しっかり金色
先週、クロネコが1本の一升瓶を届けに来ました。某蔵元からのお酒。
知人から「どうですか?」と。「取りあえず見せてよ」と送ってもらったもの。
「それって、また増やすつもり!?」と心配してくださる声が届きそう。(苦笑)
その時にはもう少し葉が残っていたのに、今はほとんど裸ん坊。
いよいよ冬の入り口でしょうか。最後の一葉が散るのはいつ?
『某純米火入原酒 H14BY』
「本来、米と水だけで造ったお酒には、独特の色があるものです。(中略) だから、○○(銘柄)は、ほんのり淡い黄金色です」と首掛けには“間違いだらけの酒常識”を彷彿させる断り書きが…。
磁器杯に注ぐと、「ほんのり淡い」どころか、実に瑞々しい金色。この色合いはとてもH14BYとは思えませぬぞ。
冷やで。ふわ〜っと香る熟成香。予備知識どおり甘はあるものの、原酒ゆえのアルコールの強さに支えられ、もたつくようなことはありません。例えるなら、“旭菊 熟成純米古酒H5BY”と“鷹勇 山廃純米60%原酒 H9BY”を足して二で割ったかのよう。平成一桁年代の両熟成酒と肩を並べる濃い熟成味を出すには、たぶん冷蔵はしていないでしょう。
飛び切り燗(55℃近辺)ほどから冷ますと、さすがに開けたて。ややバラツキが出ますが、すぐに収まることを伺わせます。味の多さを苦にしなければ、心配した酵母の弱点やキレの悪さ、澱下げに使われたという濾過剤特有の香りは問題なし。そこそこに酸を感じられるのは、この酵母との組合せは初めての体験ながら、原料米に助けられているのかも。
ホント、“○号系”と呼ばれる酵母には曲者が多くて…。(笑)
また一つ銘柄を増やすとなると、それなりの苦労は覚悟しなければなりませぬが…
H14BYでありながら、堂々の古酒然とした風情はやはり魅惑的であります。
うぅむ、実に悩ましい艶姿。はてさて…。
この蔵のお酒、実は初めてではありませぬ。
知る人ぞ知る雪冷え(5℃近辺)庫の私物コーナーには、冷蔵開栓放置のまま間もなく3年が経とうとしている、ここの14BY生原酒が3本。あの頃は生老ねが大の苦手でしたからね。
3年も経てば、冷蔵とはいえ行くところまで行っちゃったはずですから…
近々、こちらも試してみましょうかねぇ。
最近、まだまだ色がついている日本酒におののいている人が沢山いるんだな〜と実感したりしまして。。。
それで思うことが、
「冷蔵保存してください。」と普通に書かれているように
「色がついてても品質には・・・云々・・・」と、自然に書かれるようになったら
もっと飲む側は親しみやすくなるんじゃないかな〜っと。
あ、もちろん、米と水だけで造られたお酒のことです。
>まき子さん
こちらは「酒は水のように無色透明」がデファクト・スタンダードですから、
ちょっと色があるだけで「この酒、腐っている!!」と真顔で言われます。
野菜や蒟蒻、小麦粉まで、わざわざ“無漂白”を謳う時代ですから、
酒にもそう入れますかねぇ。「無濾過無漂白」と。(笑)