物欲のすすめ -8-
“まっとうな酒” をさらにおいしくしてくれるのが、“まっとうな食”。
互いに引き立てあって、杯を進め、箸を進めてくれる、実にアブナイ関係でもありますが、その “まっとうな食” の基になるのが “まっとうな調味料” であることに異論をはさむ余地はないかと…。
中でも酢・醤油・味噌などの発酵調味料や味醂は、日本の食と切っても切れない間柄でありながら、これほど【ボロ】がまかり取っている現状はなんなのでしょうね。
今さら “JAS(日本農林規格)” を云々してもはじまりませんから、ボロな調味料の嘘や偽りを見抜くためにも、ユーザ自身がベロを鍛えるしかないのもまた、お酒と同様でありまする。
“富士酢” を造る飯尾醸造(京都府宮津市)は、無農薬栽培のお米だけを原料に、まず純米酒を造り、“静置醗酵” という手間のかかる醗酵方法で酢を醸します。
しかも、きちんと熟成させてから出荷するため、お酢が生まれるまで一年以上かかりますが、「これでなければ富士酢にならない」と昔ながらの製法を頑なに守っています。
今では、この酒造りまで自前でやる “お酢屋” さんはそうそうありません。
加えて「骨抜きにされてしまった、消費者のためにならない規格は無用」と敢えて製品から “JASマーク” を外してしまう硬骨さも。
そんな “お酢屋” の母と娘が生み出した “酢料理” の数々が同社サイトにも掲載されておりましたが、このたび本になりましたのでご紹介いたします。
『京都のお酢屋のお酢レシピ』
著者:飯尾 さとみ・ 飯尾 淳子
出版社:アスキー ISBN:4756148751 1,344円(税込)
よろしければこのリンクバナー、または左の “amazonおすすめ” からお求めください。
“貧乏おやぢ年度末助け合い運動” にチョビッとだけご協力を♪ (笑)
最後に…
五代目見習いさんのblog『酢を造るといふ仕事』も併せてご紹介しておきまする。:-)
うちも、富士酢はよく(家の料理で)お世話になっています。
お米作りも、無化学農薬無化学肥料で何年も、条件が厳しい棚田で作られていて、しかも田んぼだけでなく集落全体の活性化まで考えて活動されている姿勢に、いつも感心しております。
五代目見習いの彰浩さんとも、何度かお会いして(先月は大阪にも来て下さいました)、非常に尊敬できる方と感じております。
双子の妹さんとも、一度だけお会いしたことがありますが、和装を着こなす素敵な女性でした。
で、本ですが・・・買おうかどうしようか、逡巡中です。
>マック次郎さん
あのお米作りにかける情熱だけでも並々ならぬものがありますものね。
貯蔵中にも空気に触れさせるためにタンクを移し替える作業を何回も繰り返すなど、
「手抜き」とは無縁の姿勢が貫かれています。
今になって食の安全・安心などと声高に叫んでいますが、“まっとうなもの”から
目を背け、【ボロ】の蔓延に手を貸したのも、他ならぬ我々自身ですよね。
少しずつでも本来の姿に戻していかないと、子どもたちに顔向けできない未来を
遺すことになりそう。
で、本ですが…ネットに公開されていない部分も伺い知ることができそうですから
買いましょ♪ (笑)
http://iio-jozo.livedoor.biz/archives/50355401.html