深夜のにごり
■呑録(旧暦5/26)
いつもよりだいぶ遅れ、夜食といってもいい時間の夕食に選んだのはこれ。
『初霞 生もとのどぶ 16BY春火入れ』
開栓から3ヶ月半。冷やでもまろやかで、いきなり味を感じるまでに熟した。生もとらしい、あの乳酸菌飲料のような香りが心地良い。
お約束どおり飛び切り燗(55℃近辺)を超える燗に。瓶燗だから泡の出は少ないが、生だったら…。
冷ましながら口へ。「染みるなぁ」。どこかのCMじゃないが、体が素直に受け容れてくれるのは外連味のない造りゆえだろう。口開けに比べたら、その持ち味が前面に出ており、心地良い飲み口で、つい飲み過ぎてしまいそう。
鮪の山かけ、明太鰯の焼き物に椎茸と野菜の煮物。茹でたブロッコリーや甘酢漬けのキャベツで口を直しながら、酒を喰らう、あるいは米を呑むといっても差し支えないようなどぶが、すうっと落ちていく。
時計の針は12時を回っている。「明日はまた早朝から一日バタバタかぁ」。ならば深酒は禁物と、かろうじて定量を守った夜だった。