お毒見 -2-
決して地元が嫌いな訳ではありませぬが、そもそもが地元に飽き足らずにはじまった “まっとうな酒” 放浪ゆえ、軽んじているといわれても致し方ないものがありまする。
とはいえ、地元の酒も機会がある毎に見てはいるものの、まだまだアル添主体。売れ筋の銘柄でさえ、連続蒸留式焼酎と見紛うような薄っ辛い酒を未だに “淡麗辛口” としている様に出会す度…
「見なければ良かった」
と後悔することになりますから、探す気力も次第に萎えるというもの。
その結果、“灯台下暗し” となっていたことを気づかせてくれた酒が…。
●住乃井 高温山廃純米 H17BY
これは間もなくお目見えするオリジナル仕様酒に貼られるラベルなれど、そのちっちゃいこと。実寸で高さ128〜9mm、幅80mm。
縦横比が “16:10” とMacのディスプレイと同じなのはご愛敬ですな♪ (笑)
閑話休題。
飲んでいたのはきき酒のために仕入れた市販版ですが、型に大きな違いはありませぬ。
速醸でいうところの “高温糖化酛” の山廃版、“高温山廃酛” という耳慣れない酒母づくりををウリにするのは全国でもここと “木戸泉(千葉県)” くらいでしょう。
開け立てはかなりにぎやかな酸と後に雑味を感じますから、味が濃い料理や脂っぽい料理、もしくは一癖ある料理と合わせたくなりますが、開栓して10日から2週間ほど放置すると程好くまとまり、守備範囲もグンと広がります。
そこに特徴ある酸が加わるのですから、なかなか楽しめる一本となりそう。
アテは豚肉・ベーコンと白菜を土鍋で蒸し煮にしたもの。
豚肉とベーコンのうまみと脂を吸い込んだ白菜がトロトロにとろけています。
笹鰈の塩焼き。身は薄いものの、こんがり焼かれたエンガワが香ばしくてうまい。
野菜とエリンギの煮物や青菜の胡麻和えなどをつまみつつ、定量未満の “住乃井” がお終い。
●日置桜 特別純米 “青水緑山” ver. 雄町 H17BY
「半分でいいから〜」と17BY同士のリレーに…。
きれいな玉を感じさせる味わいはさすがに特別純米ですが、ちと据わりが悪いところも。
揃いも揃って開けてからも時間のかかる酒ばかりですこと。(苦笑)