのほうが詳しいですからぁ」
そう、何を隠そう、新婦は元某繁盛居酒屋の初代燗番娘。店に行くたびに我が儘云っては困らせたおやぢ。しかも昨年、ご母堂とともにわざわざ変人を訪ねてくださったことだし…。
そのお二人が結ばれるとあっては、とても他人事とは思えず、「何かお祝いを…」と遅ればせながらお祝いにお酒を贈らせていただいたのだ。
しかし、“海のもののふ”の魚と元“燗番娘”の酒。この二つが揃ったら、家飲みだけではもったいな〜い。鳴門に名店誕生も夢ではないですぞ!?
どうぞ末長くお幸せに。
強さと温かさを併せ持つ人柄そのままの声のおかげで、殺伐として仕事を義務的にこなすだけでいたおやぢに生気が戻ってきた。
酒の縁・人の縁、合縁奇縁のありがたさをまた噛みしめた日でありました。

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