旭菊 特別純米
福岡の酒は、余所の酒に目が向き始めた頃に「三井の寿 美田」を飲んで以来かと思う。
口開け直後はノッペラボウで、燗を当てても一向に目を覚まさない。「え〜、これが‥」。すすめている酒屋さんの口は確かだから、「こんなはずはない」と、その酒屋さんが取り扱う酒たちへの常套手段、常温での放置を決め込む。
話は飛ぶが、世界三大珍味の一つとされるフォアグラは、ガチョウまたは鴨をガヴァージュ(強制給餌)で飼育し、人工的に作り出された「脂肪肝」だ。ガチョウのは「フォアグラ・ド・オワ」、鴨のは「フォアグラ・ド・カナール」と呼ばれるらしい。
その必要以上に餌をたくさん与えられるガチョウや鴨同様、前日、喉につかえるほど添加アルコールをたっぷり押し込まれたこの身体。「アル添肝」になる前に真っ当な酒で清めなければと、取り出したるがこの「旭菊 特別純米」。てな訳で話が元へ戻る。
まだ一週間ほどだが、冷やで味乗りを確認。素性の良さは見て取れるが、まだ苦い。
そこでkanzakerakuenさんよろしく、火入並みの温度に思いっきり煮た。「早く冷めろ〜」と、待つこと暫し。
「おぉ、これが旭菊かぁ」。原料米の麗峰に由来するものか、塩のミネラルの旨さを思い起こさせる味わいがず〜んと広がる。まだ硬めの印象は拭えないものの、つり合いが取れた旨みと捌けの良さ、程良い余韻。
タコ刺し、豚肉鍋(すき焼き擬き)、小松菜の浸しなどをつまみながら、杯がどんどん進む。
クリームシチューが相手になると、塩の旨みにつながる味がシチューの甘さやもたつきを引き締めてくれる。
おかげで久々に酒のお代わりが必要になってしまった。(^^;
これで2,150円/1800ml(税別)なんて‥。前日もこういう酒だったらと、つくづく思ってしまうのだ。
原価の差は徳利一本当たりで4〜50円のはずだから、メニューに載せてもたかだか100〜150円の差だろうにねぇ。
それでこんな酒を飲ませてもらえるなら、喜んで払って差しあげますよ。帰りには最敬礼もおまけしちゃおうってなもんです。:-)
ラベルは風景画でしたか?
↑なんか、まだ昔のラベルがあるって聞いたもので。
昔のラベルって菊の花のやつですか?
ところで今回どういう訳か、この特純は試飲してこなかったんです。たぶん宇宙人の妖気に充てられたんでしょう。特純は綾花のみという先入感で失念してました。ただ純吟の麗を試飲しましたが、麗にくらべても綾花だなと再認識しました。米の違い、酵母の違いありますが、綾花にはホっとさせるものがあります。もうこれなくしてはうちの酒は成り立たないというのは褒め過ぎでしょうか。
オージーにも綾花のファンが結構います。
色鉛筆(?)で堤と遠景に橋が書かれていましたよ。16.4詰。
暮れに送っていただいたブツざぁます。
あれは水彩画です。
スミマセヌ。たいへん失礼をいたしました。m(__)m