先日飲んだ某泉 純吟(原料米:八反+新千本・酵母:せとうち21)のあまりの薄っぺらさに困惑した後、期待を込めて開けた某鶴 特等酒。

以前のままの色と幅味を予想して正面からぶち当たっていったのに、これがまた見事な肩すかしで、思いっきり砂を噛まされたしまった。
こんなにこなれていない某鶴は初めて。
とにかくアルコールが浮きまくり、旨みよりもその刺激とまとまりの悪さに閉口。
しょうがないから『煮酒』にしてみた。アルコールが飛ばされたことで刺激は和らいだものの、やはりあの幅味は伴わない。尖るだけで、舌の上に旨みが広がらないのだ。
たぶん最近の風潮に合わせて酒質をいじったのだろうが、これはもう血迷っているとしか思えない。
これで2,900円/1800ml(税別)とは…

名ばかりの吟醸じゃなく、ちょっと贅沢な定番酒という、あの酒質を買っていた一本だったのに、ライバルがひしめく価格帯で自暴自棄ともいえる変わりよう。
「○○鶴よ、お前もか!?」
と、燗酒おやぢの嘆きは深く、大きかった。

これなら「竹鶴 金冠」(本醸造・1,835円/1800ml・税別)の方が安い上に、味にふくらみとまとまりがある。
もしくは、同地から選ぶとしたら、「福美人 上撰」(本醸造・1,835円/1800ml・税別)が、昔ながらのスタイルをきちんと伝えている。
ここに一縷の望みを託すしかないとは、酒都が凋落からはい上がる日はいつになることやら。