懺悔

■呑録(旧暦3/23)
生酒を燗したときの、生老ね香やムレ香ともいえる、腐ったご飯の臭いのような、あの独特な香りが"でぇ〜っきれぇ〜!!"なばかりに、生酒嫌いで通してきたのにぃ…。
しかも、某先生の論を得て、ますます「生酒は所詮"半製品"。火入れしてこそ酒として完成する」と、公言して憚らなかったのにぃ…。
それゆえ、無濾過生至上主義者に喧嘩をふっかけたこともあるのにぃ…。
禁断の道へとうとう足を踏み入れてしまった、おやぢ。orz
『鷹勇 勇翔 しぼりたて純米無濾過生原酒 16BY』
東奔西走から戻るのを見計らったかのように、絶妙のタイミングで届いた酒を半月あまり10℃そこそこで放置。どんなに嫌いなものでもきちんと確かめ、評価する"この姿勢"を見習わなければと開けてみた。
冷や。うぅむ、さすがにガスっ気が残る。9号としては控えめな吟香。酸がキラキラと舞う。
へぇ〜、良いじゃない。あぁ、惜しい、やや平板。でも、素性は良いし、後ハネが気にならなくなるまで熟させたら良いんだろうなぁ。
え〜い、燗しちゃえ。50℃超で良いか。
おぉ、あちちち。こりゃ、55℃かな。ほらほら、泡があるよ。うひゃ〜、やっぱり出ちゃうよなぁ、あの臭いが。ちょっと冷めるまで待とう。
よし、かなり収まった。このくらいなら我慢できる。うわぁ、なんだ!? もう飲める味になっちゃうじゃない。
さらに冷めると、我慢せずともあの嫌な臭いが気にならなくなる。良いよ、これ。上品、かつ穏やかな吟香にふくよかなうまみ。若い分だけ、さすがに背伸びしている感は拭えないが、鷹勇らしい捌けの良さとキレは健在。当年度の酒をここまで飲めるようにするなんて…。
坂本杜氏の酒は久しぶり…、あ、この前、シャレの純米松○梅made in USAを飲んだか。でも、値段からしたら、ひょっとしたらあれ以上だぞ。
やはり、すごい人だわ。どの酒もきちっと鷹勇の酒に仕上げちゃうもの。
肴は豚生姜焼き。加えて、ほうれん草と玉葱とで塩コショーで炒めたものまである。はは〜ん、豚肉始末日だな、今日は。買い置きの食材が危うくなると、こんな風に一つの素材が多種多量な献立に化けることがままある我が家ならでは。
前日の残りのおからはあるし、茹でたブロッコリー、胡瓜と蕪の浅漬けか。
生姜焼きに負けないじゃない。やや濃いめの味付けのおからとも良いね。
酒には大満足だったけどぉ…。あぁ〜、とうとう無濾過生まで手を染めちゃった。orz


本音を云えば、これの火入れを早くだせ〜!! 原酒でも良いよ。:-p
原料米:(麹)山田錦(掛)五百万石 精米歩合:70% 酵母:協会9号 醪日数:24日
日本酒度:+5.5 酸度1.9 アミノ酸度:1.4
さっそく常温放置が決定。目があぶないぞ。<自分 (^^;;

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懺悔” に対して8件のコメントがあります。

  1. 三平 より:

    ほ〜っほっほ!
    とうとうおやぢ様も生酒燗にまで手を出してしまいましたね。
    生原酒のチェイサー燗もいっちまえ〜!

  2. Masamune より:

    そ、そんなぁ…。
    チェイサー燗へは、たぶん、いかないんじゃないかな。うん、いかないと思う。いや、いかないはず。(^^;
    原酒には原酒ならではの良さがありますから。それをそのまま受け容れられないようなら、敢えて原酒を選ぶ必要がなくなりますし…。
    割水は、お腹に納めてからにして、生(き)のままを味わいたいです。

  3. nizake より:

    昨年の勇翔生ならば、ここまでの評価はいただけ
    なかったはず。
    良かったです、今年紹介して。

  4. Masamune より:

    やばいです。ファームへ落とされる酒が可哀相だけど、これ見せられちゃあねぇ。
    酒の世界も厳しいのだ!! (^^;

  5. やす より:

     無濾過生原酒主義者って結構いらっしゃるんですよね 汗
     で「なんだかなぁ」と私も思ってるんですけど、飲むとそれはそれで旨いのもある訳で。
     まあそこで止まってしまうか先に進むかの違いですよね

  6. Masamune より:

    たくさんおられますよぉ。できたまま手をかけないことを良しとする方々は。
    確かに生の方が熟成は早いですが、火入れをせずに熟成に耐える酒はそうそうないですよ。"無濾過生原酒"という言葉や手法だけが一人歩きしちゃって、中身が伴っているかどうかは二の次じゃあ、本末転倒ではないかと思うのです。
    まぁ、じっくり熟させた火入れの強さを知ろうとしないなら、そのまま止まっていても構いませんから、その先へ行こうとする人の足を引っ張らないで欲しい。それだけはお願いしておきましょう。:-)

  7. 狼亭 より:

    わたすも熟女好みで「生原酒」は苦手ございますが、「弁天娘 槽汲 生原酒」のチェイサー燗は生臭がなくて美味しゅうございました♪

  8. Masamune より:

    あちらは、その「生原酒」の熟女がお好みなんです。:-)
    火入れ?酒を壊すばかりか、わざわざ熟成を遅くしてどうする。
    割水?せっかくの原酒のうまみを薄めてどうする。
    原酒はまだしも、火入れできない酒もありますね。

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