少しだけハレの日
豚児1号の誕生日に託けて、3年寝たことになる『秋鹿 山廃純米大吟醸 無濾過原酒 2002 火入』を開けた。
原料米:山田錦 精米歩合:50% もと:山廃 酵母:901号
日本酒度:+5 酸度:1.9 アミノ酸度:0.6 アルコール分:17%台 2003.5詰め
滅多に飲むことはないであろう酒を前にやや緊張。な訳がない。「えい、やぁ」で選んだからには、待った無しにポン、ジュルジュル。(^^;
純吟2001ほどの酸っぱさはないが、山廃ならではの風味をまとい、後に米由来の甘の余韻が。
燗をつけると、酸っぱさが引っ込み、締まりが現れてきた。後の甘は健在だが、もたつく味ではない。磨きが高いだけあって上品できれい。良くある山廃のごつさは抑えられ、すいすい入る酒だ。
うまい刺身を造ってくれる魚屋さんに頼んだら、寒鰤・鮪・鯛・ホタルイカ・トリ貝・甘海老を盛り合わせてくれた。寒鰤と鮪はきちっと角が立っている。さすがプロだ。噛むと封じ込まれた味がピュッと放たれる。鰤がうまい。鯛はもっちり甘く、トリ貝の歯触りと甘さに酒が進む。
ポテトサラダとほうれん草のお浸しを箸休めに、青椒牛肉絲も。何だか訳の分からない取り合わせだが、家庭のおかずはこんなものだろう。竹鶴のように脂を洗うほどの強さはないが、酒もうまい。
ついお代わりをした後は、デザート用の「おぼろチーズ」とも合わせてみた。これは、思いっ切りやわらかなチーズオンリーのレアチーズケーキ、と思ってくれればいい。柚べしや金鍔、果ては羊羹まで酒の肴にしてしまうおやぢだから、横文字のスイーツとはいえ、違和感はない。
引き立て合うほどではないが、これはこれでいける。
仕上げにきっちり焼かれたベイクドチーズケーキを食べて、豚児1号の誕生日を祝う晩餐はお終い。さすがに口が甘かった。
やはり秋鹿の山田錦には6号酵母が良さそう。901だと、早飲みには向くけど、長くおいた時にひ弱な面が出てくる。
今になって思えば、『神亀 昭和56年醸造 大古酒』が最も相応しかった。何せ、本人の生まれ年。これは来年の卒業祝いにこそ相応しいかな。:-)
平成三年生まれの長男がいます。
彼の生まれた年は「鷹勇純米吟醸なかだれ」が
誕生した年です。もちろん保管してあります。
あの頃はまだ日本酒を20年も寝かせようなんて、思ってもいませんでしたから。
幸い蓮田のコンテナに昭和56・57(1981・1982)年がありますから良いのですが、我が家のアニバーサリーには昭和55・61(1980・1986)年が欠けています。
ご存知でしたら、どなたかご教示ください。