天のない酒造り
“鉄人にごり” や “生酛のどぶ” など、この時期の常連火入れにごりに今年は出雲の新顔が加わっています。
五百万石(麹米)と佐香錦(掛米)の初のカップリングで仕込まれた純米ですから、「従来どおり上品なものの、やや大人しいか?」思いきや、どうしてどうして、「速醸酛+協会7号」という “改良雄町七割” と同じ仕込みを施されただけあって、程好いうまみとシャープなキレに、嬉々として「お代わり〜♪」と相成った次第。
今年も不謹慎な酒は絶好調!? (笑)
長崎のおやっさんがさっさと身を引いたのもこの弟子あってのことか、と頷けてしまう出来映えですわ。
まだ試されていない方、さっさとしないとなくなっちゃいますぞ♪
とはいえ、誉め殺しになってもいけませぬゆえ…
このタイトルは、尾瀬あきら氏の「夏子の酒」の最終回でも紹介されていますが、諏訪泉を醸す諏訪酒造(鳥取県)の元杜氏、鳴川喜三氏が座右の銘としていたといわれる言葉。
無事に二造り目を終えた若き杜氏に労いと来季への期待を込めて、この言葉を贈りたいと思いまする。
酒名どおり「天が穏やかに」を目指すのはもっと歳を重ねてからで十分。
今は、ありったけのパッションとパワーで天が腰を抜かすくらいの酒を目指して欲しいものですな。
火冷め香が抜けるのを待っているこれの生酛ヴァージョンが、ますます楽しみに♪