信号待ちの合間に

信号待ちの合間に


M子は富士を見られた試しがないといふ、
ほんとの富士が見たいといふ。
私は驚いて山を見る。
山々の向こうに在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな富士だ。
どんよりけむる山並のぼかしは
うのはな色の夏の吐息だ。
M子は酒を呑みながら言ふ。
新幹線でも車でも
毎回見られないから写真や映像で見る富士が
M子のほんとの富士だといふ。
あどけない富士の話である。

【夏遠足国語編 お終い】(爆)
ダシにして、ゴメン!! >M女史