生は嫌いだったはずなのに

生酒を燗したときに出る、あのもわぁ〜っとした臭い。あれがイヤでイヤで、「燗に向かない酒は呑みたくない」とどんなに薦められてもひたすら否定しまくっていた時代もありましたが、あれを不快と思わない御仁もあって、閾値の個人差とはかくも不思議なものかと思わされておりました。
それが、最近は許容範囲が広がるばかり。といっても、相変わらずダメなものはダメですが…まっとうな酒なら生でも受け付けるようになったのは重畳、重畳♪

奥播磨●奥播磨 純米おりがらみ 無濾過生原酒 H15BY
冷やで。「酸っぱぁ〜!! もしかして逝っちゃったか?」と思いつつ、よくよくみればまたもや梅酒を思わせる酸ざます。
“兵庫夢錦" のお酒が熟すとこの酸が出てくるんですかねぇ。
熱燗(50℃近辺)を超えるほどに燗をつけて。
イヤな生臭も出ませんし、食べ物と合わせちゃうと、この酸も苦になりませぬ。
“大洋盛 華凛(かりん)” もこんな味でしたっけ。三年経って本来の “奥播磨” の味になったとも。:-)

アテは、豆腐の卵とじ。長葱が甘〜い。コレステロールの元凶として忌み嫌われる卵ですけど、茶碗蒸しといい、好きなんですよぉ〜。でも、卵かけごはんだけは、×。X-)

厚揚げと “たい菜” の煮物。“煮菜”。どちらも “たい菜” を使ったなれど、茎の食感がうれしい “煮菜” と煮汁を吸ったやわらかさが対照的な菜っ葉料理二種。
“煮菜” に入っていた “打ち豆” はもちろん、ダシの煮干しまで完食。

●ひこ孫 純米三年原酒 (2001.07詰)
「二本目のお酒憶えてる?」「大鉢に盛られていた料理は何だったっけ?」
の答えの後で、逆に尋ねられたけど…すっかり忘れていました。
そういえば、呑んだね、これも。X-)

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生は嫌いだったはずなのに” に対して15件のコメントがあります。

  1. HN より:

    奥播磨の滓がらみといえば超辛赤ラベルが神戸の地酒筋では幅広く人気のようで。
    私が飲んだ5年ほど前は変化が早かったです。
    早春は滓のフレッシュな旨みと微発泡でとても美味しくいただきましたが、
    同じ店でリピートした5月頃のもの滓の旨みも無いくらいに蕾になってました。

    これも3年我慢だったのでしょうねェ〜

  2. まき子 より:

    私も比較的、昔から生酒のお燗は大丈夫な方かもしれません。
    それでもだいぶ前は、それこそ何でもOK!だったのが
    最近ではダメなものとスキなものが分かれてきたのは
    やっぱりまっとうなお酒を知るようになったからなんでしょうかね〜。

  3. りえぞ より:

     私はまだ舌が幼いのか、生酒の燗全般的に
    大丈夫なのです。っていうか…そのにほひ、
    好きなのです…。。う〜〜〜〜ん!!!
     そんなわけで最近生酒ばかりだったこの私。
     軽く頬をたたかれました、おやぢさま。

     秋鹿の山廃純米吟醸2002年、すごい!すごいでした!
    (日本語変になるくらいに) 

  4. おやぢ より:

    >HNさん
    赤いラベルももちろんありますが、それはもうちょっと後で。:-)
    “奥播磨”、若い味を好むならそれもいいですが、練れに練れた“熟味”を味わおうとするなら…
    やはり甘が枯れるまで、ひたすら待つしかないですねぇ。
    もっとも山田錦などは枯れてみようがないとは思いますが…。(苦笑)

  5. おやぢ より:

    >まき子さん
    あのムレ香のようなにおいが平気な人がいるのには驚きでしたが、
    それこそ閾値の差。許容範囲が広がると苦にならなくなるんですよね。

    それを抜きにしても、お燗してうまくなる、すなわち「燗上がり」の酒を知ってしまうと、
    燗で崩れるような酒は飲めなくなるのは、ごく自然な成り行きかと。
    「燗向き」といわれているものの中にも、見かけに誤魔化されているケースも多いですよ。

  6. おやぢ より:

    >りえぞさん
    生酒を完全否定するわけではありませんが、偶然に頼る部分が多いことも事実ですね。
    火入れをきちんと熟成させるには、より多くの時間が必要ですが、
    生では味わえない「完成形の凄み」をまざまざと見せつけられると…
    やはりねぇ。(笑)

  7. HN より:

    奥播磨のxxという酒が面白いとか。
    おやじ様、ぜひ熟成してくだされ。

    そんなことが出来るのはこちらの酒屋さんにはありませぬ。
    蔵で眠っていた熟成酒は関東の酒屋さんが持っていってしまうとのこと。
    自県の蔵なのに赤、黒、青の方が動きが良いので持ちきれないそうです。

    あの頃はうまかったと言う人が多い杜氏さん。
    高柿木の生もとの熟成酒なんて師匠クラスじゃないと寝かせていないんでしょうね。

  8. おやぢ より:

    >HNさん
    “XX”って、想像するに、ウチの“隠し酒”と同じものじゃないでしょうか。
    先年、蔵元が熟成山廃用に古来のブランドを復活させてしまったので、
    それとの混同を避けるための策じゃないかと。

    赤・黒・青ラベルは…本来の“奥播磨”の味とはちょっと違うと思っていますけどね。
    手を染めた頃はまだ高垣さんに特別な思い入れはありませんでしたが…
    11BYの“隠し酒”を飲むと…重低音のような甘はいつまでも枯れそうになく、
    うまいとは思いますが、キレは…重視されていないように感じられます。
    それがまたもてはやされる元にもなっているのですから、酒々彩々ですね♪ (笑)

  9. HN より:

    そのまんま「XX純米酒H17BY」で出荷されているらしいです。
    裏ラベルだけですが。

    農大で保存されていた7号系酵母で仕込み、酸が特徴的とか。

  10. おやぢ より:

    >HNさん
    “隠し酒”は5年熟成ですから、ちょっと違うようですね。
    手に入るかどうか…。
    仮に手に入るとしても今の手持ちを減らさないと置き場所が…。ついでにお金も…。
    つい買い込んでしまいますから、増えるのは支払利息だけ。orz

  11. ちゃむ より:

    「XX純米17BY」、笹塚の某店で昨年末に購入しました。
    実家で常温熟成させてます。

    菊正宗の多酸系酵母と伺った記憶があります。

  12. おやぢ より:

    >ちゃむさん
    たぶん、以前の白○泉がそうだったように、あちらだけのオリジナルだと思うのですよ。
    多酸系…リンゴ酸高生成酵母でしょうか。

  13. HN より:

    高柿木H15BY山廃生源酒を購入しました。
    芳水とは全く違う濃醇な味わい。
    5年以上前に飲んだ奥播磨の印象に近いかな。

    旭若松を思い起こさせる熟成香と舌触りも。
    酸がしっかりとあるので後口もすっきり。

    H17BY生も味が乗ってきたそうなので、爽快さが残っていて良いかもと期待してしまいます。
    高垣杜氏も今年が最後かと噂されていますが、やっと再会できた思いです。

  14. HN より:

    訂正
    リンゴ酸はかなりあるんだけどちょっとネットリ残ります。
    これはこれで変化を見てみます。

    しかし、今日は暑いので(20℃超)4ヶ月ぶりのビールでも飲みますか。
    このままだと西日本は熱帯化し今年の夏は40℃超か?
    移住ですな。

  15. おやぢ より:

    >HNさん
    “芳水”はまだ飲んだことがなかったかも…。
    ネットリ残る…それをキレの悪さと取る向きもあろうかと思います。
    枯れるまで待つのはなかなかたいへんでしょうね。(苦笑)

    こちらもその翌日に20℃を超えたようですが、今日は雪。
    初夏になったり、冬に舞い戻ったり、節操のない天気ですな♪

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