百聞は一舐めにしかず

開栓後、だれて崩れる酒しか知らない御仁に、「それならまっとうな酒って奴を…」と、生酒も含め、これ見よがしに常温放置してある酒を見てもらうことに。
まずは生だってこうだぜと、開栓後一月半を超えた悦凱陣オオセト純米無濾過生原酒。「当然、生老ねはあるよ」「でも、きちんと酒の味してますよ」。あったりめぇだ。苦くなったカプロン酸エチルが味を汚す酒やプンケバ香が飛んだら砂糖水、はたまたベショッと腰砕けになっちゃうようなボロ酒と一緒にされてたまるかってんだ。
次なるは扶桑鶴雄町純吟。「うわぁ、良い吟醸ですね」「分かるかい?」。
次いで、良いもと(酒母)で強い酵母を育て、きちんと発酵させきったお手本に睡龍生もと純米を。「これが発酵でメーターが切れた酒。アル添で途中で切っちゃったのとは別物だろ?」「なんか、これがホントの淡麗辛口って感じですね」。
そこまで云われちゃ、ご褒美をやらねばなるまい。生もとのどぶ春火入れ。「ご飯みたいだろ?」「こんなにごりもあるんですねぇ」。
「ちょっと変わり種を」と、旭菊純米古酒H5BY。「うまぁ〜い」「これ、冷蔵設備のないトンネルで11年寝てた酒」「え〜っ!? こんなに味があるのに?」
サンプルのお裾分けで鷹勇勇翔無濾過生原酒。「全然おかしくないじゃないですか?」「これも一月半を超えているんだけどね」「う〜ん、今まで見てきた酒は何だったんだろ」。


「こんな酒だったんだろ?」。いただいたは良いが、とても飲めなくて放っておいたら、一週間でスカスカになってくれた静岡の某酒を座興に。「あ、これですよ。全部こうなるものと諦めていたんです」「あんた、そりゃ、選んだ酒が悪すぎるわ」。
「若いだけのツンツン、ピリピリした酒好き?」「いいえ」「じゃあ、酒を選ぶ基準を根本的に変えなくちゃ」。並んだ酒を前に開栓放置を説くおやぢ。
プンケバも飲んできたが、幸い燗酒も好きだという。いよいよもってどんな酒を選んできたのか気の毒になってきて、「今日はこれくらいで止めるけど、次は放ってある別な酒で、冷やと燗との味比べをしようね」「えっ!? まだ他にも常温で?」「これで終わりの訳ないって」「ちょっと見せてもらって良いですか?」
奥の通路にずらっと並ぶ開栓常温放置酒を見て、またびっくり。「へぇ〜、これ全部、大丈夫なんですか?」「ダメなのはここから外されるからね」「うぅ…」。おいおい、考え込んじゃったよ。
実は、先回も開栓放置の話はしていたのだが、スカ酒しか引いたことがないと見え、「そんなことあるわけがない。口からでまかせで誑かそうとしている」と猜疑心の固まりになっていたらしい。あんたを欺して、1〜2本余計に買わせたところでしょうがないってば…。
でも、好きです、正直な人。(笑)
次回、何を選んでいくか、楽しみ楽しみ。:-)

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百聞は一舐めにしかず” に対して8件のコメントがあります。

  1. nizake より:

    F雄町を飲んで、淡麗辛口とは…日本語のお勉強も
    必要かと思ふ。

  2. Masamune より:

    >nizakeさん
    斜めに読んだでしょ? ;-p
    淡麗辛口のコメントはS生もと純米に向けられたものですよ。
    それは別にしても、日本語のお勉強は… まぁ、かなりの人が必要ですね。
    昨日もちゃんとしゃべれない輩が…。ガキじゃあるまいし、良いトシして単語並べるだけ。それも、いちいち問い返さなきゃ話が伝わらない。それが酒屋さんなんだから、もうムニャムニャ。(笑)

  3. nizake より:

    そ、そうですね。失礼しました。(; ̄ー ̄川 アセアセ

  4. Tank より:

    大阪観光のバスの中で
    久しぶりにG社のワンカップを飲んだ。
    <-.-;>。淡麗辛口!!

  5. Masamune より:

    >Tankさん
    あれは、某県同様、淡麗薄口。味がねぇ〜んです。(甲類)焼酎予備軍とも。(-_-)#

  6. 三平 より:

    よく飲めたね、それ。
    あたしゃ、のどを落ちていかない。

  7. Tank より:

    その酒飲まないと、阪急梅田で購入した自分とこの
    純米酒を飲む器がなかったのです。でも大阪城の
    駐車場で残りの半分は捨ててしまった!
    (我ながら良く半分も飲んだもんだ)

  8. Masamune より:

    それでも日本酒と呼ばれるんですよね。
    「第3のビール」しかり、安易にぶち壊し、安直にそれを認める。これも国民性?

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