見合い
といっても結婚前の男女が会う、あの“お見合い”のことではありませぬ。
酒と肴のみならず、器にもいえることかと…。
さてさて、取り出だしたるは『ひこ孫 純米大吟醸 (99.4詰)』
“男の隠れ家"3月号で“夏子の酒"の作者、尾瀬あきら氏が選んだ幻の5銘柄にも堂々と入った酒。云わずと知れたあの“神亀"のフラッグシップです。
清水の舞台から飛び降りる覚悟で大枚10,500円(1800ml:税別)也をはたいたのは良いとしても、そのアテが乾きもの、器は景品のグラスなんぞでは、せっかくの酒が泣こうというもの。やはり、良い酒を味わおうとするなら、それなりのアテもなければ…。
てな訳で、プロの手も借りることに…。
切っ先がピシッと立った刺身は、手前から時計回りに、甘海老・鮃・鮪中トロ・鮪赤身・鰤・雲丹。
鮮度、身への旨みの回り加減、また、包丁の引き方、どれをとっても「さすがプロの目利きと技」と唸るものばかり。
奥は、Y姉お手製の山芋・長葱・胡瓜・若布の酢味噌和え。
早い話が大盛りの“ぬた”ですな。
これが良い口直しになって“ひこ孫”の燗酒が進むこと、進むこと。
たとえ純米大吟醸であろうと、当然、燗をつけますよ♪
一週間前に開栓されていた“ひこ孫”は、冷やでも吟香が立ち上がり、雑味もなく、「これをして風雅という」に相応しい気品が備わる。
「うめぇ〜!!」言出しっぺのK兄が叫んだのも無理ないことと…。
燗をつけると、やわらかさとまろやかさがさらに際立ち、上品な旨みとその余韻が妙なる調べとなる。
「こりゃ、すげ〜わ」
「○○翁とどっちが良い?」同等の値段の酒の名前を持ち出すと…
「こっち!!」とすかさず答えが返ってきた。
「してやったり」とおやぢニンマリ♪
こちらは、あれこれ盛り合わせ。
魚介や鶏の焼き物・煮物・蒸し物・和え物、プロの仕事がドッサリ。
手前左が呑兵衛には特にうれしい一皿。
爪楊枝にさされたのは茹で貝と醤油漬のらっきょうという意外な組合せ。もみじおろしが盛られた白子ポン酢、鮟鱇とホタルイカのぬたに、スモークサーモンや“えごねり”も。
12時方向の烏賊の煮付けや、3時方向にある炙った干物で巻かれた玉子の蒸し物もウンマ〜い♪
一応、鴨鍋です。
生憎、目を離している間に盛られてしまい、かなり減っています。(^^;
今の時期なら青首もあるのですが、野鴨は拵えるのがたいへんなので、この日のために合鴨の肉の調達をH1兄にお願いしました。
写真はありませんが、一部は塩を振って網焼きに。
この鴨焼がまたウンマいのなんのって…
まさにホッペタが落ちそうなうまさ♪
“ひこ孫”が見る見る減っていきます。
当然、一升瓶1本で足りるはずもなく…。
この酒を味わうために家計を握っているカミさんたちの目をどう欺くか…。
此度の“盆と正月が一緒に来たよう”な宴は、家では肩身の狭いおやじ連中が、無い知恵を必死に振り絞った成果でもありまする。(笑)
余談になりますが…
尾瀬さんの選んだ幻の日本酒5銘柄は…
“鯉川"の亀の尾には「無い酒を選ぶなんて…、せめて純米吟醸(亀治好日・庄内の風)のほうを選んでくれたら…」と思いましたが、それ以外は毎日目にしている酒ばかり。
したり顔でほくそ笑んでおりました。
“鯉川"の亀の尾純米大吟醸は、お蔵を訪ねた際にガッツリ呑ませていただいたし、このたびの“ひこ孫”純米大吟醸で、めでたく全銘柄制覇ですな。(笑)
スゴイではないですかー!
頑張って奥様方の目を欺いた(?!)甲斐がありましたね。
こういう楽しみくらいは、頑張って良いもの揃えないと!
気合を入れて無い智恵を絞るの、私は結構好きだったりします(笑)。
それにしても、鴨の塩焼き、とってもウマそうです〜。
>まき子さん
遅ればせながらいつもの面々(5夫婦10人)の新年会ですから、このくらいの華やかさがあっても…
といろいろ画策いたしましたよ。
一泊二日の鳥取横断に比べれば、チョロいものです。(^^;
鴨焼は、合鴨ですからジビエの野性味には欠けるものの、しっとりとやわらかくて…。
最後は当然、鍋の残りにうどんで〆。
2羽分の残りをせしめましたから、次はフライパンでのロースト+出た脂でのネギ焼でも、と。
となると、酒は澱の出ている“清酒竹鶴 純米吟醸 H12BY・H11BY”あたりかなぁ。:-)
うーん、〆の鴨鍋うどんだけでも・・・唾が!
>狼亭さん
いつもその何倍も唾を飲み込ませているのは、どこのどなた?(笑)