細かな雨が降り続く中、讃岐平野から山手に移ったところにある某蔵元に着く。
この縁を求めて四国へ渡ったようなもの。
他の同道者は何度か訪ねている様子で、蔵に入るなりきき酒の準備が始められる。
甑は倒れたというもの、皆造はまだ先。何本かはタンクから汲まなければならない。蔵元自ら梯子をかけ、発酵中の醪を柄杓で汲んでくれた。
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狭い検査室には全員が入りきらないし、こちらは初めてということで蔵内を案内される。
まずは釜場。和釜はともかく、甑が今どき木製なんて…。(・。・)
米かけは見慣れた群馬式。あの『群馬泉』の島岡酒造で生み出された方式だ。
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「今季は7〜8種類の米を使い分けて仕込みました」「タンクの容量に対して、物量が少なすぎてもダメだし、多すぎてもダメ。ウチのタンクだと、総米で1tonと600kgの仕込みがちょうどいいんです」「冷蔵庫も出荷時期により3つの温度を使い分けてますよ」。1階部分を回りながら持論を語ってもらう。
続いて二階へ上がり、麹室から。「蓋はあるけど使っていません。箱しかよう使えんのですよ」。次が「これをやるから午前中の仕事が押すんです」と指差すのは、蒸米を枯らす道具。
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「掛米もこれでしめてから使います」「米に手を入れますから皮膚がボロボロになってしまうんですわ。まさに血と汗の味でしょうね」「人がやっても機械がやっても変わらないものは機械化しますが、人にしかできないことには、きちんと手間をかけないと…」。
後でも感じたが、この蔵元、理路整然、かつ、ご自分の造りに絶対的な自信を持っている様子。他の蔵に関しても、普通はなかなか言えないことまでポンポン言ってのけ、口の悪いおやぢでさえ度肝を抜かれてしまった。
そして、いよいよきき酒。今季27本の仕込みを21本にまとめた、そのすべての酒をきく。
緊張しつつ、次々にきき猪口を口に運び、短いながらコメントを。当然、意にそぐわないものもあるから、それはチェックしただけでスルー。
いくつか気になるものがあり、終わった後、蔵元から解説してもらう。「ふむふむ」「へぇ〜!? これが」。先ほどスルーした酒は、出品用大吟醸だった。(^^;
酵母は、一部を除き、ほぼ熊本酵母。熟度の差や原料米・精米歩合の違いにより、得心がいくもの、いかないもの、さまざま。最後の決め手は売値とつり合うかだが、初めてだけにこれが不明。
蔵を辞す前に価格を聞き出したが、なかなか難しい酒。大きな宿題を与えられた気分。はてさて…。


ここ、「火入れの原酒もあるよ」と聞かされていたけれど、「現在は無濾過生が主体。火入れ原酒は熟成させる上のクラスだけ」と。orz
燗しても生老ねが目立たない(生酒嫌いのおやぢでも許容できるレベル)からいいけど、戸惑いは拭いきれないまま。うぅ〜、まいった。