東奔西走 -其之七-
あれから二ヶ月。ようやく続編に手を付ける。
並みの駄酒なら、とっくにスカスカになってしまうだろうが、まっとうな酒はまだまだ序の口。
これからが本番さぁ。
と、取りあえず言い訳を。:-)
さて、前置きはこれくらいにして、前回-其之六-のつづきをはじめよう。
蔵内の見学を終え、米蔵を改造したというコミュニティスペースを通って、再び母屋側に戻る。
いよいよ夕食という段になって案内された部屋の一角に、ご覧の鎧兜が…。
うぅむ、さすがに旧家。段飾りまでがその歴史の威厳を放っているかのようだ。
我が家には縁がなかったものだけに、平身低頭の上「不甲斐ない婿ですみませぬ」と、詫びの言葉の一つも呟いてしまいそう。
その代わりに自前の三人官女を召し抱えておりますから。(笑)
ご当主、杜氏、この杜氏の下で酒を造りたいと馳せ参じた2人の蔵人と席に着く。おやぢの正面には杜氏が…。一緒に酒を飲むのは初めてだから、いやが上にも緊張。
おかげで、写真を撮ったものの、きれいに盛り付けられた膳が欠けてしまった。
蔵人のIさんが傍らに設えた電気ポットの蓋を開けると、銚釐に注がれた「どぶ」をつける。道具立ては違うが、これも確かに湯煎には違いない。頭のやわらかい発想だ。
ご当主ともう一人の蔵人、こちらもIさんが、蛤や肉に野菜たっぷりの鍋を作り始める。
で〜んと構える杜氏。さすがボス。(^^;
絶妙なお燗がついたところで乾杯。いよいよ宴のはじまりだ。
左隅に写っている器が、杜氏の知り合いに焼いてもらったという、デブ専ならぬ、「どぶ」専用のぐい呑み。これで飲む「生もとのどぶ」は、ご飯を飲んでいるかのように、体に馴染んでいく。うま〜い。
春の味、土筆やチーズ、鍋を肴に、米の味が豊かながら、素直なうまみのどぶをぐいぐいと飲む。
こういう酒を飲むのに飾り気は不要。ほとんど初めての間柄にも関わらず、もう何度も酒を酌み交わしているかのような気分になるから不思議だ。
おやぢが勝手に舞い上がっていただけかもしれないが…。
「澄み酒も飲んでみますか?」。杜氏にいわれ、杯を替えて生もと純米を。こちらはいかにも酒。キリッと引き締まった味わい。
「仕事が残っているから」。途中、何度か、杜氏や蔵人が席を立つ。「ルーティングワークで酒を造っちゃいけない」という杜氏の言葉どおり、生き物の相手は、そんじょそこいらの覚悟では務まりそうにない。
「櫂入れを見ますか?」「はい、ぜひ」「起きられたら、4時に蔵に来てください」
口にした以上起きねばなるまい。そう思いつつも杯を口に運ぶ手と、それを飲み干す口が止まらない。
いつの間にか杜氏とIさんの姿はなく、朝早くからみんなと一緒に蔵に入るご当主は横になっておられる。部屋には、燗番を務めてくれたもう一人のIさんと我々だけで、時計の針は12時を回っていた。
毎日の蔵仕事でお疲れだろうに、最後までつきあっていただいたIさん。呑兵衛の戯言をずっとにこにこと聞いてくださり、ありがとうございました。
しかし、飲み始めから6時間か。いったい、どれくらい飲んだのだろう。じわっとたんまりいただいたことは間違いない。それでも飲み飽きるということがないのだから、実に困った酒である。
あぁ、穴があったら入りたい。初めてお邪魔した蔵で傍若無人な呑兵衛姿をさらしてしまい、杜氏が考案したという、この瓶燗機を通される酒の気分を味わった一夜だった。
ずっと『テキストの回り込み』オプションを使いたかったのだが、下処理が面倒臭いから写真を載せることが稀だし、タグの記述も今イチ良く分からないため、今の今まで放っておいた。
本日、見様見真似で試してみることに。こんなで良いのかなぁ。
まぁ、ぼちぼちってことで。
この瓶燗機ほしいなぁ〜!
K杜氏、携帯番号変わったみたい。
前の番号は使われていませんとのこと。
おやぢさん、知りませんよね?
米がくっつかない放冷機や改良版の洗米機も欲しいんじゃないですか? (^^;
放冷機は宮城・埼玉・香川に、改良版洗米機は三重にあるようです。
無論、すべてに興味あり!しかし、
先立つものが・・・・・はぁ。<‐_‐>
改良版の洗米機を見てみたいですねぇ。生真面目そうな方だから、頼めばイヤとは云わないと思うけど。
放冷機は埼玉にも?って感じでしたが、他は、たまたま今年、目にしました。結構高そう。
いずこも「有るところには有る」が恨めしいですな。(´ヘ`;)ハァ
この瓶燗機なかなか使いやすいですね。
シンプルだけどよく考えられてあります。
地元の鉄工所あたりに頼めば結構安くでできると思います。
Tankさんなら、図面もらえるのでは?
余目になければ大山の鉄工所を使うとか。
おやぢさん、ありがとう。
彼と連絡とってみます。
ちなみに知人で鉄工所経営者がいるので
余目でできると思います。