某店への手紙
暑い時期も燗酒を、提供していきたいと思うのですが、最近は冷酒を好まれる方が多いですね。
というメールをいただいた某呑ませ手への返信を以下に♪
真夏を思わせる陽気にもなるこの頃ですが、これからの暑い時季こそが燗酒への理解を深める最高の季節です!!
というのも…
ご存じでしょうが、アルコールの消化・吸収・分解は飲んだお酒が自分自身の体温以上になって、ようやく始まります。
冷たいお酒を飲むと自身のエネルギーを使って体内で温め、体温と同じ温度にしてから消化を始めるように人の体ができていますから、摂り込んだお酒を温めるまでの時間が酔いのタイムラグとなります。
ですから…
「冷たいお酒を飲んでいたらいきなり酔いが回った」はもちろん、「目が覚めた後に疲労感が残った」「二日酔いになった」なども就寝直前まで冷たいお酒を飲み続ければ、睡眠中もその消化・吸収・分解のために体は働き続けますから、すべては道理。
そこへいくと…
燗酒は摂り込む温度が既に体温以上ですから、飲みながら早、消化・吸収・分解が始まるため、タイムラグもなく、すぐに酔うことで自身の適量を自覚できますし、飲みながらも消化・吸収・分解しているので就寝後の体への負担も軽く、結果として二日酔いになりにくい。これもまた道理です。
そして、暑い時季は冷たい物を摂る機会が増え、その上に冷たいお酒まで…となるとただでさえ草臥れている胃腸にさらに負担をかけることになりますから、少しも体にやさしくありません。
暑い日には一杯の熱いお茶がご馳走になるように、お客様の体を慮ればなおのこと、燗酒で労ってさしあげるのが提供する者の務めではないでしょうか。
お店のお料理をおいしく、また楽しく召しあがっていただくための食材や調味料へのこだわりやかける手間のすべてが、お客様への思いやりとその笑顔のためであるならば、それをお酒で具現化したものが『燗酒』である、とするのはいささか理屈に走りすぎますでしょうか。(苦笑)
お酒を召しあがっている最中に「お冷や」を所望されるお客様もいらっしゃると思いますが、お客様への愛を込めて、今後はぜひ「白湯」をオススメください。(笑)
最後に老婆心ながら…
あるお酒の会で出会った某飲食店の店主がこちらの燗酒談義に「燗酒を飲ませるとすぐに酔って飲む量(売上げ)が減るから、ウチでは○○(ガチンコの燗酒銘柄!!)は冷や(あろうことか『冷した酒』の意味)でしか出さない」とほざいた折、「だったら、どうしてこの会に来るんだ!?!?」と腑を煮え返らせ、その後一切の無視を決め込みましたが、斯様な志の低い店には決してなさらないようお願いいたします。
でも、その分、食が進んで、もの食べれば客単価としては、十分だし、そんな考えで客を金としか見ていないから、客足も遠くなってきそうですね
夏場に燗酒飲みながらかく汗は、いやな汗じゃないですが、
冷たいものを飲んで、その後床に就き、体が火照ってかく
汗は、不快極まりないですものね。
記事とは関係ない写真のお酒、実に心地よい酸が感じられ、
澄んだ酒の秋あがりを楽しみにさせてくれます。清酒竹鶴
純米もそうですが、当年のにごりを飲み続けていて、澄み
酒のBYがかわった時、ああ、これだったこれだった、と
感じるのも、最近では楽しみのひとつになっているのです。
To ま・ぜらさん
酒よりも食べ物メニューが売れた方が飲食店さんは儲かるでしょうにねぇ。
その後、お目にかかっていません。(笑)
To たっぱさん
なるほど、そういう楽しみもありましたか。
っていうか、当年酒しかなければ当然、そうせざるを得なくなりますものね。
如何せん飲むものが多すぎて、なかなかそういう楽しみ方に辿り着きませぬ。(笑)
この改良雄町にごり、如何にも天穏!! という味わいでしょ!?
私も最近、同じようにアルコール分解されるときの温度、後からガクっと足や頭にくる関係を
飲んでいるときに友達に話したりすることが多いです。
でも知らない友達なんかは、すんごい納得してくれますよ~。
(そのあと実践してるかどうかは??)
私も、この話を聞いた時は、目からウロコというか、すごい理にかなってて納得!でした。
でも、思い返すこと数年前。
ダイエットしてたけど、アイスが大好きだった学生時代、
TV番組で「アイスは太らない!なぜなら、体内に入ったアイスを消化分解させるために、温度をあげるべく、体内カロリーを使うからなのだ。」
なんて聞いて、ルンルンとアイスを食べていました(笑)。
To まき子さん
香りも味もわからないほどキンキンに冷やした酒で何度もイタい目に遭いながらも
まだ冷し酒の方が格が上であるかのような物言いを続けている人は別の意味で強者かと。
アイスといえば、レディーボーデンのあのパイントパックを一人で食べていた頃が懐かしい♪ (笑)
良い文章、参考になります。
今度、使わせてもらおっと!
To 煮酒さん
うぅ〜ん、なんだか気恥かしいですよ。