鯉川 純米吟醸 DEWA33
Tankさんのコメントに書きながら、その晩は忘れてしまった「鯉川 純米吟醸 DEWA33」。
昨夜はしっかりと抱いて帰った。:-)
肴はギス(地方名)の煮付け。塩焼きもうまいが、淡泊な白身に煮汁がしみ込んだうまさはまた格別で、おやぢには鱈と並ぶ冬の煮魚の両横綱に思える。
白身魚のそこはかとない甘みを得も云われぬうまさと感じるのは、それなりの年になってきたということかも知れない。
さて、『DEWA33』だが、オール山形だから、当然、山形酵母と思われる。
元々やわらかな口当たりと甘みの余韻が鯉川の持ち味だからと、45℃ほどの燗にした。
余目の某居酒屋に持ち込んだ大吟醸を「45℃にして香りを飛ばして」と注文を付けた蔵元を真似たのだが、『出羽燦々と山形酵母』のコンビは予想どおり(いや以上か)に吟香が強い。
そのが香りがギスの風味を覆い尽くし、鼻につきまとう。もっと温度を上げれば良かったかと思ったものの、それによるバランスの崩れも気にかかるし…。
そんなにヤワな酒ではないと思いつつ、もう少し飲み込む必要があると感じた。
そういう意味では、昨晩は庄内産一般米を使った『鯉川 純米酒』の方が合わせ易かったかも知れない。
この2,000円/1800mlの純米酒がまた、おやぢの好みなのだ。
※『ギスの煮付け』のギスについて
こちらでは単に『ギス』とか、稀に『キス』とも呼ぶが、正式には『ニギス』のことをいう。
【ニギス】
サケ目ニギス科。
オオギスとも呼ばれる本当の『ギス』は、カライワシ目ソトイワシ科。
天ぷらや刺身でお馴染みの『キス』は、スズキ目キス科。
それぞれまったく別物であることが分かる。
『ニギス』をキュウリウオ目ニギス科とするサイトもあるが、旧い分類か。
同サイトで『オオギス』と呼ぶこともあるとされるように、魚の地方名は実に様々で、名前だけでは判別が難しい。
要は、その土地に口を持って行けということか。