休日の夜に
■呑録(旧暦2/28)
知人によれば「味が多すぎるから6BYが良いよ」とのことだったが、枯れ味だけの古酒はこちらの体力も要求するから、まずはやさしい甘さに馴染んでからだ。
『旭菊 特別純米 5BY古酒』
廃線となったJRのトンネルで眠りについていた酒がきれいな熟成色を帯びている。特別純米であるし、長期熟成酒としては中間型に属するだろうか。
口に含むと色合いどおり、強からず、弱からず、程良い熟成香と、10年超としてはしっかりとした上品な甘みを伝える。
これはあまり熱くしない方が良いだろうと上燗ほどを目論むも熱燗になってしまったから、杯に残る冷やに注いで頃合いを探る。ぬる燗では低過ぎ、やはりそれと上燗の間くらいが按配が良い。
肴には久しぶりのニギスの煮付けがあるではないか。やや小振りだが、ニギス特有の風味は健在。これがまた熟成燗酒と相性ピッタリ。背と腹の境目に箸を入れると、身がパカッと割れる。片身を食べてグビリ、お腹の子(白子・真子)を食べてグビリ。あっという間に4匹食べてしまった。
生臭さを嫌う向きもあるが、この煮汁で煮た茄子もうまい。茄子がもう一品、胡麻汚しだ。これが口直しにもってこい。ポン酢で食べる鰹もまずまず。
徳利が軽くなったと思っている内に「あらら、もう終わったか」。
しみじみと嗜むも良し、にぎやかに飲むも良し。時に戯れ、時に過ごし、傍らに燗酒ある限り、我が暮らしに厭きはなし。
久しぶりの休日が良い酒で締めくくれたことを喜んでいる自分がいる夜だった。
私は「煮酒」にしますね。
H6BYだとそれができないので、やや不満。
煮ちゃうと甘が引いちゃいません?
あ、それが目当て?
6BY、後に嫌味が残ります。orz