変わらざるもの

松の内も終わる頃になって、やっと年賀状を書き始めたダメおやぢ。
プリンタが使えないため、久々に宛名を手書きしておりまする。
ドラムカートリッジが届き次第、続きにかかりますゆえ、もう少々お待ちを。(汗)

たぶん、旧暦元日(今年は2月7日)までには終わるはずですから。(爆)

閑話休題。
暮れに或る造り手から…

まっとうな酒は燗でさらにうまくなり、ボロな酒は燗で化けの皮が剥がれる

と、ここ・別館・離れともに掲げている我が燗酒偏重主義に対し…

純米酒、殊に燗酒が良いのは、私も同感ですが、燗で映えない酒をボロ酒とくくると酒がかわいそうでなりません
造り手も、一所懸命、精を込めて造ったはずです
燗でうまい酒を推奨されていらっしゃるのは強く感じますので、どうぞ、燗で映えない冷酒向きの酒や、その他様々な酒があり、それらを愛する飲み手さんも多くいらっしゃることを感じていただけますことを、どうかお考えください
酒屋万流、様々あってこその世界です
私には、自分が好まない酒であれ、ボロ酒と言うには、こころが痛いところもあるので

というご意見をいただきました。
だからといって…
「お説ごもっとも」
なんて、そんな殊勝な返事をこのおやぢがするとお思いか。当然…

ボロはどこまでいってもボロ

とお答えいたしまする。(笑)

なぜかって…
「本来、日本酒とは燗で映えるもの」だからに他なりません。
まっとうに仕込まれ、きちんと熟成させた後にこそ味わえるうまみ。それが適わないとしたら、しなければならないことをきちんとしていないか、しなくてもいい余計なことをしているか、そのどちらかでしょう。

なにも日本酒に限ったことではありません。安さだけを追い求めて、どんどんビールからかけ離れていくビール擬き飲料。あれに携わっている人だって一所懸命でしょうし、昨今の食品偽装問題だって現場はみんな一所懸命だったはず。問題があるとすれば、そういう方向しか見出せないことでは?
それすなわち…
造り手が何を見ているか、ということですな。
飲み手の利? それとも、造り手の利?

酒屋万流とはいえ、本質を外したところに未来がありましょうや。
飲み手の利といえば聞えはいいけれど、いたずらに迎合することが必ずしも利になるものでもありますまい。「店が客をつくり、客が店をつくる」の言を借りれば、本質を見誤っている飲み手を正すのが酒(造り手)の務め。そして、もし本質を見誤っている酒(造り手)があるならば、それを正すのは飲み手の務め、ということになろうかと。

日々の生活、あるいは酒造りも、“繰り返し”で成り立っています。繰り返しの積み重ねが経験となり、経験の集大成が伝統となります。
同じことを繰り返す中にも、気づきや喜びを見出せるような感覚でいたいと思います。

こちらは某造り手からの賀状。
てな訳で、今年も…

まっとうな酒は燗でさらにうまくなり、ボロな酒は燗で化けの皮が剥がれる

を繰り返すおやぢでありまする♪ (笑)

ちなみに、近い将来、そうなることを望んではおりまするが…
「純米酒だけがすべて」ではまだありませぬ。

燗や熟成に耐えない純米酒よりも、まっとうなアル添酒のほうがずっとマシ!!

これもまた偽ざる心情であり、臍曲がりゆえの信条でもあります。:-)

それゆえに、もうしばらくは…

酒は燗酒、純米ならなお良し!! (笑)

長文多謝。m(__)m

Follow me!

変わらざるもの” に対して15件のコメントがあります。

  1. Tank より:

    そこまで言うか燗酒おやぢ。
    でも・・・・同感です。

  2. bokka より:

    残念ながら「まっとうなアル添酒」という概念がよくわからないのですが、
    安くないお金を出して純米酒を買っている立場からは、ほんとうにまっとうにお酒を造ってほしいものです。
    最近新潟のお酒を買っていない(一部を除いては)ことが、おやぢさんが言わんといることを立証しているのかな?

    「鞭天娘」、開栓したときと3日目の味があまりにも違いすぎてびっくりしました!

  3. Giraffe より:

    緋っ鯉に 真っ鯉は いっけのこいぃ〜〜♪ っと。

    年明け早々過激でありますな。
    お燗で化けの皮がはがれるボロ酒とは,お燗にすると味のバランスが崩れてしまうモノをいうと解釈してよろしいでしょうか?
    お燗にしても美味しいけれど,どちらかというと冷の方が美味しい場合もあります故。
    如何でしょう?

  4. hirorin より:

    ふむふむ・・
    みなさん、色んな考えを持ってますよね。
    お勉強になります。私はひたすら、「美味しい」と思った
    その感覚だけを大事にしつつ、いろんなものに挑戦して
    好きなもの苦手なものを覚えていきま〜す。
    そのうち私も「まっとうな酒とはこうである!」みたいなこと
    語る日がくるのかな?
    日本酒もビールもワインも食べ物も、まっとうが美味しいです。
    納豆も美味しいけど♪

  5. Tank より:

    すみません、燗酒おやぢ殿・・と書くつもりが。
    呼び捨てになってました。心の中でご訂正願います。

  6. 田舎もん より:

    おはようございます。

    ならば、生熟の酒を出してくれるなと思いますね。

    ムレ香、生ひね香は、造りが悪いから、出るわけではない。
    造りがよければ、常温熟成させても大丈夫と思ってるところを
    なんとかしてほしい。

    まっ、それを望む消費者も悪いんだが。

    では、ごめんなさい。

  7. おやぢ より:

    To 各位
    コメントをお寄せいただきながら、お返事が遅れて申し訳ありませぬ。

    To Tankさん
    年頭の所信表明ですから、ちと過激に。:-)

    呼び捨て、どうぞお気になさらずに。

  8. おやぢ より:

    To bokkaさん
    まっとうなアル添酒…いつものお蕎麦屋さんに置いてある山廃本醸造などなら。:-)
    新潟だけに限ったことではないのですが、もし選ばれなくなったとしたら
    それはbokkaさんのベロがまっとうになった、という証では? (笑)

    辨天娘、あのお転婆でしたっけ? もうなくなりました。orz

  9. おやぢ より:

    To Giraffeさん
    > 緋っ鯉に 真っ鯉は いっけのこいぃ〜〜♪ っと。

    今日は「叶わぬ恋」についても。(笑)

    過激ですかねぇ、本音を吐露しただけなんですけど。;-)
    燗より冷やがおいしいとしたら、おやぢ的にはやはり「まっとう」とは呼べませぬ。
    熟成にも向かないはずですから、当然、めでたくボ●扱い♪

  10. おやぢ より:

    To hirorinさん
    酒だけを揶揄しているわけではなく、口にするものすべてに
    もう少し関心を持つべきではないですかねぇ。
    食品偽装にしても、アホなつくり手から見縊られていたから
    ともいえる訳で…。

    すべてがまっとうになることはなかなか望めないことでしょうが、
    一人一人がきちんと選ぶようになれば、まっとうも納豆も明日は明るい!? (笑)

  11. おやぢ より:

    To 田舎もんさん
    某氏の某著を鵜呑みにし、大いなる誤解が生まれてしまいましたねぇ。
    ただ、生老ねに対しての個々の閾値の差には、しばしば驚かされます。
    とはいえ、「生酒の常温熟成」は諸刃の剣であることを知った上で…
    は必須でしょうね。

  12. 田舎もん より:

    お晩です。

    うーん、彼*だけ*の所為とは思えないんですが。

    さすがに、御蔵関係者でムレ香を知らない人は少ないのでしょうが、
    販売の方々がわからないみたい。
    こちらで説明しても、意味がわからんようで。
    結局のところ、御蔵でもわかんないのかも。。。

    市民権を得てしまってはねぇ。

    最近、引いちゃったの、汗臭い、生酒。
    煮ても、冷たくしてもどうにもならない。

    糖添でない、良くできた普通酒がどれほどにすばらしいか。(^_^);;

    以前、本醸造酒、普通酒の存在意義は?とありましたが、
    柚子酒(盃に一片の柚子の皮を入れ、燗酒を注ぐ)や鰭酒、骨酒には、
    そうしたものの方が向くようです。
    柚子酒には、「麓井」きもとでさえ、味がうるさかった。

    では、ごめんなさい。

  13. 煮酒 より:

    >造り手も、一所懸命、精を込めて造ったはずです
    それが何なの?と、思っちゃう。
    一所懸命ボロ酒造って誉められるわけが無い。

  14. おやぢ より:

    To 田舎もんさん
    生老ね香・ムレ香が気にならないからといって、それが認知された
    と早合点され、さらに煽られるのは傍迷惑ですね。
    まっとうな酒としては、やはりあってはいけない負の要素だと思います。
    純米なら何でもいいと思われてしまうこと同様に、怖いですよ。

    そしてまた、山廃や生?にもいろいろありますから。:-)
    メーターの切れた睡龍や日置桜の生?なら?

  15. おやぢ より:

    To 煮酒さん
    結局、精を込めてボロ酒を造らせられる現場の人が一番かわいそう。
    どうせならまっとうな酒だけを一所懸命造ってもらいたいものです。

コメントを残す