仕事を終えて帰る道すがら、にぎやかな蛙の声が夜を満たす時季になった。
裏の田圃は休耕田にされたらしく、ほったらかしにされていたから気づかなかったが、その隣はいつの間にか田植えが終わっている。向こうに見える田圃にも早苗が。
縁はないものの、ゴールデンウイーク真っ只中である。
■呑録(旧暦3/25)
先日、これを持って帰ったつもりでいたら純米吟醸”麗”だったので、間違えないようまじまじと確かめてしまった。”大地”を開けるつもりで”5BY”の封は切っちゃうし、旭菊のラベルとおやぢの目は今イチ相性がよろしくないようだ。orz
『旭菊 特別純米酒』
7号系酵母と麗峰の組合せ。この麗峰という酒米、馴染みがないから熟成でどう変わっていくのか、まったく予想できないが、山田錦や雄町のような厚みのある味わいとはなりにくいのではないだろうか。
さて、冷や。涼やかですべりは良いが、硬さと後に苦を感じさせる。こうも渋いのは、まだ若いため?
55℃を超える温度に燗をつけてみたが、やはり味のふくらみは乏しい。冷めると、冷やで感じた苦が復活。ただ、中途半端に甘が残る、そんなヤワな酒ではない。最後まで食わせきっていることを感じさせる強い酒であることを、玉のようなすべりと後のキレが教えてくれる。
値段どおり日常の定番酒として側に置きたい酒だろうか。
片栗粉を付けてサクッと揚げられたタラノメ。セリと蒟蒻の炒り煮。鮪の赤身。あまり良くないものだったので即席のヅケに。トマトと水菜のサラダ。これは珍しくフレンチドレッシングで。タレに漬け込まれたポークソテー。
タラノメは衣に付けられた下味がちょうど良い塩梅。若芽だからやわらかく、後にフワッと苦が押し寄せる。ちょっと酒とぶつかるかな。ま、いいや。セリの香りが鼻に抜けてくるぞ。先日来、何度かゴマ和えで食べてはいたが、醤油がからんだ味も良いなぁ。おこちゃまにはもったいないぞ、これは。
このタラノメとセリは知人のお裾分け。おかげでありきたりのものだけの食卓が一変。春の香り漂う夜だった。


原料米”麗峰”について調べてみた。
■麗峰:育成種名は”レイホウ”
“ホウヨク”と”綾錦”のかけあわせにより、1969(昭和44)年に九州農試で育成された品種。
九州地方の平坦地〜中山間地に適する晩生種。安定・多収品種としてホウヨクに替わり九州全域に普及したが、現在は佐賀・福岡県など北九州中心の作付けに。
酒造用掛米としても利用される。
– 米品種大全より抜粋 –