献杯

800kmの彼方に思いを馳せ、上原先生を偲ぼうとした夜。
思いがけなく帰省した一番娘が抱えてきたのは、松阪牛と毛蟹。越後の山中からとは思えぬ土産なれど、これはもう万難を排して、お別れの酒を酌まねばなりますまい。:-)

『ひこ孫 純米吟醸 (2001.5詰)』

hikomago_jungin.jpg

先生を亡くされて一番気を落とされているのは、ひょっとしたら専務かもしれない。何で先生を送ろうか…と酒棚を眺めながら、ふとそう思った。
ならば…と選んだこれ。開けたてにもかかわらず、冷やでも練れ味がたっぷり。当然、飛び切り燗(55℃近辺)を超えるアチチ燗に。
さすが松坂のサーロイン。霜降りが苦手なおやぢでさえ手が出ます。
上品な脂ですが、山葵をのせてキレを演出。上燗(45℃近辺)ほどに冷めた“ひこ孫"が、脂をス〜ッと洗ってくれますよ。純米吟醸ならではのきれいさもしっかり。
先生、専務、ウンマいです!!

「危ないかも…」と心配顔で渡された毛蟹も、まだまだ大丈夫。一目散に味噌狙い。
と思いきや、横から箸を出す奴が…。優雅な連休を満喫している三番娘、相変わらず酒の肴に眼がありませぬ。まったく誰に似たことやら…。
てな訳で、ササッと“ひこ孫が終わり。次なる酒は…
『日置桜 生?強力 H14BY』
hioki_kimoto_goriki.jpgやはり、先生はじめ、煮酒さんに加藤杜氏、お三方との初めての出会いを取り持ってくれた、この縁結びの酒こそが相応しいかと。
こちらもアチチの煮酒にしましたが、まだまだ若いのか、上燗(45℃近辺)を下回った頃にやっと味が出始めます。
ホントの飲み頃はまだまだ先なのかもしれません。
まったくもっての困ったちゃん。
鰈の煮付けや車麩とニラの卵とじ、トマト・胡瓜・レタスのサラダもつまみながら、名残の酒が終わりました。
先生も彼の世で懐かしい方々と旨い純米酒を酌み交わしておられることでしょう。
いずれはそのお仲間に入れてくださいませ。(苦笑)
最後に今一度、【酒は純米 燗ならなお良し】合掌。

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献杯” に対して12件のコメントがあります。

  1. れい より:

    先生のご冥福をお祈りします
    交流はなかったものの
    先生のご意思は心に刻み込まれ
    日本酒文化の継承を心に誓いました
    いつか旨い酒を造れる環境に
    身を呈したいとおもいます

  2. おやぢ より:

    >れいさん
    それはまたたいへんな誓いをなされましたこと。:-)
    世の中がどう変わろうと、変わらないもの、変えてはならないものもありますからね。
    ただ…、ライバル紹介しちゃったかも。_(._.)_

  3. まき子 より:

    上原先生のご冥福を祈る声、ホントにあちこちで聞くことができて
    やっぱりスゴイ方だったんだなぁ、と思ってしまいました。
    ホントに一度はお会いしてみたかったです・・・。
    誰かを偲びながら飲むお酒、それはそれでまた味わい深いものがありそうですね。

  4. hiyoko より:

    はじめまして。日本酒バカの大学生です。
    上原先生がお亡くなりになったということを
    たまたま覘いたこのブログで知りました。
    お会いしたことはないけど、もう、心がしわくちゃです。
    二月の下旬に小川原専務とお話しする機会があり、
    その時上原先生の容態が良くないから三月にお見舞いに行く、と
    伺ったのですが、まさかこんなに早く…一度お話したいと強く願っていたので、残念極まりないです。
    先生のご冥福をお祈りして、私もひこ孫を飲もうと思います。

  5. おやぢ より:

    >まき子さん
    酒に対する気骨・気概を通された人生だったのではないでしょうか。
    偲び酒は、ちとほろ苦かった…。

  6. おやぢ より:

    >hiyokoさん
    ようこそ、変人なblogへ。:-)
    学生の頃から“まっとうな酒”に傾倒されるなんて、羨ましいことです。
    おやぢなんぞ、「もっと早くに…」と何度思ったことか…。
    先生は亡くなられましたが、『酒は純米 燗ならなお良し』この言葉とともに
    多くの方々の中、また多くの酒々の中で、これからも生きていかれるでしょう。
    短い間でしたが、お会いできたことを幸運に思います。

  7. あきつ より:

    大変悲しく、残念な事です。
    何度か酒宴でご一緒させていただきましたが
    分かりの悪いわたしにも、
    一生懸命、日本酒のなんたるかを教えてくださいました。
    う〜〜ん。。。。
    今夜は献杯します。。。

  8. 与野 より:

    昨日は友人の御母堂の葬儀もあって、何故か昔のアルバムを開いてしまいました。
    だけど開けなきゃよかった。。。
    懐かしい故大谷社長や上原先生と並んで撮った写真を見て、余計にしんみりしてしまいました。
    いくら飲んでも酔えなかった。

  9. おやぢ より:

    >あきつさん
    また一人、大正の気骨が逝かれました。
    永田町を頂点とする慾呆け老なら惜しくもないけど、まだまだ早過ぎました。

  10. おやぢ より:

    >与野さん
    悲報つづきでたいへんでしたでしょう。お疲れさまでした。
    こちらの蔵元さんと杜氏さんにも、先生のお話を聞かせて欲しかったです。

  11. とりしや より:

    >おやぢさん
    そんな気の弱いことでどうします。
    天国からどやされますよ。
    新潟薄酒の地に我々の酒を、、、、。がんばれ がんばれ お や ぢ!!
    不肖とりしやもここシドニーで頑張ります。

  12. おやぢ より:

    >とりしやさん
    身体同様、ヨワヨワなんです〜。(笑)
    ご声援、ありがとうございます。_(._.)_

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