3,000円/1800mlクラスの酒に慣れた口を戻すのは、やはり容易じゃない。それら2本対定番酒3本。原価の差は如何ともし難いものがある。とにかくアラが目立つこと。
なのに、最廉価の酒を選ぶのは…。臍の曲がりはなおさら戻らない、いや戻せないようだ。
『銘柄非公開』
純米でありながら、1800mlで1,700円(税別)。この値段は、福正宗黒ラベル(同1,631円)以来の驚き。一本当たりの仕込みの大きさが許した値付けだろうか。
圧倒的な酸に支えられ、アルコール分14%台という薄さは感じないが、酸が突出しているようにも思える。
H16BYものだろう、後にハネと苦が残るが、熟成次第でどうにでもなる程度。酸味が多いことさえ承知しておけば、冷やで飲む分にはそこそこ。
ちょっと苛めてみようと、飛び切り燗(55℃近辺)から冷ます。冷や同様、酸味は多いが、さっさと喉を通す分には悪くない。が、「ん!? 余韻が…」。平板のままで、もう一押し欲しいところでの力がない。ぬる燗(40℃近辺)ほどに冷めると、より顕著に感じる。若さを露呈したのか。
「この蔵元が燗を意識しないはずがないのだが…。これがあちらの地域色なのか」。
酒の旨みには、きちんと醗酵により生成され、熟されたアルコールがもたらす旨みも不可欠だと思っている。それゆえ、華やかな香りは出すものの、醗酵力の弱い酵母を嫌っているのだが、せっかく出させたアルコールを加水により薄めすぎるのもまた、どうかと思う。
滑りは良くなるであろうが、薄められた味わいを裏打ちするものがないと、痩せぎすで飲みやすいだけの酒になってしまう。量を飲ませようとするなら、それもありだろうが、適量を楽しませたいなら、それなりの飲み応えがないことには話が始まらないというものだ。
この酒もそうであると断じることはできないが、少なくても様子見には違いない。
『睡龍 速醸純米 瓶燗 H15BY』
これこれ。とことん甘みを廃した味なれど、きりりと引き締まった旨みと、喉を過ぎて戻る余韻。これがあるから定量でやめられるのだ。
バチマグロ赤身の刺身。味が抜けかけている。開栓一週間でダレ切ってしまう酒みたい。orz
鯖の漬け焼。脂が…。牛肉とセロリの炒め物が何とかまともか。またもや登場した夏野菜の煮物。先回ほど辛くはなく、汁たっぷりで良い口直しになってくれる。
「やっと休みか」。よりによって休前日にきき酒モードを持ってくるなんて…。