本鰤柚庵漬け
「さて、今日の肴は‥」。卓の上を見ると、鮪赤身のヅケ、一夜干しするめの焼き物、昨日から繰り越された蒟蒻とメンマの煮染め、肉じゃが少々。人数からすると心許ない量なので、冷蔵庫を漁ると、鰤の柚庵漬けと茹でたホウレン草があった。鰤は厚さこそ1cmほどと薄いものの、25cm弱はあろうかという大ぶりな切り身。「よし、これを焼こう」。
「で、酒は‥」と、二週間ぶりの『秋鹿 山廃純米吟醸 無濾過原酒<火入>2001』を。
ビックリするほどの酸っぱさは形(なり)をひそめ、ずっと落ち着きが出た。含みに熟成香を感じさせながら、山廃ならではの酸と原酒の強さがくっきりと姿を現す。
これも『睡龍 生もと純米』同様、3分30秒。「あちぃ〜!!」。 鰤の焼き役が現れるまで、鮪のヅケや一夜干しするめのゲソとスタート。良いなぁ。熟成香がよりくっきり、厚いボディと口中で綾をなす。
箸休めの蒟蒻をクニュクニュやっている間に鰤が焼き上がった。ごく微かに柚子の香り。狙うは焼きたての皮。おぉ、パリパリだ。皮についてきた血合いが鰤の風味を強める。焼かれた皮をすべて独占。
「あら!? 秋鹿がなくなった。はて‥」。ちょっと迷ったものの、カニ玉が出てきたから『志太泉 純米吟醸』をチョイス。
へぇ〜、静岡酵母だから心配していたけど、結構ボディがあるじゃない、さすが山田錦。二年の熟成で香りも穏やか。まぁ、たまには良いか。ただし、開栓後、長くは放置できないだろう(たぶん)。
月末日の悪夢から逃れるように定量をオーバー。一夜明けたら、そこは雪国だった。(>_<)
鰤はビタミンB群が多く、糖質・たんぱく質の代謝を良くし、疲労回復に役立ちます。また、ビタミンDも多いのでカルシウムの吸収にも関わります。
血流を良くしたり、気管支ぜんそく・アトピー・花粉等のアレルギー予防に良いといわれるEPA(エイコサペンタエン酸)、記憶力や脳機能・視力をアップするというDHA(ドコサヘキサエン酸)も多く含みます。
特に寒鰤はビタミンB1、B2の含有量が多く、脂肪も多いのでEPAやDHAも増え、栄養価が極めて高くなります。
本品は日本海で捕れ、刺身で召し上がれる鮮度抜群の寒鰤を使用いたしております。
- 同封されていたしおりより -
鰤の皮。おいしいですよねえ。魚の皮では鮭の皮も好きだなあ。
さて、静岡酵母。一昨年ほど前に、○久○の純米大吟醸○○米40ってのを蔵元の隣でいただく機会がありましたが、あまりの線の細さに、コメントのしようがなかった思い出があります。
皮目、骨の回り、ゼラチン・軟骨など、魚食いならではの「ご馳走」でしょうね。
ただ、鯨はちょっと苦手。身だけで良いです。(^^;
「酵母云々じゃない、とどのつまりは原料処理なんだ」某M氏
「9号でも良いんですよ。香りを抑えて味を出してやれば」某K-uma/shika杜氏(^^;
とはいうものの、変に地産にこだわるより、きちんと真っ当な酒を造って欲しいですよね。
都道府県酒の狭い殻に閉じ籠もっていないで、目指すはワールドワイドに誇れる「日本酒」。
正統を踏まえずに伝統は成り立たないものと思います。
おっしゃるとおりかと。私は一介の飲み手ですので、酵母がなんだろうと米がなんだろうとおいしければ何にも文句はないんです。
だから、真っ当な酒である以上は、地元産にこだわっていただいてもまったくけっこう。
でも、「すべてが地元産」「これが本当の地酒」などと銘打って、味が二の次になってしまっているのは、主客転倒って気がいたします。
そうですね。
基礎研究は地味で、評価も低いかもしれませんが、そこを掘り下げずに新しい酵母作りに血眼になるのもどうかと。
醸造学部といっても、バイオに流れるのがほとんどのようですから。
探求するものが違うだろ!! って。