煮物で和む
慌ただしいままに霜月の幕が開けたと思いきや、早一週間。明日はもう立冬ですよ。
『肥前蔵心 純米吟醸 中汲み H16BY』
「高温糖化もと一本槍だった矢野さんが速醸で仕込む」、年明けにそう聞かされて気にはなっていたが、春先は生原酒先行。いきなりの生はあまりに冒険、と火入酒の出荷を待つこと7ヶ月。大きめの金魚のようだったこいつらでさえ、まるまると肥え、すっかりおデブになってしまったものなぁ。
「渋いよ」そう聞かされていたのに何だ、この味乗りは。しかも、しょっぱさまで。(-_-ゞ
酒の中のある種の味を、塩に含まれるミネラルのうまさのように感じてしまうからなのだろうが、これを感じたのは久しぶり。16BYがもう飲めるなんて、蔵内での貯蔵温度はかなり高めだったのかしらんとも…。
それにさすが純吟。くどさや後味のいやらしさもなく、香りが控えめなのもありがたい。
熱燗(50℃近辺)ほどに燗をつけてもその印象は変わらず。鼻につくような派手な香りもなく、さらにしょっぱさが増した。
そして、たっぷりのうまさを感じさせた後、その余韻がス〜ッと消えていく。
ヤバい、放置したいのだが、我慢できるかどうか。飲み過ぎる予感が…。(x_x)
『羽前白梅 純米 尾浦城』
あれこれ酒が増えたおかげで少し忘れられた存在となりつつあったが、こちらはいつものたっぷりの酸が健在。
同様に熱燗ほどの燗をつけ、その酸を確認する。温度が下がってくると、さすがに若干抜けたかなぁと思わせるところもあるが、値段からしてこれ以上の欲張りは酷というものだろう。
アテは鮪の山かけから。山芋のネットリ感が格別だが、これが大和芋なら、盛られた鉢からごそっと根こそぎ持ち上がるはず。後始末はともかく、あの片口に盛っても良い景色になりそうだ。(^^;
そばつゆを薄めて豚肉・長葱・豆腐を土鍋で煮る。シンプルながら、身体は温まるし、酒も進むという優れもので我が家の定番。
大根の炊いたの生姜味噌かけ。分厚い大根が箸でサクッと割れ、しかも、口にしたときに溢れ出す大根そのものの味と煮汁は、快感でもある。
菜とじゃこの煮染め。アクセントのじゃこと青臭い菜の風味がまた良い。
煮物がありがたいとは、爺むさい話であるが、まぁそれなりの年になっているんだからこればかりは、しょうがあんめぇ〜。(苦笑)
確かにあたしんとこでも忘れられた存在でした。ただ70〜80%精米の酒が増える中、残念ながら尾浦城は天穏、高津川などに較べかなり高すぎ(国内の2300〜400円レベルと同値)、落とさざるを得なかったものです。まあその代わりにコスト的にはしんどいが純米で行こうと決めました。というか売れなんだらてめえで呑めばいいやと腹くくった訳です。
こうしてあっという間に今年も終わってしまうんでしょうね・・・。
羽前白梅の蔵って他にも沢山ブランドがあるんですか?
前に飲んだ時に初めて飲んだのですが
お値段的のCPが良いんですね〜。
文章を読みながら、頭の中でイメージ。
美味しそうな食卓が浮んできました。
池波正太郎・壇一雄の世界のようですね〜。
>とりしやさん
というか、ご自分で飲みたかったんでしょ?(笑)
国内に限れば、あの値段であの酸は立派なものです。
こちらでは、フレンチあがりの某居酒屋店主が気に入ってくれていますよ。:-)
>まき子さん
今日はもう立冬ですからねぇ。
羽前白梅はあくまでも羽前白梅だけですが、小印的にこの尾浦城・穂の香・俵雪・ちろりなどの他、
出荷時期・原料米違いなどでそれぞれに見合ったサブのネーミングが付されています。
ちなみに純米 尾浦城は2,000円/1800ml(税別)です。:-)
#別件あり。DMを放っていただけませんか?
http://kanzake.com のmailからどうぞ。
>あっきさん
池波正太郎に壇一雄!? 滅相もない、そんな大それたものじゃありませんよ。
普通の家庭の総菜、「おかず」に過ぎませんもの。
「おばんざい」と京風にいえば少しは雅かも知れませんが、母が作るもっぱらの田舎料理ですから。
ホントは、池波正太郎もさることながら、立原正秋の食に憧れています。(苦笑)
煮物・・・お酒のことかと思ったら、アテの方でしたね。
ゆうべは、いつもと違うお店で、60度以上の煮物酒を味わいました。
また夕食は、丹波の自然薯をおろして(おろすそばから茶色くなりましたが・・・)玉子と醤油で溶き、豚肉と一緒に焼いて食べました。我ながら、もったいない食べ方したと後悔しきりです。
>マック次郎さん
煮酒が似合うほど強い酒って、そうそうないですからねぇ。
若い酒に無理させると、余計に若さが際立っちゃうし…。
自然薯、焼いちゃったんですか?それは思いつかなかった。
ほとんどはおろして、あのアクの強さと一緒に丸呑みしちゃいますからねぇ。
おろしたてを味噌汁に浮かべてもおいしいですよ。:-)
そうそう、次郎さん愛用の銚釐、あれいくらで手に入れられたんでしたっけ?
>そうそう、次郎さん愛用の銚釐、あれいくらで手に入れられたんでしたっけ?
展示処分品で、6,000円でした。
昨日の夜にブログで書きましたが、大阪錫器さんの感謝祭、来月の8日から10日にやるそうです。
今年は初日から行きたいです。
>マック次郎さん
ひょえ〜、上代の半額だぁ。さすが浪速人、良い買い物しますなぁ。:-)
感謝祭には行けませんが、水面下で交渉中。(笑)
>マック次郎さん
不勉強にて本錫のちろりがそんな金額とは今の今まで知らなんだあ。ブログ拝見させてもらって大阪錫器のHPも覗いてきました。勉強になりました。
実は3〜4日前のオークションで大正期の銀製打ち出しちろり一対が出てました。これが実にいい形でもう絶対に落とそうと頑張りましたが、20000以上になったので降りました。大阪錫器の値段が分かってればもう少し頑張ったかも。未練がましいが残念です。
>とりしやさん
くわぁ〜、大正の銀鎚器銚釐ですとぉ!?
容量は分かりませんが、純銀なら軽く10万は超えるはず。ホント、残念!! (笑)