除け者にされちまったい
■呑録(旧暦4/15)
山のものが好きな知人が、日が暮れた頃に差入れを持ってきてくれたのは良いが、仕事の区切りがつかずあたふたしていたら、何を思ったのかカミさん、さっさと燗をつけ、知人と飲みはじめたではないか。オヒオヒ、ソレハナヒダラフ。orz
『羽前白梅 純米酒 穂の香』
60%精米の美山錦で醸された純米。同蔵のスタンダード純米より10%精白は落ちるものの、値頃感のある酒だ。
常温での開栓放置3ヶ月ほど。味乗りの遅い羽前白梅だが、これもきちんと吟香があり、開栓直後の渋く、頼りなく感じた線の細ささはしっかりとしたうまみに変わっていた。
熱燗ほどから冷ましつつ、口に含むと、品の良い吟香とフワッとふくらむ素振りを見せつつ、芯の強さと切るぞ!!とばかりに後ギレを主張する。思いの外の強さ。こんなに辛口だったのかと驚きが混じる。
それもこれも良い蒸米と麹づくりが肝なのかなぁ、と半可通ぶりを…。
差入れは、この日、蕨以外では唯一の戦利品だったという天然ものの山独活をおやぢの好物、酢味噌和えに仕立てたもの。それに山独活の葉の唐揚げ、筍と蕨の煮物、針生姜を入れ醤油漬けにした蕨、と山のもののオンパレード。
これだけあれば、おやぢを差し置いて飲みはじめたカミさんの所業にも、黙って頷ずき、度量のほどを見せておかねばなるまい。
ようやく片付け、プチ宴会に加わる。せっかくだからと、いつもの飲み仲間に声をかけたら、一人ははじめた夕食をそそくさと終わらせ、もう一人は出先から別の知人を引き連れて駆けつけてきた。
「ビールが良いよ」と強請る奴にはハートランドを飲ませ、人数が増えたおかげで持ち出した燗どうこでつけた"穂の香"があっという間に空く。
ハイギアードなカミさんは「どぶが飲みたい」と云い出す始末。
『初霞 純米酒 生もとのどぶ 瓶燗春火入れ』
これも2ヶ月の常温開栓放置もの。「味見? まぁ良いや、いきなり燗をつけちゃえ」。よぉく降ってから煮酒を目指す。「熱いですよぉ」。どこかのラーメン屋みたいな科白とともに注がれた酒をフウフウと冷ます。
「あの電気ポット燗は絶妙だったよねぇ。それにあの(どぶ専用)ぐい呑みも良かったし」。いつになく饒舌なカミさんが、燗番を務めてくれたIさんの技を手振りを交えて語りはじめた。
取れ立てを上手に拵えた山独活は、青リンゴのような清楚な香り。後味のわずかな苦みがなければ独活とは思えないほど。まるで山の中で食べているように錯覚しそう。
やっぱ独活は山菜の王様だよなぁ。
気のあった仲間とうまい純米。憂さも忘れて、しばしの陶酔にひたる夜だった。
現実逃避で二本連発。アァ〜、グゾォ〜、ドホシテクレヨフカ。。。orz
山菜づくし、うらやましい。
こちらの場合、鳥海山も月山もまだ雪深く
山菜シーズンが役1カ月遅れているとのこと。
独活はそろそろ出始めました。
アクの強いものには、強い酒ですか。
わかりやすくて良いですね。
筍も凶作みたいですものね、今年は。
まぁ、毎日、筍責めにあわずに助かっていますけど。(^^;
独活は、天然ものを食べちゃうと、栽培物はやはり別物、ってあらためて思ってしまいますね。
鉄人にごりとアル添薄酒を飲み比べるようなものですわ。:-)
穂の香に強さを求めた訳じゃないんですよ。こちらの飲み手には無難な選択肢としていましたから。<山形酒
それにしても、最初にみた時はこれほどの強さを感じなかったのに、やはり羽根田さんの酒、忘れた頃に飲み頃がやってくるみたい。(^^;