道中双六 -其之弐-
「さて、今度は?」とサイコロをふれば…三つ戻って、またもや『一回休み』。
“女人高野" として名高い“室生寺”です。
こちらも同じ総本山とはいえ、“長谷寺” と比べると実に質素ですが、境内には凛とした空気が満ち、静謐そのもの。平日ゆえの疎らな参拝客に交じり、盛りを過ぎた桜とぽつりぽつりと咲き始めた石楠花を眺めながら、石段を踏みしめ金堂へ…。
そこからさらに石段を登ったところが灌頂堂ともいわれる本堂。
双方ともに長年の風雨にさらされ、煌びやかさとは無縁なれど、木組みといい、檜皮葺きの屋根といい、積み重ねてきた年輪を思い起こさせる趣があります。
奥の院へと続く石段の先にはこれ。奈良時代後期のものとされながら、平成10(1998)年9月の台風7号による無残な姿から修復なった国宝の五重塔。
この修復に当たっては、檜皮が手に入らず、お役所間の縦割り行政の歪みに苦しめられたはずですが、真新しい檜皮が金堂や本堂並みに苔むすまで、また気が遠くなるような歳月を必要とするのでしょうな。
いずれにしろ、この姿のまま後世に伝わることを願って止みません。
駐車場のおばちゃんに教えてもらった “やまなみロード” と呼ばれる奥宇陀広域農道を北上し、R25名阪国道へ。
今度こそ、さようならダス♪ (笑)