データは添え物、知識は邪魔物

珍しく “前ふり” なし♪
とはいえ、長い…。X-)

鷹勇■鷹勇 純米 “山廃強力(ごうりき)” H17BY
届いて5ヶ月。あらためて裏貼りを見やれば…

・仕込年月:平成17年度・酵母:協会7号・原料米品種:強力
・精米歩合:65%・日本酒度:−1.0・酸度:2.4・アミノ酸度:2.2
・粕歩合:25%・杜氏:坂本 俊(出雲杜氏)

あの山廃純米60%H9BYですら+3.5だったのに、「おやっさんの酒にしては思いの外メーターが切れていないなぁ」という印象なれど、こちらの醸造関係者が見たらきっと…
「何だ、この酸とアミノ酸は!? しかも粕歩合が25%!? こんな汚い酒、あったものじゃないっ!!」
と口から沫を飛ばすことでしょうな。(笑)


しかし、先日の“モアイゼミ”での「頭で飲むな!!」という教えそのままに…
酒はすべからく「飲めば分かるっ!!」ですからね。

冷やでは、若干の据わりの悪さがない訳ではないけど、「わぁお、やっと!?」
飛び切り燗(55℃近辺)を超させれば、もううまみたっぷり。「ウンマ〜い♪」

粗探しやヨイショのネタ探しは、それをするのも仕事の内という人や、これを読んでもまだやりたいという人にまかせて…
いい呑兵衛になりたいのなら、これでいいのです。(笑)
ついでに、“モアイゼミ”の教えをもう少しご開帳すると…

きき酒する時や仕事の上ではもちろん、酒が結んだ友と酌む時にも、その味を自分なりの言葉で表現しようと努めるものですが、モアイ杜氏の…
 「自分の言葉で表現するな!!」
には、いささか驚きました。しかし、いわれてみれば「なるほど」と即座に納得。
つまり、「一人の人間が操ることのできる語彙はいかほどでしょうや?」ってこと。
せっかく素直なベロで感じたままの感覚・感動を、無理に言葉で表そうとすることで、己の矮小な知識内に押し込めようとして、かえって歪なものになってしまう。それよりも「感じたままを大切に」すればいい、と説く杜氏。
それゆえの…
 「頭で飲むな!!」
 「飲めば分かるっ!!」

なのですよ♪
ゴリゴリの頭でっかちより、素直でまっとうなベロを!! (笑)

シチューアテは、薄酒の地に相応しい、緩めのクリームシチュー。炭濾過はかけていなくてもうまみに乏しく、最後の一葉が散った木を思わせる。酒のうまみが多いから余計に。(苦笑)
鰹の刺身。相変らず安くて、貧乏人の強い味方?
お浸しはほうれん草に…。かけられた鰹節もアテにしてしまいまする。
食用菊の胡麻酢和えと紅白なます。

機嫌良く? はたまた惰性で?「お代わり〜♪」
と相成ったものの、あまりの強情さに、ゴール寸前ながら敢えなくリタイヤ。orz
いくら強力米を使っているとはいえ、17BYを以てしてもまだこんなですもの。

先日も「鷹勇の山廃純米吟醸の18BYを」というオファーがありましたけれど、
「当分、入れる予定はありません」とお断りせざるを得ませんでした。
聞き齧った知識で、今から18BYを堪能しようなんて、そりゃ無理無理!!
下手すると、「こんな酒なのか」と悪いイメージを植え付けかねませんしねぇ。
“鷹勇” の山廃がどういったものなのかをご承知の上で…
「手元で飲み頃まで苛めて(自家熟成させて)みたいから」
とありがたいお申し出をいただくなら、こちらも願ったり叶ったりですゆえ…
決して止めやしませんけどね♪ (笑)

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データは添え物、知識は邪魔物” に対して8件のコメントがあります。

  1. りょう より:

    18BYは、是非その若いゆえの渋さを味わいたいのです。
    そしてその未来を想像して...(笑)
    強力も早く飲みたいなぁ。

  2. おやぢ より:

    To りょうさん
    そういう方にこそ選んでいただきたいですな。
    ついでにお裾分けを♪ (笑)
    この強力、かなり良くなってきてはいますが、満開はまだまだ先。
    でも、それを待っていたら、確実になくなっちゃいますわ。X-)

  3. 煮酒 より:

    若いとはいえ、H18BY山廃純米50%、あれを悪く捉えるのはあまりに先が見えなさ過ぎですよね。

  4. おやぢ より:

    To 煮酒さん
    それが分かるには、かなりの飲み手でなければ…。
    本音としては、今から出していただきたくありませぬ。

    といいつつ、日置桜の生?のこともあるから、あまり大きな口は叩けませんが…。(爆)

  5. まき子 より:

    アミノ酸・・・粕歩合・・・日本酒度・・・何がどの数値だとどうなるのか、
    さ〜っぱり分からないので、むしろ頭で飲めません(笑)。
    さらに、自分のボキャブラリーもとーっても貧相なので「おいし〜い♪」としか言えません(泣)。

  6. おやぢ より:

    To まき子さん
    不味いものは分かるでしょ? 🙂
    最悪なのは「スキ」「キライ」で分けることかも。
    自分の知っている狭い範囲の味覚だけで決めつけてしまうのですから。

  7. ま・ぜら より:

    そうか、「この味好き」「コレは苦手」「ああ旨い」「まだ早い、いまのんだらもったいねえ〜」くらいしか表現できていなかったが、コレでよかったんですね
    安心しました。

  8. おやぢ より:

    To ま・ぜらさん
    まっとうな酒の見極めは、まずはまっとうなベロから♪
    そして、本当においしいものを知ってさえいれば…
    尾ひれ端ひれはいつでもつけられますもの。(笑)

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