といっても、一ノ蔵の『あ、不思議なお酒』みたいに奇を衒ったものではない。
正真正銘、王道をいく純米酒。それも『生もと』となると、この純米馬鹿杜氏(失礼_(._.)_)の酒が最右翼であろうが…。
『睡龍 生もと純米原酒 瓶燗 H16BY』
冷や、それも開けたてにもかかわらず、ここの生もと特有の香りが強く立ち上る。もちろん、香りが強いといっても、プンケバ酒のどぎつい化粧のような香りではない。いかにも酒らしい素直な香りが割水版よりも豊かということだ。
口に含むと、甘さを伴った旨味が一気に押し寄せる。アルコール度数が高い(18%台)とはいえ、圧倒的な強さ。しかも、16BYなのにハネもなく、口当たりはあくまでもまろやか。完全発酵させたアルコールをも、トロトロの口当たりと、甘さと見紛うばかりの練れた旨味に変えてしまっているではないか。
「どうして!? ねぇ、どうしてなの!?」
あの杜氏を知る人なら、すがって詰問したくならなければ『ウソ』だ。(苦笑)
これだけ味が出ていればと、飛び切り燗(55℃近辺)超に。さすがに徳利から湯気が出ますな。(笑)
やや若返った感はあるけど、分厚さに締まりが加わり、トロトロのうまさが、最後はスウ〜ッと消えてゆく。
「いやぁ〜、ウンマい!!」
しかも、これだけ味があるのにもっと飲みたくなる。
「罪作りね、あ〜なたぁ」てなもの。
アテは自家製の鯖味噌煮。輸入物に良くある過剰な脂はなく、背はしっとりと旨いし、腹身には程良い脂のうまさ。これぞ魚の煮物。
もう一つは、鮭の香味焼。うぅむ、こちらは今イチ。たぶん、最近の脂っぽさだけが珍重される流れどおりの輸入物だろう。
里芋・大根・人参・シメジ・椎茸の煮物。こういう野菜料理があるのが家庭のありがたいところ。
鯖の味噌煮の骨を出すのが間怠っこいと思いつつ、お代わりお代わりで三切れも。
定量で十分な満足感。
いやぁ、「原酒が苦手なあたしにも飲めるから」、そう唆してくれたO亭さんに感謝しなければ。
お客様は神様です、ホント。(笑)