睡龍 瓶燗純米

Devilfish。人の血をしぼる悪魔を連想させることからこう呼ばれるそうだが、その「蛸があるぞ」と声がかかった。要は「うまい酒を飲ませろ」ってことだ。休みの前日、予定も入っていなかったし、断ったらそれこそ「このタコッ!!」って云われそうだったから、二つ返事で受けましたよ。
何を飲もうかと思い巡らし、朝8時前から夜9時過ぎまで暖房の熱が緩く回る室内に昨年暮れから放置されている酒の中から「睡龍 瓶燗純米」を選ぶ。「くれぐれも冷蔵庫には入れないで」と念を押され、本来、貯蔵には不適切と思える環境で熟成を意図的に進めていたものだ。「生もと純米」もあるけど、こちらの方が味乗りが早い。
燗をつける前にちょっと味見。ふぅむ、やっと味が出始めたなと、飛び切り燗の上を目指し、燗どうこに。
燗の具合を見るために再び味見。おぉ、辛さが尖っている。まだまだぬるい。
きちんと燗がつくと、森を感じさせる香りが含みに。ダレを微塵も感じさせず、シャキッと締まった辛口の酒となる。キレの良さはさすがだ。
蛸の頭に山葵をつけ、醤油にちょん、口に運ぶ。歯応えを選ぶなら足だが、味が豊富なのは頭だろう。そこへ睡龍を含む。うぅむ、良いなぁ。だらだらせず、実に捌けが良い。わさびとともに食い物の味をしゃっきり、くっきりさせるようだ。もっと脂の多い肴でも楽しめそう。
小腹が空いたからと鮨を頼んだら、この日の光り物はほとんど生と云っていいほど軽く締められた鯖。お気に入りの酢飯はいつもながらいい出来具合。睡龍は舌を洗うかのように一つ一つのネタを際立たせる。これは良い食中酒だ。
杯を進めていたら、『まだ甘口の酒が多いとお嘆きの貴兄に‥』、往年の名コマーシャルが突如浮かんだ夜だった。

Follow me!

睡龍 瓶燗純米” に対して9件のコメントがあります。

  1. tama より:

    去年、一本だけ飲んでからご無沙汰です。
    また、飲んでみようかな・・・。

  2. nizake より:

    タコ食いたい。
    息子(次男)が「お父さんエダコとジダコって知ってる?」と聞きよった。
    「なんじゃそれ?食えるのか?」と私。
    「食べられまっせぇ〜〜〜〜〜ん!!空に上げる絵凧と字凧でぇ〜〜〜〜す。」だってさ。
    食えないタコに興味なし。
    人見て物言えよ、我が息子よ。

  3. こじこじ より:

    タコ大好きです。茹でたのも好きだけど、生のも好き。吸盤も最高。
    やはり、タコには日本酒ですね。間違いない。
    睡龍、私の赴任後に世に登場したお酒なので、飲んだことないんです。飲みたーーーい。加藤さんにも直接お会いしたことはないんですが、なぜかサインだけは持ってます。

  4. とりしや より:

    あたしもタコ大好き人間です。こっちではイイダコはいつも出回ってるのに、大きい普通のタコはなかなかお目にかかれません。
    睡龍生もと。昨年末狼亭ご亭主よりいただきあっという間に飲んでしまいました。もう少し置いとくべきだったんですね。でもあたしが今まで飲んだ物の中ではトップです。そして今年のターゲットです。去年は輸出不可とのことで引き下がりましたが、ことしはなんとしてでも食い下がろうと思ってます。

  5. Masamune より:

    >tamaさん
    生もとには生もとの良さがありますが、放置の手間が短くてすみますよ。
    味はしっかり加藤さんの味ですしね。
    これの14%加水が蔵での定番らしいです。
    >nizakeさん
    無邪気な息子さんじゃないですか。子供はそうでなくちゃ。
    その内、「人見て物言えよ、おやじ」って。(^^;
    >こじこじさん
    此度は「茹でダコ」でございました。昔のマンガですが、おそ松くんに出てくる串に刺されたおでんの蛸の足。子供心にもそそられるものがありました。
    それにしても、なんで加藤さんのサインが?
    睡龍はじっくり育ってほしいお酒ですね。生もと(純吟・純米)なら、今確保すれば、お帰りになる頃にちょうどうまくなっているのでは? 🙂

  6. こじこじ より:

    おそ松くん、懐かしいですねえ。そういえば、おでんに刺さってました。たこの足。
    加藤さんのサイン、私の知り合いが、神田new eightのお酒の会で加藤さんがいらしたときに赴任した私のためにもらってくれたものです。ありがたや。
    睡龍、たしかに、今確保して帰国後の楽しみにするって手もありますね。。。要検討。

  7. Masamune より:

    http://www.geocities.co.jp/AnimalPark/2414/salt/takoclub1.html
    タコ倶楽部なるサイトに「タコを食べる国」が記されています。
    それからすると、豪州でも北の方は可能性があるように思いますが、白人エリアではやはり「Devilfish」のようですね。:-)
    シドニーはお寿司屋さんでもネタにないのかしら。
    お気持ちは分からないでもありませんが、数量的に難しいかもしれませんね。<睡龍
    こちらの酒屋さんから気軽に輸入できるようになればいいですねぇ。

  8. とりしや より:

    オージーもけっこうタコを食すようになりましたけど、ほとんどイイダコで焼いたり、炒めたりしてます。普通のタコはたまにマーケットに上がってきますけど、それも年に数回。こっちの寿司屋は日本からの冷凍もんで、話になりません。
    >睡龍
    せいぜい頑張ります。辨天さんもほしいし、、、、。

  9. Masamune より:

    酒ばかりかタコも?お気の毒ですねぇ。
    何もわざわざ日本に頼らなくても良いでしょうに、やはり需要がないとルートも作られないのかしら。
    お酒も蔵元に頼らずとも酒屋さんから気軽に輸出できればいいのですが‥
    現状では難しいですね。

コメントを残す