肥前蔵心 純米酒

水気をたっぷり含んだ雪の重さは扱った者にしか分からないだろう。昨日の雪がまさしくこれで、振り回そうにもあべこべに振り回されてしまう。やっとの思いで片付けた後は、当然のように燗酒に癒してもらわなければ、ただの草臥れ損。
開栓して一週間経った「肥前蔵心 純米酒」。首に「お燗用」と短冊が貼られた2,000円/1800mlの定番酒だ。
「あれれ、こんなに味があったっけ?」。最初にみた時はするっと入るものの、そう味があるとは思えなかったのに。
強い燗には向かないだろうと、上燗のやや上くらいで。「うむむむむ‥」。とにかく味が溢れ出る。強さではなく、甘みを伴ったふくらみ。
出来合いの焼売の甘さには合う。鰺の塩焼き、ブロッコリーの胡麻汚し、それに田舎料理「煮菜」(打ち豆ではなく丸豆を使い、里芋・人参を廃し、タイナの素朴な味に徹するのが我が家流)には、酒の甘がややくどく感じる。キレが鈍いと云っても良いだろうが、甘さのある焼売とは良いつり合いを見せたのだから、合わせる料理によって印象が変わると思う。
これは佐賀とこちらの風土の違い。土地に根付いた味の差なのではなかろうか。


先に飲んだ「肥前蔵心 特別純米」(西海134号60%精米)の方が捌けが良く、一般向きかもしれないし、「まだ渋いぜ」と云われている純米吟醸も気がかり。

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肥前蔵心 純米酒” に対して8件のコメントがあります。

  1. TANK より:

    小生は、本日「蔵開き」で屋根の雪まで
    間に合わず、明日が雪おろしです。
    雪かきなら楽なんですがね。
    ちなみに他社の味についてはコメント避けますが
    汗をかいた日本海側の寒い地方の人は、塩分を
    好むので、料理と酒の相性が微妙にずれると思います。食材は同じでも、「濃さ」が違うので日本酒も
    味が濃いのを好んでしまう傾向があります。
    鹿児島で旅館の醤油が合わず、刺身を食べれなかった
    ことを思い出しました。あの醤油には甘みがあり、
    小生は、それだけでだめでした。

  2. とりしや より:

    肥前蔵心特純
    ようやく終わりました。昨年7月に12本仕入れました。開けたてはおっこれは!!という感じで瞬く間に7〜8本売りましたがそれからがいけません。しょせんあたし共では他の酒と較べてしまいます。その後続々と鯉川はじめそうそうたるものが入ってくるとやはりそっちにいってしまいました。また蔵元の矢野酒造さんの輸出に対するスタンスも今一で、残念ですがこれにて打ち止めです。

  3. TANK より:

    おやぢ殿。またスペース借ります。
    とりしやさま、「蒸し米」作業で
    電話を中断して、申し訳ありません。
    ぎりぎりのスタッフなので、私も
    手伝っている状態なのでした。
    大変失礼して申し訳ありません。

  4. nizake より:

    tankさん
    一把一からげはいかんです。濃い味が好きな方は多いのは事実ですが、そんな方ははなから純米など飲みません…あ、おれもしてる。一把一からげ(^^ゞ

  5. TANK より:

    そうですね。決め付けはいけないんだけど
    でも妙にその土地の料理が自分の舌に合う経験が
    あると、別の土地でも期待するから、合わない時の
    ショックが大きいのかな。ほんとは料理人で
    決まる部分がかなり大きいのにね。
    やっぱり俺って、カテゴリー好きな日本人でした!
    (反省*_*)

  6. Masamune より:

    醤油・味噌はその地方の味の基本でしょうから。
    九州の甘醤油。おやぢも苦手ですが、あれをベースに考えるとこの酒もありなのかなと思った次第。
    濃い酒が好まれる説‥。この地がそうなら、どんなに救われることか。
    ちっとも当てはまってないですよ、TANKさん。(^^;;

  7. nizake より:

    もっぱら、私ははつかり醤油ですが、九州のあの甘口醤油も場面によっては捨てがたいので、持ってます。
    だがしかし、あの甘いのを刺身につけるのは理解できないです。

  8. Masamune より:

    郷土の味なんでしょう、あれが。
    以前に聞かされた肥後の赤酒や(本来は甘く醸造する手法が取られていたそうですが)甘味料を加えた醤油の話もそうですし、先日の「売れているものがホンモノ」の一連の記事中にあちらではアミノ酸入りの醤油が受けているという話があったように記憶していますが、九州の人って、その手のものに寛容なんですかねぇ。
    日本海側も金沢以西だと刺身にたまり醤油が出てくるけど、あれも苦手。特に白身には最悪かと。

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